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テロで恩恵を受ける企業も? 対策に莫大予算…日本が狙われる可能性

Finasee / 2023年7月7日 7時0分

テロで恩恵を受ける企業も? 対策に莫大予算…日本が狙われる可能性

Finasee(フィナシー)

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2023年2月に日本で公開された映画『ワース 命の値段』が話題を集めています。米同時多発テロの被害者を救済する「9.11被害者補償基金」を題材としており、補償額がひとりひとり異なるという難題に挑んだ実在の弁護士が描かれています。

当時のブッシュ大統領は「テロとの戦い」を宣言し、アフガニスタンに侵攻して2カ月で政権を打ち倒しました。しかしテロは終息せず、世界中で頻発するようになります。2005年7月7日には、イギリスで「ロンドン同時爆破テロ」が起こり多数の犠牲者が発生してしまいました。

700人以上が死傷したテロ事件

ロンドン同時爆破テロは通勤時間帯の公共交通機関が狙われました。8時50分ごろに地下鉄の車両で3件の爆発がほぼ同時に起こり、さらに9時47分ごろにはバスが爆破されます。一連のテロで実行犯4人を除く52人が死亡、700人以上が負傷するという痛ましい被害が生じてしまいました。

ロンドンは同月21日にもテロの標的となり、地下鉄とバスが狙われ1人が負傷しています。その後もヨーロッパではイスラム過激思想の影響を受けたと思われるテロ事件が頻発しており、現在も終息する兆しは見えていません。

【ヨーロッパにおける近年の主なテロ事件】

 

出所:公安調査庁 世界のテロ等発生状況

背景にはイスラム教徒の増加があるとみられています。米ピュー・リサーチ・センターは2017年、2016年時点でヨーロッパ人口の4.9%を占めるイスラム教徒は、2050年までに7.4~14%へ増加するとの分析を公表しました(出所:Pew Research Center「Europe’s Growing Muslim Population」)。

もちろん、イスラム教徒の増加が直ちにテロに結び付くわけではありません。公安調査庁はヨーロッパでイスラム過激思想のテロが増加している要因として、習慣の違いによってイスラム教徒が被差別意識を持ちやすいこと、また失業率が高い状況や比較的武器を入手しやすい環境などを挙げています。

なぜ活動を続けられる? テロ組織の資金源とは

なぜテロ組織は世界で活動を続けられるのでしょうか。理由は潤沢な資金源にあると考えられています。主要なテロ組織は合法・非合法を問わずさまざまな手段で資金を得ており、それが各地で引き起こされるテロの資金源になっていると指摘されています。

【主要なテロ組織の資金源】

 

出所:財務省 ファイナンス(令和4年3月号)

主要国はテロ組織へ資金が流出しないよう対策を行っており、日本でもマネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与などを禁じる「犯罪収益移転防止法」が2007年に成立しました。金融機関などで行われる本人確認は、この法律が根拠の1つとなっています。面倒に感じるルールではありますが、テロを封じ込める大切な取り組みですから協力してあげましょう。

対テロで注目される関連銘柄

テロが起こると、防犯や警備を手掛ける企業の株式が動意することが少なくありません。例えば2015年11月の「パリ同時多発テロ」では、警備会社のアール・エス・シーが大幅高を演じました。

【アール・エス・シーの株価(日足、2015年11月)】

Investing.comより著者作成

また2017年8月にスペインのバルセロナで車両を使ったテロが発生したときは、子会社がボラード(テロ対策用車止め)大手の英ATG Access社と提携するサノヤスホールディングス株式が急騰しています。

【サノヤスホールディングスの株価(日足、2017年8月)】

Investing.comより著者作成

テロの多くは海外で発生していますが、日本が狙われないとも限りません。未遂に終わったものの、海外で逮捕されたテロリストが東京を経由する旅客機を爆破する計画(ボジンカ計画)を立てていたこともありました。警察庁はテロに備え、毎年大きな予算を組んで対策を実施しています。日本でテロリズムに対する意識が強まれば、関連する企業には恩恵もありそうです。

【警察庁のテロ関連予算(当初予算)】

 

出所:警察庁 予算・決算

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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