メガバンクで売れている「債券持ちきり運用型ファンド」って?
Finasee / 2023年7月19日 16時0分
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Finasee(フィナシー)
債券持ちきり運用型ファンドに資金が集まる
6月の新規設定本数は28本となり、5月(8本)から大幅に増加した。新規設定額は約1150億円で、5月(約780億円)を上回り、2023年1月以来5ヶ月ぶりに1000億円を超えた。設定額上位4ファンドで全体の約9割を占め、うち3ファンドが債券持ちきり運用型ファンドだった。
債券持ちきり運用型ファンドで設定額が最も多かったのは「GSグローバル社債ターゲット2023-06(限定追加型)」(ゴールドマン)で約480億円、次いで「One グローバル・ターゲット利回り債券ファンド2023-06(限定追加型)」(アセマネOne)の約230億円である。3位は「明治安田NBグローバル好利回り社債ファンド2023-06(限定追加型)」(明治安田)の約150億円だった。
「GSグローバル社債ターゲット2023-06(限定追加型)」はりそな銀行でランキング2位、「One グローバル・ターゲット利回り債券ファンド2023-06(追加型限定)」はみずほ銀行のランキング1位となっている。
「GSグローバル社債ターゲット2023-06(限定追加型)」は、世界の企業が発行する米ドル建てまたはユーロ建ての債券に投資し、原則として対円での為替ヘッジを行う。信託期間約5年の限定追加型ファンドで、当ファンドのシリーズでは2022年12月の前回ファンドに続き、4本目の設定となる。
債券持ちきり運用型ファンドは、国内外の公社債に投資し、償還まで保有することで安定した運用成果を目指す元本確保型ファンドの一種である。株式投資のように大幅な値上がりや長期的な資産形成は狙わず、年率1%程度の安定したリターンを目指す。
債券持ちきり運用型ファンドは、基本的に外貨建て債券のみで運用され、円建て債券よりも相対的に利回りが高いことが多い。ただし、為替変動リスクを回避するため、ヘッジ取引(為替変動リスクを回避するための外貨先物取引やオプション取引)が行われている。
また、ファンドには5年や10年といった満期が設定されており、当初からその期間だけ運用されるため、元本が確保され、利息収入が得られる。これは、債券が満期時にあらかじめ決められた元本が戻ってくる商品であることによって可能になっている。
ただ、商品の仕組み上、いつでも購入できるわけではなく、新設前の募集期間中に申し込んだ人だけが購入でき、基本的には満期まで保有することが前提の商品である。
「運用成績が安定している」「満期まで持っていればいい」「値動きを気にしなくていい」という理由で、これまで預貯金や円建て保険に投資していた資金から債券持ちきり運用型ファンドに投資する人が増えている。7月以降も、債券持ちきり運用型ファンドの設定が増えるかどうかに注目している。
三井住友銀行のランキング1位は「インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」三井住友銀行のランキング1位は「インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」だった。6月の資金流入額は約867億円で、国内公募株式投資信託(ETF除く)の中でトップだった。さらに、5月の資金流入額約660億円を上回り、1999年1月の設定来、過去最高を更新している。
同ファンドは、株式投資の王道である「成長+配当+割安」を追求して世界のベスト銘柄を厳選。毎月決算型で20年超の実績を持つ唯一の世界株式ファンドである。
同ファンドは「成長+配当+割安」の3つの視点を重視し、ボトムアップ・アプローチに基づく徹底した企業調査により、40~50銘柄程度を選定している。具体的には、高い競争力と健全な財務体質に裏打ちされた成長力、安定的なキャッシュフロー創出力を有し、継続的な配当が可能な企業を選定している。そのうえで、株価水準が長期的な視点での企業の本質的価値と比較して割安な銘柄も選定しているのだ。
また、インデックス連動型の世界株式ファンドの約7割が米国に投資しているのに対し、同ファンドは世界の株式市場をリードする米国に約4割、値ごろ感の観点から魅力の高い欧州に約4割を投資している。米国株や世界株のインデックスファンドと並行して保有することによる分散効果も期待できるというメリットもあるのだ。
また、毎月分配型が好みの層だけでなく、資産形成層の方にも自信を持って勧められるのが「世界のベスト」シリーズである。現在の売れ筋は「為替ヘッジなし・毎月決算型」だが、来年からの新NISAには「年1回決算型」が期待できる。分配金をださずに運用しているため、複利効果により長期的にはより大きなリターンが期待できるからだ。
「世界のベスト」シリーズは4ファンド合計 で、2017年1月以来2023年5月まで77カ月連続の純資金流入となっている。パフォーマンスも好調なので、6月以降も資金流入が続く可能性は高いだろう。
■インベスコ世界厳選株式オープン【愛称:世界のベスト】
<為替ヘッジなし>(毎月決算型)
基準価額 8716円
信託報酬 1.903%(年率・税込)
純資産残高 5251.17億円
<騰落率>
1カ月 4.37%
3カ月 5.10%
6カ月 12.68%
1年 18.21%
※5月末時点
文/山下 耕太郎
Finasee編集部
金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。
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