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「日本は世界トップクラス」独占契約で話題、大活躍する“ある分野”

Finasee / 2023年6月21日 7時0分

「日本は世界トップクラス」独占契約で話題、大活躍する“ある分野”

Finasee(フィナシー)

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2014年6月21日、群馬県の「富岡製糸場」が世界文化遺産に登録されました。1872年に渋沢栄一らによって設立された器械製糸工場で、世界トップクラスの生産量を誇った日本の生糸産業を大きく支えました。富岡製糸場は保存状態が非常に良好で、150年以上たった現在も主要な施設が当時のまま残されています。

渋沢栄一が「近代日本経済の父」と呼ばれる理由

富岡製糸場を設立した渋沢は、1840年に現在の埼玉県に生まれます。後の15代将軍となる一橋慶喜(徳川慶喜)に仕え頭角を現し、27歳のときにはヨーロッパ視察へ随行するよう命じられました。その際、列強の先進的な経済を目の当たりにしたといわれています。

明治維新を受けて帰国した渋沢は大蔵省に招かれますが、実業家としての顔はその職を辞した後に強く表れ始めます。1873年に日本初の近代的な銀行である「第一国立銀行」(現在のみずほ銀行)を立ち上げると、それを拠点にさまざまな企業の設立に関わりました。その数は生涯で500以上にも上るといわれています。これらの功績が、渋沢が「近代日本の父」と呼ばれるようになったゆえんです。

【渋沢栄一が設立に関わった主な企業等】

 

出所:渋沢栄一記念財団 渋沢栄一関連会社名・団体名変遷図

今は何で稼いでいる? 紡績企業の意外な収益源

富岡製糸場ができると日本の生糸産業は飛躍的に発展し、「東洋のマンチェスター」と呼ばれるほど紡績業が栄えました。昭和の初めごろには輸出額の70%以上を繊維製品が占めるようになり、戦後の高度経済成長期においても比較的大きな額が輸出されています。しかし1990年以降は輸出額が減少し始め、現在の輸出額は全体の1%程度を占めるにすぎません。

【繊維品が輸出に占める割合(輸出額ベース)】

経済産業省「我が国繊維産業の現状(2021年11月)」より著者作成

繊維市場の縮小を受け、紡績会社の多くは事業の多角化を進めてきました。繊維以外の素材に手を広げるケースが定番ですが、工作機械や精密機械といった工業品や医療事業など、「糸」から離れた事業に進出するケースも少なくありません。

【主な紡績会社の事業セグメント】

 

出所:各社の決算短信

このようにさまざまな事業を展開する企業を「コングロマリット」と呼びます。事業ポートフォリオを分散させることで、企業全体の業績が安定することに期待できます。

しかし全体像の分かりにくさから、株価が上がりにくくなる「コングロマリット・ディスカウント」が存在するといわれ、アクティビストなどの投資家から事業の分離を迫られるケースも散見されます。

さまざまな用途で活躍する「スーパー繊維」

一般的な繊維は市場の縮小が指摘されていますが、非常に高い強度を持つ「スーパー繊維」の分野では日本は世界トップクラスのシェアを持つといわれています。

例えば帝人は無機系のスーパー繊維であるアラミド繊維でおよそ50%のシェアを握っており、その製品は防弾ベストやブレーキといった安全性が強く求められる分野に用いられてきました。

有機系のスーパー繊維では炭素繊維が代表格で、その多くのシェアを東レが握っています。同社の炭素繊維は米ボーイングの機体に採用され、2006年に独占供給契約を結んだことで大きな話題を集めました。

スーパー繊維は他にも国内の化学大手などが取り組んでおり、自動車用のタイヤや土木建設の資材などに幅広く用いられています。私たちの周りにも、見えないところでスーパー繊維が活躍しているかもしれません。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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