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2024年のスタート前に知っておきたい! 「新NISA」重要ポイント6選

Finasee / 2023年6月13日 11時0分

2024年のスタート前に知っておきたい! 「新NISA」重要ポイント6選

Finasee(フィナシー)

今注目の書籍の一部を公開して読みどころを紹介するシリーズ。今回は2024年から始まる新NISA制度について解説した竹川美奈子氏の『大改正でどう変わる? 新NISA 徹底活用術』の一部を特別に公開します。

※本記事は竹川美奈子著『大改正でどう変わる? 新NISA 徹底活用術』(日経BP 日本経済新聞出版)から一部を抜粋・再編集したものです。

Q:今つみたてNISA(あるいは一般NISA)で持っている商品を、新しいNISA口座に入れられますか?

A:新しいNISA口座には移せません。

2024年スタートのNISA口座は2023年までのNISA(つみたてNISA、一般NISA)とは切り離され、新しい制度としてスタートします。

そのため、つみたてNISA口座や一般NISA口座で保有する商品を新しいNISA口座に移すことはできません。2024年からのNISA口座で非課税の対象となるのは「新規に購入した」商品に限られます。

Q:今、特定口座で持っている投資信託をNISA口座に入れたいのですが?

A:「新規で買う」商品のみが対象です。

現在、金融機関の課税口座(特定口座や一般口座)ですでに保有している株式や投信なども、新しいNISA口座に移管することはできません。非課税の対象となるのは、NISA口座内で「新規に購入した」商品に限られます。

特定口座にある商品を非課税で運用したい場合には、特定口座にある商品を売り、新しいNISA口座で買い直すことになります。

Q:今、一般NISAを利用しています。2024年までに何か手続きが必要ですか?

A:自動的に口座が開設されます。

今、つみたてNISAや一般NISA口座を開設して利用している人は、同じ金融機関に自動的に2024年から新しいNISA口座が開設されます。2024年以降も同じ金融機関でNISA口座を利用したい人は、特段手続きを行う必要はありません。積立金額をふやす、商品を変更するといったことを検討している場合には、改めて設定を行いましょう。

また、この機会に金融機関を変更したい場合には、金融機関を変更する手続きを行う必要があります。

Q:2024年から新しいNISAが始まるので、現在のつみたてNISAや一般NISAを始めないほうがいいですか?

A:つみたてNISAは2023年から始めてもOK。一般NISAは検討が必要。

2023年までにつみたてNISAや一般NISAで投資した投信や株式などは、2024年からの新しいNISAの生涯投資枠1800万円には含まれません。別枠とみなされるので、非課税投資枠はその分ふえることになります。

つみたてNISAについては非課税期間が20年と長期に及ぶため、現在つみたてNISAを利用している人は2023年も継続して投信の積み立てを行い、非課税期間中は運用し続ければよいでしょう。同様に、これから投信の積み立てを始めたいと思っている人は、2023年からつみたてNISA口座を開設して積立投資を始めればよいのではないでしょうか。そのまま自動的に新しいNISA口座も開設されます。

一方、一般NISAは、2023年に投資すると非課税で運用できるのは2027年末まで。5年という短い期間なので、投資した商品が値下がりする可能性もあります。これまでは新しい非課税枠(NISA口座)にロールオーバーするという選択肢がありましたが、2024年以降は課税口座に時価で移管する(または売却)しか選択肢がなくなる点は注意が必要です。

Q:今、特定口座にある株や投信を売って、新しいNISA口座で買い直したほうがよいですか?

A:買い直す選択肢もあります。

2024年からの新しいNISAでは、最大で年間360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)まで投資できることになります。ただ、これほどの資金を収入からすべて出せる人はごく一部だと思います。

まず、お手元に預貯金などがあり、NISA口座で新規に投資していける資金がある場合には、そのお金をNISA口座での投資資金にあてます(万一に備えるお金や数年後に必ず必要になるお金は残しておいてください)。特定口座で運用している商品はそのまま運用を続けましょう。

一方、収入の一部を投資にあてることを想定すると、多くの人はNISAの年間投資枠は埋まらないと思います。その場合、特定口座ですでに保有している商品を売って、その資金をもとに新しいNISAで買い直すという選択肢もあるでしょう。この場合、淡々と特定口座内の商品を売却→NISAで買い付けを実行します。

ただし、これから先、10年、20年と長期で運用していけることが前提です。数年後から運用しているお金を取り崩したいという人は無理に売ることは避け、特定口座でそのまま運用を継続しましょう。

Q:NISA口座で投信の積み立てをしていますが、すぐに解約したくなります。どのようにすれば長く保有し続けられるでしょうか?

A:自分の投資方針書を作成してみましょう。

NISAは長期の資産形成・活用をうながす制度にもかかわらず、1〜2年程度で解約してしまう人も多いようです。NISAは、保有している投信をいつでも一部または全部解約できる、つまりどんな用途にでも使えることが利点です。

ただ、なんの目的もなく、少し値上がりしたからといって解約(利益確定)したり、値下がりしたため怖くなって解約してしまったりを繰り返していては、長期的な資産形成はできません。できるだけ長く保有し、頻繁に解約しないことが大切です。ところが、現実にはこれがなかなか難しいようです。感情が先に立つと、保有する投信の価格が下がると怖くなってしまいます。

では、どうしたらよいのでしょうか。

きちんとルールを決めて、それを淡々と実行するのがいちばんです。例えば、自分なりの「投資方針書」を作成しておき、不安になったときにはそれを読み返すと効果があります。これはアメリカの著名な投資コンサルタントで『敗者のゲーム[原著第8版]』(鹿毛雄二・鹿毛房子訳、日本経済新聞出版)などの著書があるチャールズ・エリス氏や、投資教育家の岡本和久氏などもすすめている方法です。

投資方針書というとなんだか難しそうですが、要は「自分がどういう目的・方針で運用するか」をまとめておくものです。例えば、次のような内容を決めておくとよいでしょう。

〈投資方針書の例〉
〇目  的:リタイアまでに老後のお金をつくる
〇運用方針:60歳までは積極運用、その後は株式の比率を下げる
〇運用方法:投信の積み立て(iDeCoやNISAを優先的に利用する)
〇配  分:リスク資産と無リスク資産(預金)が半々になるようにする
〇商  品: 積み立てるのはA世界株インデックスファンドとB投信。それとは別に、課税口座で個人向け国債を保有する
〇チェック方法:年に一度、年末に配分と時価評価額をチェックする
〇その他:万一に備えるお金として、生活費の半年分は預金に置いておく

これはあくまでも一例なので、自分のまとめやすい方法で書いておきましょう。投資を始めてから、必要な項目を付け加えたり、見直したりしてもかまいません。結婚などを機に、再度、投資方針書を練り直したという投資家の方もいます。メモ程度でもよいので、ぜひトライしてみてください。

*** 

竹川美奈子著『大改正でどう変わる? 新NISA 徹底活用術』(日経BP 日本経済新聞出版)

竹川 美奈子/LIFE MAP合同会社代表/ファイナンシャル・ジャーナリスト

出版社、新聞社勤務を経て、2000年にFP資格取得。取材・執筆活動を行うほか、投資信託やiDeCo、マネープランセミナーなどの講師などを務める。個人投資家の草の根交流会「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ(東京)」の共同幹事を務めるなど、資産形成・投資のすそ野を広げる活動にも取り組んでいる。『改訂版 一番やさしい! 一番くわしい! はじめての「投資信託」入門』(共にダイヤモンド社)など著書多数。2022年9月~金融庁 金融審議会「顧客本位タスクフォース」委員

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