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社員の平均年収が2年で200万アップ! カプコンの快走はどこまで続く?

Finasee / 2023年8月4日 17時0分

社員の平均年収が2年で200万アップ! カプコンの快走はどこまで続く?

Finasee(フィナシー)

カプコンの株価が快走しています。2021年に苦戦したものの翌年から上昇傾向が続いており、2023年も上場来高値の更新が相次ぎました。同年6月末時点でPBR(株価純資産倍率)7.4倍まで買われており、投資家の関心の高さがうかがえます。

【カプコンの業績】

  売上高 純利益  2022年3月期   1100.54億円   325.53億円  2023年3月期 1259.30億円 367.37億円  2024年3月期(予想)   1400.00億円 400.00億円


出所:カプコン 決算短信

【カプコンの株価】

出所:Investing.comより著者作成

カプコンは資本収益性と市場評価の高さが認められ「JPXプライム150指数」に選出されています。今注目の企業カプコンはどのような企業なのか、概要を押さえましょう。

『モンハン』で知られる高利益企業

カプコンは1979年に設立された企業です。当初はアイ・アール・エムという社名でゲーム機器の開発を手掛けていましたが、1983年に販売部門子会社として設立したカプコンを1989年に吸収し、社名をカプコンへと変更しています。カプコンとは「カプセルコンピューター」の略で、当時話題を集めていた「パーソナルコンピューター」に対抗する思いで考案されました。

カプコンは1987年にリリースした『ストリートファイター』や『ロックマン』が大きな話題を集めゲームメーカーとしての地位を確立します。特に1992年に発売した『ストリートファイター2』は記録的なヒットとなりました。その後も『バイオハザード』や『モンスターハンター』など、数々の人気シリーズを世に送り出しています。

【主なゲームシリーズの総販売本数(2023年3月末時点)】
・ストリートファイター(1987年):4900万本
・ロックマン(1987年):3800万本
・バイオハザード(1996年):1億4200万本
・デビルメイクライ(2001年):2900万本
・逆転裁判(2001年):1000万本
・モンスターハンター(2004年):9200万本
※()はシリーズ1作目の発売年

出所:カプコン カプコンの歴史 シリーズソフト販売本数

人気シリーズを多数抱えるカプコンは利益率も高く、同社のゲーム事業が含まれるデジタルコンテンツ事業の利益率は54.5%にも上りました(2023年3月期)。単純な比較はできませんが、これは業界でトップクラスの水準です。

【主なメーカーのゲーム関連セグメントの業績(2023年3月期)】

  セグメント
売上高
セグメント
利益
利益率  カプコン
(デジタルコンテンツ事業) 981.58億円 535.04億円 54.5%  コーエーテクモHD
(エンターテイメント事業) 739.17億円 384.75億円 52.1%  コナミグループ
(デジタルエンターテイメント事業) 2134.32億円 530.09億円 24.8%  スクエア・エニックスHD
(デジタルエンターテイメント事業) 2455.48億円 412.53億円 16.8%  セガサミーHD
(エンターテイメントコンテンツ事業)  2828.81億円 411.81億円 14.6%  バンダイナムコHD
(デジタル事業)  3856.81億円  493.39億円  12.8%


出所:各社の決算短信

業績うなぎ上り 社員の年収200万円アップ

カプコンの成長は目覚ましく、2016年3月期から8期連続で10%以上の営業増益が続いています。『モンスターハンターフロンティア』といったPC向け人気シリーズの投入や「Steam」(※)を通じた海外向けゲーム配信など、オンライン事業の強化に早くから取り組んでいたことが現在の利益につながっているとみられます。

※Steam(スチーム):米バルブ・コーポレーションが運営するゲーム配信サービス

【営業利益の推移(2015年3月期~2023年3月期)】

出所:カプコン 決算短信より著者作成

好業績は同社の待遇も向上させているようで、正社員の平均年収は2年間でおよそ200万円上昇しました。これは新たに導入した株式報酬制度や利益に連動した賞与制度も寄与しており、業績の改善が社員のモチベーションにつながる仕組みとなっています。

【カプコン正社員の平均年収(単体)】
2021年3月期:626.6万円
・2022年3月期:718.7万円
・2023年3月期:825.9万円
・2024年3月期:873.2万円(計画値)

出所:カプコン 事業戦略資料

『ポケGO』開発会社との協業を発表 集まる投資家の熱視線

カプコンは2023年4月、スマートフォン向けゲーム『Monster Hunter Now(モンスターハンターナウ)』を同年9月にリリースすると発表しました。シリーズ初のスマートフォン向けタイトルということでも注目されていますが、ナイアンティックが開発に参加するということでも話題を呼んでいます。

ナイアンティックは社会現象となった『ポケモンGO』を開発した企業として有名で、位置情報を活用したAR(拡張現実)技術に強みを持ちます。『Monster Hunter Now』では同社の技術を用い、日常の中でモンスターハンターの世界を体験できる新しい作品を目指すとしています。

ビッグネームとの協業は市場でポジティブに受け止められ、カプコンの株価は急騰しました。配信はグローバルに行う予定で、世界にファンを持つ人気シリーズだけに投資家の期待は相当高いといえるでしょう。リリース後は同タイトルのダウンロード数といったデータが株価の変動材料となりそうです。

【カプコンの株価(日足、2023年4月)】

出所:Investing.comより著者作成

文/若山卓也(わかやまFPサービス) 

若山 卓也/金融ライター/証券外務員1種

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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