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「タダでケーキを食べられるし…」と無料セミナーに行く人に待ち受ける“残念な展開”

Finasee / 2023年6月2日 15時0分

「タダでケーキを食べられるし…」と無料セミナーに行く人に待ち受ける“残念な展開”

Finasee(フィナシー)

将来のためにお金を増やしたい……でも、資産形成って何をすればいいの? 情報過多の現代、悩んでいる人も多いですよね。

そんな現代を生きる私たちにヒントを与えてくれるのが、話題の書籍『資産形成の超正解100』。FPやキャリアコンサルタントとして活躍中の鈴木さや子氏が、資産形成の考え方やコツを100個紹介しています。

本記事では、その一部を特別に公開。投資や保険、儲かりそうな話に潜む落とし穴を徹底解説します。(全3回)

●第1回:外貨建て保険・変額保険・FX…お金のプロが「手を出してはいけない」という理由

※本稿は鈴木さや子著『資産形成の超正解100』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。

人やネットからの情報を疑う

投資案件に数十万円投じようとした知人がいます。英語の契約書は読めないが信頼できる仲間に確認してもらったから大丈夫の一点張り。最初に大金を投じさせて、「必ず儲かる」といわれる案件はNG案件確定です。

私も人の誘いを疑わずに怖い思いをしたことがあります。常に金欠状態だった大学生のとき、友人が誘う高額報酬のアルバイトに内容も確認せずについていったら、某宗教法人で怪しい作業をする羽目に。お金がないときほど安易な行動に出ます。気をつけましょう。

心優しく信用しやすい人ほど損をする

投資詐欺とまではいかなくても、知り合いや友人に誘われた投資案件で大きな損をする人がいます。

○○さんだから大丈夫、 とか、△△銀行だから信用できる、なんてことはありません。

相手は悪気なく「いいものを教えたい」と思って誘ってくる案件でも、あなたにとっては大切な資産を失うことになるかもしれません。心優しくて相手を信じやすい人ほど、損するのです。

国民生活センターに寄せられた相談事例をいくつか紹介します。

<投資に関する相談事例>

・無料メッセージアプリの投資グループに誘われ、参加することにした。担当者に出資金150万円を振り込み、海外FX□座で取引したが出金申請できない

・SNSで知り合った女性からすすめられたFX取引で儲けが出たが、お金を引き出すために高額な手数料を請求され、支払ったのに出金できない

・マッチングアプリで知り合った女性にすすめられて海外FX事業者の口座開設をし、その女性にいわれた個人名義の口座に高額を振り込んだが、お金が引き出せなくなった

・元金が1年で10倍になると友人に誘われて海外の事業者に投資したが、予定日を過ぎても返金されない。事業者の連絡先もわからない

・将来値上がりする暗号資産で代物返済されるという私募債を知人にすすめられ購入した。その後、代物弁済の完了通知がきたが、実態がない暗号資産のようだ

出典:独立行政法人国民生活センターホームページ「相談事例(2022年8月26日更新分)」より作成

自分の資産は自分の頭で考えて育てよう

この本を読んでいるということは「お金を増やしたい」と思っていることでしょう。そう思っているときこそ、損につながるような案件に巻き込まれやすいともいえます。

特にお金の情報については、常に疑うことが大切。FPがいっているから大丈夫ということもありません。

自分で稼いで得た大切な資産です。 どう増やすか、どう守るか。いろいろな人やネット、本などから情報収集をしたら、最終的には、自分の頭でしっかり理解できたものに投資し、自己責任で育てていきましょうね。

 

ケーキ付き無料セミナーには行かない
無料で情報発信している意味を考えよう

SNSを見ていると、「無料で学べる働く女性のためのマネーセミナー」という広告をよく目にします。コロナ以前はケーキ・コーヒー付きもとても多く、タダでケーキも食べられて学べるなら…とセミナーに足を運んだ人も多くいるようです。

このような広告は、あくまで憶測ですが「資産形成をするためにも正しいお金の知識を学ばないと」と思いたった20代後半~50代前半くらいの人に届くようにターゲットを絞って配信されているように思います。また、セミナーにもよりますが、登壇する講師になかなか立派な謝礼を払っているケースも少なくありません。私の会社にも、「うちの会社と提携して無料セミナーの講師をしてくれませんか?」といった内容の依頼が少なくなく、講師謝礼の高さにびっくりしたことがあります。

考えてみてください。どうして、広告費・人件費がそんなにかかるのに、無料で開催できるのでしょうか。それは多くの場合、参加した人に買ってもらいたい不動産や保険、投資商品といった商品があるから。全員でなくても、一部の人に商品を買ってもらえば、かかったコストなんてあっという間に回収できます。「無料」でサービスを受けられるなんて通常はあり得ず、必ずなんらかの裏があるんです。

行くなら強い意志を持って

私自身、金融機関や自治体主催の無料の消費者向けセミナーに講師として登壇することもあり、「商品やサービスを知ってほしい」「市民に学びと交流の場を提供したい」など、主催者によってさまざまな狙いがあることを知っています。

無料セミナーに行こうか悩んだときは、必ず主催会社と何を売っているかを調べて、「行ったら売られるかもしれない商品」を確認してください。その会社がすでに利用しているところであれば大きな問題はないでしょう。学ぶことだけを目的に一切何も買わない強い意志を持って参加するのもアリです。とはいえ、セミナー後には営業電話が何度もかかってくる可能性も。そのことを覚悟の上で検討しましょう。

 

高金利商品に飛びつかない
高金利・高利回りをうたった商品に注意

金融商品の広告には、高金利・高利回りをうたったものが多くあり、メールでもチラシでも、金利の数字が目立つように配置されていることもあります。こうした商品に飛びついてしまい、損をしたり、中途解約ができないなどトラブルに発展するケースがあるようです。

金融商品取引法という法律では、

・事業者名や登録番号、手数料や損失リスクなど顧客が不利益となる事実などの重要事項の表示

・リスクに関する項目の、他の項目と同等の大きさの文字にするなど明瞭で正確な表示

・利益の見込みについて事実に相違する表示の禁止

などを義務付けていますが、こうした規制をギリギリ通過するように、巧みに作られている広告をよく目にします。よく考えずにクリックや電話などしたら業者の思うツボ。こうした広告を見たときには、決して飛びつかず、冷静に商品内容を見極めることが必要です。

金融商品の広告を見るときの注意点

もしも気になる広告を見たときは、アクセスせずに、小さい字も含めて隅々までチェックしましょう。

・何の商品か
不動産投資、社債、投資信託、預金など

・どんな商品か
よく理解できないものはその時点でやめるのが賢明

・損するリスクはあるか
元本割れする、中途解約できないなど

・コストはかかるか
手数料など払うことになるお金

・金利を得られる条件
金利は年利で表現されていますが、適用期間は数日間など超短期のものもあります。口座開設させて他の金融商品を売るためのドアノック商品※1ともいえます

・登録業者かどうか
金融庁のホームページにて確認できます。無登録で金融商品取引を行う業者も公表されています

※1 ドアノック商品:主な商品やサービスを利用してもらうために用意している、安価や無料の商品やサービスのこと。閉ざしている心のドアをノックして、開けてもらうための商品。

ここまでチェックしてなお興味を持っていた場合も、 商品名などから自分で検索し、公式ホームページを見るようにしましょう。リスクのない商品なんてありません。商品内容とリスクを十分に理解しているかどうか、よく考えましょう。

★メールの中には、金融機関やカード会社になりすました、個人情報をだまし取るためのフィッシング詐欺のメールも多いので、どんなメールも、広告やリンクを直接クリックすることは避けたほうが無難です。

 

●第3回(「節税」「年金代わり」の甘言を真に受けるとバカを見る…ワンルーム投資のワナ)では、不動産投資と暗号資産の注意点について解説します。

資産形成の超正解100
 

鈴木さや子 著
発行所 朝日新聞出版
定価 1540円(税込)

鈴木 さや子/ファイナンシャルプランナー

ライフヴェーラ代表。ファイナンシャルプランナー(CFP)・1級FP技能士・1級DCプランナー・キャリアコンサルタント(国家資格)。毎日を笑顔で過ごすために、生活に役立つお金の情報やキャリアの考え方を、セミナーやコラムなどを通じて発信。保険や金融商品などを一切販売しないFPとして活動。大学生・高校生の母。人がゆるく繋がれる場として、月に数回スナックのママとしても活動。

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