加入は必要? 相続対策になるってホント? 「生命保険」の基本をおさらい
Finasee / 2023年7月25日 11時0分
Finasee(フィナシー)
10年後には、国民の3人に1人が65歳以上になると見通されている日本。“アクティブシニア”という言葉も生まれ、豊かなセカンドライフを送ることが現役世代の指針となりつつあります。しかし、来たるシニア生活を心配する人は後を絶ちません。どうすれば老後を穏やかに迎えられるか、頭を抱える人も見受けられます。
話題の書籍『得する!楽しい!安心!シニアの暮らし便利ブック』では、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子氏が、自分らしいシニアライフに必須な“お金のコツ”を優しく解説。今回は本書の第6章「日々のお金」の一部を特別に公開します。(全3回)
●第1回:先進医療は高額療養費の対象外!? 知らないと損する“医療費と介護費の上限”
※本稿は、太田差惠子著『得する!楽しい!安心!シニアの暮らし便利ブック』(産業編集センター)の一部を再編集したものです。
現金で残すことも選択肢民間保険への加入が必要かどうかは、それぞれの考え方にもよるので正解があるわけではありません。しかし、“加入すればよい” というものでもないでしょう。
まず、「医療保険」から考えてみましょう。入院やケガに備えるものですが、第1回で紹介した通り、日本は国民皆保険であり、しかも高額療養費制度があります。特に70歳以上では手厚くなっています。
近頃、「高齢になってからでも入れる民間保険」のテレビCMを見ることが増えました。「お葬式代くらいは」と考える人もいるようですが、高齢になってから加入する民間保険料は、通常、割高です。それに、保険の場合、限定した使い方しかできません。
すでに加入している保険がある場合はともかく(解約すると損する可能性があります)、未加入の場合は、あえて加入せず現金で残すほうが使い勝手がよいケースが多いと思います。「民間介護保険」や「認知症保険」についても、年齢を重ねてからの加入は、お得感が限定されます。
相続対策としての生命保険「生命保険」はどうでしょうか。そもそもその役割は、保険を掛けている本人が亡くなったときに、残された家族が生活に困らないようにするものです。ある程度の年齢になると、自分が死んでも、誰かが生活に困ることにはなりません。
しかし、生命保険には相続と関連した別の側面があります。昔は、相続税は一部の富裕層にのみ関係のあるものでしたが、現在は、基礎控除額が小さくなり、庶民にも身近となりました。
相続税の基礎控除額の計算式は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」です。例えば、夫婦と長男と長女の4人家族において、夫の相続が発生するとしましょう。法定相続人は妻・長男・長女の3人となるため、相続税の基礎控除額は「3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円」と算出されます。
相続財産がこれ以上ある場合、相続税対策として生命保険を活用する人もいます。生命保険金の非課税枠を使えるからです。計算式は「500万円×法定相続人の数」。例えば、妻と子供2人の計3人が法定相続人である場合、「500万円 ×3人 =1,500万円」までなら非課税限度額の範囲内なので、保険金には相続税がかからないことになります。
また、生命保険は受取人を指定できるので、自分が渡したい人に確実に財産を遺すことができます。
●第3回(「孫のため…」と財布のひもをゆるめ続けるのは危ない!? その理由は
)では、老後生活における“出費”を見直す具体的な方法などについて解説します。
太田差惠子 著
発行所 産業編集センター
定価 1,600円+税
太田 差惠子/介護・暮らしジャーナリスト
京都市生まれ。超高齢社会においての「暮らし」と「支援」の2つの視点から情報を発信し、執筆、講演活動等を行う。AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)資格も持つ。2012年立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科前期課程修了。 主な著書に『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第2版』『子どもに迷惑をかけない・かけられない!60代からの介護・お金・暮らし』(共に翔泳社)、『親の介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版)、『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』(共著、KADOKAWA)等多数。
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