「パートナーはロボット」トラック運転手の過酷な実態…現れた救世主
Finasee / 2023年6月5日 7時0分
Finasee(フィナシー)
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2014年6月5日、ソフトバンクグループからある画期的なロボットが発表されました。ロボットの名前は「Pepper(ペッパーくん)」、胸部のタブレットが特徴的で、私たちの顔や感情を認識する機能などから「感情を持つロボット」と大きな話題を集めました。現在では全国のソフトバンクショップやイオンモールなどに導入されていることから、目にしたことがある人も多いでしょう。
ペッパーくんの誕生から数年たち、ロボットは随分と身近な存在になりました。今日は私たちの周りで働くロボットたちに焦点を当ててみましょう。
活用が進むサービスロボットたち目にする機会が多いロボットといえば、飲食店などで見られる配膳ロボットが代表的でしょう。
例えばすかいらーくホールディングスは、「ガスト」や「バーミヤン」などの店舗に猫をモチーフにした配膳ロボットを導入しています。同社によると、ロボットの導入でランチピーク時の回転率や従業員の負担が大きく改善され、顧客アンケートでも約9割が「大変満足」「満足」と回答しているようです。
すかいらーくホールディングスが採用した配膳ロボットは、中国のロボットメーカー「Pudu Robotics(プードゥ・ロボティクス)」の「BellaBot(ベラボット)」という製品です。メーカー希望小売価格は309万円(2023年5月11日時点)と自動車並みの価格帯ですが、人を雇うことを考えれば高いとはいえないかもしれません。すかいらーくホールディングスは2021年8月から2022年12月までにおよそ3000台を導入したとみられています。
ペッパーくんを開発したソフトバンクグループも、配膳ロボットとして「Servi(サービィ)」を2021年2月に販売開始し「かっぱ寿司」や「焼肉きんぐ」の一部の店舗で導入されました。開発したソフトバンクロボティクスによると、同社は業務用屋内サービスロボット企業として2022年に売上高が世界首位となったようです(Grand View Research調べ。複数のロボットが対象)。
これらのロボットが活躍しているのは飲食店に限りません。ベラボットは老人ホームやリゾート施設などにも導入されており、サービィも病院や結婚式場などで働いています。あなたの職場にロボットがやってくるのも近いかもしれません。
物流問題をロボットが救う?ロボットの活用が進むもう1つの場所が倉庫といった物流拠点です。国内の物流は、EC市場の進展に伴って宅配便の取り扱い個数が右肩上がりに増加してきました。逼迫する物流の現場を、ロボットたちが人間のパートナーとして支えています。
【宅配便取り扱い個数の推移】
国土交通省「宅配便等取扱個数の調査及び集計方法(2021年度)」例えばアマゾンの物流拠点では商品棚の下に潜り込み棚ごと商品を運ぶ「ドライブ」や、物を選別しアームで持ち上げて運搬する「スパロー」といったたくさんのロボットたちが活躍しています。物流システムで世界トップクラスの売り上げを誇るダイフクも、自動倉庫や無人搬送車といった多種多様なロボットを提供しており、国内外のさまざまな大企業に採用されています。
このように多くの企業が物流にロボットを採用していますが、今後はさらに導入が相次ぐかもしれません。「2024年問題」から、物流業界はさらに逼迫することが見込まれているためです。
物流業界の2024年問題とは、トラックドライバーの労働時間が制限されることに伴い、深刻な人出不足が想定されることをいいます。働き方改革の一環として、2024年4月からトラックドライバーといった自動車運転業務を行う人の時間外労働時間は、原則として月45時間、年間では360時間を超えてはならず、特別な事情がある場合でも年960時間を超えてはならないこととなりました。
トラックドライバーは単に走行して荷物を運ぶだけでなく、荷役作業を担うことがありますが、拠点に到着してもすぐに荷揚げや荷下ろしができるとは限りません。従って待機(荷待ち)が発生することになりますが、この時間が長く、トラックドライバーの労働時間が長くなりやすい原因の1つと指摘されています。
国内の物流においてはトラックによる運送が圧倒的に多く、その不足は物流業界にとって死活問題です。トラックドライバーの長時間労働を防ぐには荷待ち時間の緩和が効果的だとみられ、物流拠点で活躍するロボットたちはその担い手として期待されています。
【宅配便取り扱い個数の内訳(2021年度)】
・トラック:48.82億個
・航空等利用運送:0.71億個
出所:国土交通省 宅配便等取扱個数の調査及び集計方法(2021年度)
資産運用を任せられる「ロボアドバイザー」とはロボットは資産運用の分野にも進出しており、その代表的なサービスが「ロボアドバイザー」です。人に代わってAIなどが資産運用に関するサービスを提供するもので、大きく「アドバイス型」と「投資一任型」の2つがあります。
一般にどちらも最初に簡単なアンケートに回答しますが、アドバイス型は実際の運用はせず銘柄の助言だけ行うもの、投資一任型はその後の運用まで任せられるという点が主な違いです。後者の方がより自動運用に近いといえるでしょう。
投資一任型のロボアドバイザーで先行しているのがウェルスナビです。2023年4月時点で8000億円以上もの資金を集めており、2020年12月には上場も果たしました。
ウェルスナビのサービスは、アンケート回答結果などからリスク許容度を5つに分類し、それに応じて株式や債券といったさまざまな資産に分散投資します。
最も大きなリスクを取る「リスク許容度5」では、2016年1月から2023年3月までにおよそ69%ものリターンを稼ぎました。対して最も小さなリスクで運用される「リスク許容度1」は、リターンが見劣りするものの、コロナショック時も比較的安定している様子が観察できます。
【ウェルスナビの運用実績(ドルベース 2016年1月19日=100)】
ウェルスナビより著者作成ロボアドバイザーは投資の経験や知識がない人でも、簡単に本格的な資産運用ができる点が大きな強みです。また、忙しく投資に割ける時間がないという人にも向いているでしょう。これらに当てはまる人はロボアドバイザーを検討してみるとよいかもしれません。
ただし上記のパフォーマンスでも見られるように、ロボアドバイザーは価格が変動する資産に投資するため元本は保証されていません。投資はあくまで自分の判断で行うようにしてください。
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
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