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「ドラクエ」新作発売で警察出動…人気不動にした“伝説”タイトル

Finasee / 2023年5月27日 11時0分

「ドラクエ」新作発売で警察出動…人気不動にした“伝説”タイトル

Finasee(フィナシー)

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1986年5月27日、日本に傑作RPG(ロールプレイングゲーム)が誕生しました。エニックス(現スクウェア・エニックス・ホールディングス)が発売した『ドラゴンクエスト』のことです。

「ドラクエ」の愛称で誰もが知るゲームは1作目から多くの人を魅了し、現在11作まで続く人気シリーズとなりました。2021年5月には本編最新作『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』の情報が一部解禁されたものの、未だ全貌は明らかになっておらず、ファンからは発売を焦がれる声が聞こえてきそうです。

初代『ドラゴンクエスト』が発売されたことに由来し5月27日は「ドラゴンクエストの日」となっています。今回はドラゴンクエストに焦点を当ててみましょう。

8500万本以上売れたRPGの金字塔

上述の通り、ドラゴンクエストは現在までに11の本編シリーズがリリースされています。日本のみならず海外でも人気が高く、全世界の累計の出荷・ダウンロード数は2022年3月末までに8500万本を突破しました。

【ドラゴンクエスト本編シリーズ一覧】

 

特に1988年発売の『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…』は、あまりの人気に社会現象化したタイトルです。発売日には学校を「ずる休み」する子どもが続出し、池袋の家電量販店にはおよそ1万人が長い行列を作ったことから警察が出動する事態となりました。この様子は新聞などでも取り上げられ、シリーズの認知が大きく進むこととなりました。

エニックスは2003年にスクウェアと合併し、スクウェア・エニックス・ホールディングスへと生まれ変わりますが、ドラゴンクエストシリーズはその後も変わらない魅力でファンの心をつかみ続けています。

【スクウェア・エニックスHDの業績】

※2023年3月期(予想)は第3四半期時点における同社の予想

出所:スクウェア・エニックス・ホールディングス 決算短信

【スクウェア・エニックスHDの株価】

Investing.comより著者作成主戦場をスマホアプリへ移すゲームソフト市場

ドラゴンクエストシリーズは、近年スマートフォンアプリへの移植が進んでいます。2013年11月にスマートフォン用の情報アプリ「ドラゴンクエスト ポータルアプリ」をリリースし、アプリ内で歴代のドラゴンクエストを配信するサービスを開始しました。これにはファンが殺到し、第1弾として配信した初代『ドラゴンクエスト』は初日に100万ダウンロードを突破しています。

さらに、本編からスピンアウトした「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズにおいても、2014年1月に初めてスマートフォン向けタイトル『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』をリリースしました。こちらも大きな話題を呼び、2022年10月には3300万ダウンロードを達成しています。

相次いでスマートフォンアプリ版ゲームを投入する背景には、ユーザーの遊び方が変わってきているためだと考えられます。以前は専用のゲーム機に対応するパッケージ型のソフトを購入することが主流でしたが、近年はスマートフォンやタブレットなどでプレイするユーザーが増えてきました。

国内ゲームソフト市場規模を比較すると、2015年から2021年にかけてパッケージ型のソフトが1000億円台後半で停滞しているのに対し、スマートフォンといったスマートデバイス用のゲームアプリは9000億円台から1兆3000億円台にまで増加しました。

【国内ゲームソフト市場規模】

コンピュータエンターテインメント協会「CESAゲーム白書」より著者作成

国内のスマートデバイスゲームアプリ市場規模は世界的に見ても大きく、2021年はアメリカ、中国に次いで世界3位となっています。今後ゲーム業界で生き抜くためには、アプリゲームのシェアが重要となってきそうです。

値動きも楽しめる? ゲーム株の特徴

株式市場において、ゲーム株はスリリングな投資先として語られることが少なくありません。ヒットタイトルが出ると、株価が数倍に大化けし、その後の値動きも激しくなる傾向にあるためです。

例えば位置情報を利用したアプリゲーム『ドラゴンクエストウォーク』が社会現象となったとき、共同開発したコロプラとスクウェア・エニックスの株価は顕著に上昇しました。大型株のスクウェア・エニックスは比較的緩やかな変動となりましたが、コロプラ株式はその後急落し、リリース前の水準まで下落しています。

【コロプラとスクウェア・エニックスHDの株価(月足終値 2018年12月末=100)】

Investing.comより著者作成

過去にはさらに極端な変動を見せたゲーム株もあります。ガンホー・オンライン・エンターテイメントは『パズル&ドラゴンズ』の流行で株価が100円台から1万6000円台にまで駆け上がったほか、『モンスターストライク』がヒットしたMIXI(ミクシィ)も数百円台だった株価が6000円台にまで急騰しました。

【ガンホー・オンライン・エンターテイメントの株価(月足)】

Investing.comより著者作成

【MIXI(ミクシィ)の株価(月足)】

Investing.comより著者作成

このようにゲーム株は時に激しい値動きが生じることから、マネーゲームの舞台となることも少なくありません。特に時価総額が小さい小型の銘柄でその傾向があるでしょう。投資の際は、慎重に判断するようおすすめします。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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