汚部屋のままでお金が貯まるわけがない!? モノとお金の超シンプルな“整え方”
Finasee / 2023年5月25日 11時0分
Finasee(フィナシー)
50代オトナ女子のみなさん!今あなたのお住まいは整っていますか?
「なんだ、急に」と思われるかも知れませんが、住まいが整っていない人は家計も整っていません。家計が整わなければお金が貯まるわけがありません!!
ということで、今回は住まいの整え方に習いながら家計の整え方をお伝えします。
かく言う筆者も、子どもが小さいうちは周りにモノがあふれていました。毎日の洗濯物も多いですから、洗って干してたたんで……いや、たたむ前にそれを子どもに着せてまた洗うといった毎日。
学校からの配布物もあちこちに散乱していたので、いつも「あれどこに行った? 今日までだよね」と大騒ぎ。たくさんの時間を“モノ探し”に費やしていました。
キッチンに至っては、かわいいと思って買ったお弁当グッズが日々の食器に紛れ、結局買ったけれど使わないものが食器棚の引き出しに眠っていました。洗い物も間に合わず、キッチンに出しっぱなしの食器を、都度洗っては使い回すといった状態でした。
でも、やがて子どもも大人になり、自分自身も50の声を聞くようになると、「一人の私」を意識するようになりました。同時に、これから続く人生の後半の長い時間を考え始めました。私のいたい場所ってこんなところだっけ? と。
そして始めたのが、住まいの片付けです。今あるものを全て出し、不要なものを処分し、必要なものはその用途に合わせて定位置を決め整理整頓をしていきました。時間はかかりましたが、やがて私の周りは整い、すっきりしてきました。そして「自分にとっての居心地のよい空間とはどういうものか」理解できました。
住まいが片付くと、気持ちの良い時間が過ごせます。必要なモノはすべて定位置に収まっていますからモノを探すという無駄な時間がなくなります。適度な空間が維持されているので、掃除も楽になります。モノであふれる状態がストレスであることを学んだので、買い物をする際の選択基準が明確になりました。「足るを知る」ことができたので、やるべきこととやらなくてもよいことも分かりました。
片付けと家計管理は似ている…! ともに「現状把握」からスタート筆者はファイナンシャルプランナーですから、これまでたくさんのお客様に資産づくりのアドバイスをしてきました。自分自身の資産形成も20年にわたり実行してきたので、自らが希望するライフスタイルを実現できるだけのお金の準備もできました。
その私が片付けという別の角度で自分自身と向き合って発見したのが、片付けと家計管理は本当によく似ているということでした。ご相談にお見えになるお客様は、モノであふれる昔の筆者の住まいのような状態でお越しになります。そして「将来が不安」と訴えます。
では、将来がどんな姿であれば不安ではなくなるのでしょうか? そして今その不安を打ち消すためにどんなことをしているのでしょうか? そのような問いかけをすると、ほとんどの方が考え込んでしまいます。
例えば、子どもには必ず大学に行かせたいのでお金が必要とおっしゃる方がいます。十分な準備ができるか心配だとおっしゃるので、いくら必要なのですかと聞くと、具体的な金額は決まっていない。今なにをやっていて、いくら足りないのかを伺っても、たしか学資保険に100万円か200万円入っているだけ……くらいの返事しかありません。
ではお子さんはどういう希望をもっているのか、成績はどうなのかを聞いても、ここも“ふわっと”しているし、究極なぜ大学なのか? 大学に行った後どうなのか? という、そもそものゴール設定もできていないケースが多々あるのです。
もちろん最初から具体化している方は少ないのですが、やはり目標を達成しようと思うとゴール設定はしっかりしないと難しいです。最終形をまずはイメージするようなものですね。そして、その最終形を実現するために、現状把握からゴールまでの道のりの設計が必要になるのです。
資産や家計の「現状把握」その具体的な進め方なので家計管理においても、まずは今あるものを全部出すことから始めてもらいます。〇〇銀行の普通預金口座にいくら。△△銀行の定期預金にいくら。☓☓証券会社で買ってそのまま放置している投資信託、いったい今どうなっているんだろう。住宅ローンはまだ残っているはずだけど、残高はいくら? というふうに。
毎月の家計の洗い出しも必要です。収入がいくらで、支出がいくら、毎月貯蓄に回せるお金がいくらかです。
収入については、税引き前を確認します。多くの方は給与収入となりますが、これは仕事の対価ですから、この報酬額をしっかり把握することが今後の収入アップの原点になります。いくら税の負担があり、社会保険(公的年金や雇用保険など)にいくら払っているのかも把握します。ここは自分が世の中の“支え手”であることの証でもあり、社会に果たす責任とも言えます。当然、自分自身がそこからどのようなベネフィットを受けているのかも知る必要があります。
支出は、固定費と変動費でまず分けます。固定費は、毎月決まって出ていく支出です。住宅ローンとか家賃、管理費、保険料などがそうですし、おおむね金額が固定されているものも固定費として考えます。例えば、通信費、水道光熱費は若干金額に変動があっても固定費にします。通帳などを振り返りながら年に1回支払う税金などもまとめていきます。
変動費としては、交際費や外食を含む食費、衣服代などが挙げられます。旅行の費用とか、帰省の費用なども入れます。年に数回の支出も年単位の収支の把握には必要なので数字を見つけていきます。
固定費・変動費の合計の平均を取ると月の収支と年間収支が見えてくるでしょう。それぞれの収支が黒字であることはまず確認したいところです。もし赤字であれば大問題ですから、早急に解決しなければなりません。
洗い出しのあとは、支出項目の「仕分け」。カテゴリーは3種類もし黒字だとしても油断はできません、私たちは、あと10年、20年のうちに必ず「就労収入」を得ることが難しくなるので、その後のマイナスの収支を埋める必要があるからです。今後の収支改善のベースとなるように、支出項目を「浪費」「消費」「投資」に分けていきます。
浪費とは名前通り、価値のないお金の使い方です。使って後悔するようなお金の使い方は、真っ先に見直し対象です。ただ最初の段階ではジャッジせずに浪費したと思えば浪費のカテゴリーに分類します。片付けでいうところの断捨離です。もういらないと思ったものを手放していきます。
消費は、その値段同等の満足感が得られるものです。必要なものを妥当な金額で購入できれば消費です。必要なものなのか、そうじゃないのかの見極めをするのが目的です。適切な消費だと思っても、頻度が適切なのか、価格が適切なのかの評価は後にしますが、まずは自分に必要なものはなにかを見極めていく作業です。
投資とは、将来のために今お金を使うことです。お稽古事もそうでしょうし、健康のためと購入しているサプリもそうでしょう。まずは今の気持ちに忠実に投資だと思っている行動を確認していきます。投資はリターンを得ることが目的ですから、後にその評価は行っていきます。
家計管理の最初の段階では、貯まる体質にはなっていないので、まずは結果として残っている金額を確認します。連続して決まった金額が残っているのであれば、今後その金額を意識して積立額としますが、変動するのであれば最低額と最高額を出し分析します。支出が多かったのでお金が残らなかったのか、季節的なものなのか――今後は継続して一定額を積立に回したいのでまずは現状把握です。
ここまでは、モノを全部だして、必要なもの、不要なものの区別をする作業です。意外と時間がかかりそう、項目が多そうと思うかも知れませんが、お金の片付けはこれからが本番です。詳しくはオンラインセミナーでお伝えしていきます。
山中 伸枝/ファイナンシャルプランナー
FP相談ねっと代表。1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業後、メーカーに勤務。これからはひとりひとりが自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナー(FP)として2002年に独立。年金と資産運用、特に確定拠出年金やNISAの講演、ライフプラン相談を多数手掛ける。『50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話』(東洋経済新報社)ほか著書多数、金融庁サイト 有識者コラム連載。心とお財布を幸せにする専門家、ファイナンシャルプランナー(CFP®)、株式会社アセット・アドバンテージ代表取締役、一般社団法人公的保険アドバイザー協会理事。
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