お掃除ロボットに時給1000円超!? 満足度高いルンバ、迫りくる中国勢
Finasee / 2023年6月8日 7時0分
Finasee(フィナシー)
・「パートナーはロボット」トラック運転手の過酷な実態…現れた救世主
ロボティクス大手のアイロボットは、2004年に「ルンバ」を、2014年に「ブラーバ」を日本で発売しました。自動で部屋を清潔に保ってくれるロボット掃除機は忙しい現代人に受け入れられ、その国内累計販売台数は2022年に500万台を突破しました。アイロボットジャパンによると国内の世帯普及率は8.3%と、約12世帯に1台が稼働しているようです(2022年、アイロボットジャパン調べ)。
【国内出荷台数の推移】
・2004年4月:ルンバの国内販売開始
・2013年10月:100万台突破
・2014年7月:ブラーバの国内販売開始
・2016年11月:200万台突破(ルンバ単体)
・2018年9月:300万台突破(ルンバ+ブラーバ)
・2020年12月:400万台突破(ルンバ+ブラーバ)
・2022年6月:500万台突破(ルンバ+ブラーバ)
出所:アイロボットジャパン プレスリリース
6月8日は、「ル(6)ン(0)バ(8)」の語呂合わせから「ルンバの日」とされています。これにちなみ、今日はロボット掃除機に光を当ててみましょう。
ルンバの価値は時給1000円以上?国内で大きなシェアを持つルンバは、そのユーザー満足度の高さが人気の秘密かもしれません。
アイロボットジャパンがユーザーを対象に調査したところ、平均して954円の時給を支払ってもよいと答え、3人に1人は時給1000円以上でもよいと回答しました(アイロボットジャパン調べ)。これは主要な都市における最低時給に匹敵する水準です。愛用者は、ルンバに人を雇うことと同等の価値を感じているのかもしれません。
【ユーザーが回答したルンバに支払ってもよいとする時給】
アイロボットジャパン プレスリリースより著者作成【主な都道府県の最低時給(2022年度)】
・東京都:1072円
・神奈川県:1071円
・大阪府:1023円
・愛知県:986円
・福岡県:900円
参考)全国加重平均:961円
出所:厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
後発中国メーカーが時価総額で本家超えルンバの躍進を見て日本のメーカーもロボット掃除機を投入していますが、うまくシェアを奪うことができていません。出遅れる日本勢に代わり、最近は中国勢がアイロボットを猛追しています。特にエコバックス・ロボティクスが販売する「ディーボット」は、家電売り場でも見かける機会が増えてきました。
エコバックスが最初のロボット掃除機をリリースしたのは2007年です。アイロボットが2002年ですから、ロボット掃除機メーカーとしてはエコバックスの方が遅いスタートとなりました。しかし同社の成長は目覚ましく、2022年1月~8月に日本における累計販売金額が前年比+169%と大きく増進しており、アイロボットから着実にシェアを奪っている様子がうかがえます。
また掃除機と床拭きの両方ができるモデルにおいては、エコバックスの方がアイロボットよりも早く日本市場に投入しました。エコバックスは「ディーボットオズモ610」を2018年4月から日本で販売していますが、アイロボットの「ルンバコンボ j7+」がリリースされたのは2022年11月のことです。エコバックスは、アイロボットと競合しない掃除機と床拭き兼用モデルをいち早く投入したことでシェアを伸ばしたのかもしれません。
なお株式市場においては、既にエコバックスがアイロボットより大きな存在となっています。エコバックスは2018年5月に上海証券取引所に上場し、現在の時価総額は約55.6億ドルとアイロボット(同約9.9億ドル)を大きく上回っています(2023年5月12日時点)。上場後の株価を比較しても、時価総額ほどの差はないとはいえ、エコバックスの方が大きく値上がりしました(2023年4月時点)。
【アイロボットとエコバックスの株価(月足終値 2018年6月末=100)】
Investing.comより著者作成なお、アイロボットに関しては2022年8月、EC大手のアマゾン・ドット・コムが同社を買収すると発表しています。同買収は独占禁止法などの疑いから実現が危ぶまれていますが、成立すればアイロボットの株価は上昇するかもしれません。
世界のロボット産業に投資できるETFとは一般家庭にまでロボットが浸透しつつある今、それらに関連する企業に投資したいと考える人は増えてきているでしょう。
世界のロボット関連企業に投資したいときに便利なのが「iシェアーズオートメーション&ロボットETF」です。国内外のロボティクスやオートメーションに関連する企業に投資する銘柄で、ロボティクス関連企業に投資する国内初のETFとして設定されました。現在では日本株式型に同様のテーマを持つETFがありますが、海外株式にも投資するものとしては他にありません(2023年5月12日時点)。
【構成比上位5カ国、地域(2023年5月10日時点)】
出所:ブラックロック・ジャパン ファクトシート
iシェアーズオートメーション&ロボットETFが連動を目指す「グローバルオートメーションアンドロボティクスインデックス」は、「製造ロボティクス」「自動運転車」「3Dプリンティング」「人工知能」といった分野から収益の50%以上を稼ぐ企業群で構成されます。2021年までは3年連続で30%以上のリターンを獲得していますが、2022年は金利上昇などの影響から、先進国株式指数よりもパフォーマンスが大きく悪化しました。
【参照指数の年次リターン】
ブラックロック・ジャパンおよびMSCIより著者作成このように、iシェアーズオートメーション&ロボットETFはこれまで大きな値動きを見せており、比較的リスクの大きな商品といえます。投資は慎重に判断し、余裕資金の範囲で行うよう検討してください。
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
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