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新NISAで何を買えばいい…? 商品選びに迷った時に参考にしたい“3つの判断基準”

Finasee / 2023年8月8日 11時0分

新NISAで何を買えばいい…? 商品選びに迷った時に参考にしたい“3つの判断基準”

Finasee(フィナシー)

2024年からスタートする、新NISA。すでに買いたい商品を決めている方もいれば、「何を買えばいいかわからない……」と悩む方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、「投資先を決める時の考え方」つまり、投資判断のポイントを3つお伝えします。

①投資信託は「信託報酬」を重視する

まずは、投資信託を買う場合。結論から言うと、初心者が重視すべきは「信託報酬(⼿数料)が安い」という点です。

「安物買いの銭失い」という言葉があるように…普段の買い物では、値段は高ければ高いほどいい、という考え方が一般的でしょう。

確かに形のあるものは、コストをかけるほど質が上がります。良い食材を使った料理はおいしいし、ハイエンドの部品を使ったパソコンはサクサク動きます。しかし投資信託という形のない商品は、「コストをかけるほど良い」とは言い切れないのです。

すべての投資信託には、元となる資産があります。株式型の投資信託なら、株式。不動産型の投資信託なら、土地や建物。その「元となる資産を買うための人件費」が、投資信託のコストである信託報酬にそのまま跳ねてくるのです。

では、人件費の高い投資信託とはどんなものか。それは、アクティブ型の投資信託です。アクティブ型の商品では、運⽤者の判断により株などが売買されます。人件費の高いプロを動かすため、高いコストがかかるのです。

⼀⽅でインデックス型の商品は、決まった指数に連動するような仕組み。ルールに基づいて買うだけなので機械的に売買でき、コストも安く済むのです。したがって、信託報酬の安いインデックス型投資信託の方がトータルのコストは下げられます。

なお、アクティブ型=ハイリスク・ハイリターン、インデックス型=ローリスク・ローリターンとなることが多く、どちらかが優れているというものではありません。コストと投資の知識・経験に合わせて判断することが重要です。

②株は「企業の財務的な安定性」を重視する

では続いて、株を買う場合について考えてみましょう。こちらも、新NISAでの長期投資を前提にする場合、結論から言うと「一発逆転狙いではなく、安定した企業の株を選ぶ」という視点を持つことをオススメします。

株式投資では、「テンバガー」といった言葉があります。これは、買った株式の価格が10倍になることを指します。もし100万円で買った株が1000万円になったら……と考えると、なんとも夢のある話です。ただ、このテンバガーを本気で目指すには、相当のリサーチ力や判断力が必要になります。

これから伸びる分野はどこか。その分野に強く、まだ注目されていない企業はどこか。まだ話題にすらなっていない企業に誰よりも早く投資し、芽が出るまで待ち続け、その読みが当たった場合のみ、テンバガーを達成できます。

このように、テンバガー狙いは単純に難しいだけでなく、リスクも相当高くなります。また、投資対象企業の規模が小さい場合が多く、芽が出る前に資金繰りで失敗し、倒産……といった可能性もあります。投資した企業が倒産すれば、当然、株式は無価値となってしまいます。

したがって、資産形成のために株式投資をするのであれば、やはり「財務的に安定しているか」が重要なポイントとなります。売上高や利益が、年々少しずつでも伸びているか、債務超過(=資産よりも負債の方が大きいこと)になっていないか、などを気にする必要があるのです。

しかし、正直なところ、このような安定企業はすでに株価もある程度高くなっていることがほとんどであり、テンバガーを狙うことは困難です。

そのため、株価の急上昇は見込めないけれど、倒産のリスクが低く、ゆるやかに成長していく……このような企業であれば、新NISAで一生持ち続ける価値は十分にあると言えます。

余談:コツコツ積み立て投資に物足りなくなったら?

早いうちから新NISAで投資すれば、資産形成はバッチリ。でも、増えるお金を眺めるだけでは少し物足りない……。そんなあなたに、「今を楽しむ」ための1つの選択肢をお伝えします。

あなたの「今」の時間は、限られています。老後に向けて資産をつくりたいけれど、今、⾃分や家族が楽しむためにもお⾦を使いたい。そんな贅沢とも思える問題を解決してくれるのが、“株主優待狙い”の投資です。

株主優待とは、企業が「うちの株を持っている⼈には、毎年プレゼントをあげます!」という制度。商品券やカタログギフト、地元特産品など、株式を持つ限り、毎年さまざまなプレゼントが手に入ります。

と言っても、企業は慈善事業でプレゼントを配っているのではありません。株主優待を実施することで、企業には2つのメリットがあります。

企業のメリット①

まず1つめは、「プレゼント⽬当ての個⼈投資家」を集められること。株式とは、企業の経営権そのものです。もし、投資運⽤会社などに株の⼤部分を持たれてしまったら……いきなり経営に⼝を出されても、従うしかありません。

したがって、企業にとっては株主数が多いほど安⼼できる。つまり、株式を持っている⼈が多いほど、会社を乗っ取られる可能性が下がるのです。

企業のメリット②

そして2つめのメリットは、企業のファンを増やせること。例えば株主優待で⾃社店舗の割引券をプレゼントすれば、個⼈投資家をお店に呼ぶことができます。そうしてファンが増えれば、PR効果も期待できます。

企業は、⾃社を守りつつPRできる。個⼈投資家は、プレゼントをもらってうれしい。株主優待とは、企業にとっても個⼈投資家にとっても、⾮常にメリットの⼤きい制度なのです。

***
 

資産形成のための株式投資では、安定した企業を選ぶことが最優先。しかし、それに加えて「株主優待のある企業」を選べば、もっと“今”を楽しむこともできます。

③年代に合わせて「安全資産の割合」を検討する

ここまで、投資信託なら信託報酬が安いもの、株式なら安定した企業を選ぶという判断基準をご紹介しました。これらに加えて、最後にもう1つだけ「投資先を決める時の考え方」のポイントをお伝えします。それは、リスク資産・安全資産の比率です。

株式投資であれば、1社買うよりも10社、10社買うよりも100社買う方がリスクを下げられます。さらに、例えば「日経平均株価(日経225)」という指数に連動する株式投資信託を買えば、それだけで225社分に資産を分散したことになります。

では、このような株式投資信託を買えば、投資先として安全と言えるのか。実は、そうではありません。

いくら分散が効いた株式投資信託でも、「株式に投資している」という事実は変わりません。結局、株式に投資する以上、世界的に株価が下がる局面では、資産全体の下落を免れることはできないのです。

これは、人気の「全世界(オールカントリー)型株式投資信託」など幅広い株式に投資する商品であっても同様で、まとめて「リスク資産」に分類されます。

正直なところ、若いうちならリスク資産の比率が多くても問題はありません。例えば現在30代であれば、定年まで働くと仮定すると、あと30年ほどキャッシュフロー(お金の出入り)がプラスになります。そのため資産が下落しても、収入から補てんすることが可能です。

一方、現在60代であれば、多くの場合はキャッシュフローが大きく減ります。そんな中で大暴落が起こると……大幅に下落したリスク資産を回復させることは、非常に難しくなります。だから、年代が上がるにつれ、国債などの安全資産を含む投資信託や現金の比率を徐々に上げることが理想です。

投資の正解は、収入や考え方だけでなく年代でも変わります。投資に力を入れてきた人ほど、難しいかもしれませんが、「年代が上がるにつれ、安全資産の比率を高める」という点も意識していきましょう。

浅見 陽輔/銀行員・証券アナリスト

大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科を卒業後、2013年に銀行に就職。10年のキャリアで、投資運用、リスク管理、法人・個人向け融資、システム部門を経験。証券アナリスト、FP2級、簿記2級、税務上級など20種類の金融系資格を保有。趣味は優待株投資と筋トレ。本業の傍ら、Kindle(電子書籍)作家としても活動中。代表作に『図解 新NISA』『トクする株主優待の選び方』『最後のジュニアNISA』『絶対に続く筋トレ』などがある。Twitterアカウントは【@you_def】。

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