「オルカン」組み入れ銘柄としても注目 エヌビディアの株価はどこまで上がる?
Finasee / 2024年6月7日 12時0分
Finasee(フィナシー)
2023年になってエヌビディアの株価が急騰し、半導体メーカーとして初めて時価総額が1兆ドルを突破すると、2024年6月5日には3兆ドルに達した。この記事では、エヌビディアの株価が上昇している理由と、今後の注目点について解説する。
エヌビディアの時価総額が3兆ドルを突破エヌビディア<NVDA>は2023年5月30日、買いが先行し、初めて400ドル台に乗せて時価総額が史上9番目の1兆ドル台となった。半導体メーカーとしてはエヌビディアが初めて1兆ドルの大台を突破した。
エヌビディアはNASDAQに上場しており、米国を代表する株価指数であるS&P500種株価指数やナスダック総合指数の構成銘柄となっている。その後も株価は堅調で、エヌビディアの2024年5月18日時点の時価総額は米国で3位となっている。
なお、エヌビディアはこの後も好調を維持し続けると、2024年6月5日の終値ベースで3兆ドルを突破。IT大手のアップルを抜き、世界2位の時価総額となった。
エヌビディアの株価が上昇している理由エヌビディアは、世界有数の半導体メーカーである。といっても、パソコンやスマートフォンで使われるCPUではなく、GPU(Graphic Processing Unit)という、3D映像などの処理に特化した半導体を得意としている。
GPUは高付加価値で収益性が高く、その市場はここ数年で大きく伸びている。GPUはゲーム業界の主役であるが、複雑な処理が必要な自動運転も得意としているのだ。さらに、新しい波がAI(人工知能)である。
ChatGPTの登場で「すごい」と感じている人も多いだろうが、それを支えているのがGPUである。GPUは、これまで考えられなかったようなことを学習し、分析し、処理することにたけているのである。
今後、大きなブームとなる可能性を秘めたAIだが、どのような企業が存在感を高めていくのだろうか。ChatGPTを開発したOpenAIや、OpenAIに出資しているマイクロソフトは当然かもしれない。しかし、Googleも「Bard」というAIを発表している。
さらに、対話型AIだけでなく、画像や動画を生成するAIも急速に増えており、今後、多くのAIが普及していく可能性は高いだろう。今はChatGPTが有名でも、ChatGPTを開発している会社が長くもうけ続けられるかどうかは定かではない。そのような中、エヌビディアへの期待が高まっているのだ。
AIが世界をどう変えていくかを正確に予測することはできないにしても、「AIがたくさん使われるようになる」のであれば、エヌビディアはもうかるはずだ、という見方が増えているのである。
エヌビディアは半導体企業として初めて時価総額1兆ドルの大台に乗った。2020年には時価総額で初めてインテルを上回ったが、両社の差は大きく開いている。巨大ハイテク企業の中でも、時価総額でエヌビディアを上回っているのはほんの一握りだ。
問題は、エヌビディアのライバルがどれだけ早く追いつくことができるかだ。エヌビディアは、新世代のAI製品を動かす特殊な半導体の最大手メーカーである。ライバルはアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やインテルなどである。AMDはマイクロソフトと協力し、AI向けの半導体事業を加速させている。そしてインテルは、半導体業界で何十年も維持してきた製造技術におけるリーダーシップを取り戻そうとしている。しかし、エヌビディアもまた、新しい製品やサービスを展開し続けることで、ライバルたちとの差を広げることになるだろう。
AI(人工知能)の今後の可能性人工知能(AI)関連銘柄が投資の世界を席巻しており、ハイテクや半導体の大手企業の株価は、2022年に大きく下落した後、2023年には急騰し、2024年も上昇傾向にある。
しかし、現在のAIブームをハイテクバブルに例え、現在の熱狂が終われば、これらの企業の株価は下落するはずだと警告する声もある。確かに、一部のAI銘柄のバリュエーションは上昇しており、割高であることは間違いない。2024年5月13日時点のエヌビディアの株価も2023年初頭から約6倍になっている。
しかし、現在のAIブームと1990年代後半のハイテクバブルには、かなり大きな違いがある。例えば、当時は収益性も売上高もない新興企業が、社名に「ドットコム」が付いているというだけで上昇していたのとは異なり、現在の有力AI企業の多くは、規模も大きく、業績も順調で、収益性も高い。
さらに、AIの可能性は、マイクロソフトやエヌビディアのような大手企業にとって、今後何年にもわたって大きな成長をもたらす可能性は高いと考えている。
AIは、私たちの生活を一変させる可能性を秘めている。自動運転車から医療診断、金融取引まで、あらゆる分野でAIが活用されようとしており、その成長は今後も続くと予想されるため、AI関連銘柄は魅力的な投資先といえるだろう。
ただし、AI関連銘柄にはリスクもあることを忘れてはならない。AI技術はまだ発展途上であり、将来の成長が保証されているわけではない。また、AI関連銘柄はバリュエーションが高いものが多く、割高になる可能性がある点にも注意が必要である。
AI関連銘柄に投資する際は、リスクを十分に理解した上で投資判断をすることが重要だ。
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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