日本株にも影響が… たった30銘柄で米国全体の景気をけん引する「SOX指数」って?
Finasee / 2023年8月1日 18時0分
Finasee(フィナシー)
SOX指数は「フィラデルフィア半導体株指数」と呼ばれ、米国の半導体関連株の状況を表しています。そして、米国全体の景気やハイテク株の景気を探る「先行指標」として注目されていて、日本の半導体関連株にも影響を与えています。
この記事ではSOX指数の構成銘柄と仕組みについて解説します。
SOX指数とは?SOX指数は、米国の主要な半導体関連30銘柄で構成される株価指数で、1993年12月1日を基準日として時価総額加重平均で算出されます。
SOX指数は、米国の半導体関連銘柄の状況を反映しており、景気判断の指標の一つとして注目されています。半導体産業はスマートフォンやパソコンなどの電子機器に欠かせない部品であるため、半導体産業が好調であれば景気が良いと判断される傾向があるからです。
SOX指数は日本株にも影響を与えます。日本株はSOX指数に含まれていませんが、SOX指数の動きは世界の半導体市況に対する市場の見方を反映するため、日本の半導体関連銘柄の株価も上下するからです。
日本の主な半導体関連株としては、アドバンテスト(6857)、ディスコ(6146)、東京エレクトロン(8035)、信越化学工業(4063)などがあります。
SOX指数と日本の半導体関連銘柄の株価は連動している可能性が高く、SOX指数の上昇は日本の半導体関連銘柄の投資判断材料の一つとなるのです。ただし、SOX指数が上昇していても、日本株の上昇タイミングが遅れるケースもあります。
そのため、売買のタイミングを考えることが重要です。SOX指数の上昇に伴って日本半導体関連銘柄が買われているとしても、少し上昇のタイミングが遅れている銘柄を探して売買するのも一つの方法でしょう。
投資信託でSOX指数に投資するSOX指数には、以下の投資信託を通じて投資できます。
<購入・換金手数料なし>ニッセイSOX指数インデックスファンド
(米国半導体株)
SOX指数(配当込み、円換算ベース)の動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。2023年3月に設定され、6月末時点の騰落率は以下の通りです。
1カ月 5.9%
3カ月 22.8%
設定来 25.6%
ネット証券を利用すれば100円から購入できるので、少額からSOX指数に投資できるという魅力があります。
SOX指数の構成銘柄は?それでは、SOX指数の構成比率上位銘柄を紹介します(2023年6月末時点)。
■エヌビディア
エヌビディアは米国カリフォルニア州にある半導体メーカーで、GPUに特化しています。GPUとは、3Dグラフィックスなどの画像描写に必要な計算や演算を行う半導体チップ(プロセッサ)のことです。
GPUはCPU(中央演算処理装置)と混同されることがありますが、CPUは「コンピューターの頭脳」と呼ばれ、あらゆる演算処理を行います。一方、GPUは「画像処理に特化した頭脳」であり、膨大な計算量を必要とする画像処理や画像認識を担っています。
エヌビディアのGPUは、ゲーム、映像編集、科学技術など、さまざまな分野で活用されているのです。ゲームでは、よりリアルで美しいグラフィックを実現するためにGPUが使われています。また、科学技術では、人工知能や自動運転などの技術開発にGPUが使用されているのです。
エヌビディアは、世界中の多くの企業や個人によって使用されており、半導体業界のリーダーとなっています。
エヌビディアはAI(人工知能)ブームの波に乗り株価が上昇。今年5月には時価総額1兆円を超えて話題になりました。そして、SOX指数の中でも中心の銘柄となっています。7月19日の終値は470.77ドルで、年初来で228.86%上昇しています。
※エヌビディアの詳細は以下の記事もあわせてご覧ください。
ChatGPTを支える「すごい」技術 エヌビディアの株価はどこまで上がる?
■ブロードコム
ブロードコムは、世界最大の通信用半導体企業です。クラウドサービス、高速通信規格5G、ブロードバンドなど幅広い分野に関連する製品・サービスを提供しています。また、積極的なM&Aで事業拡大路線を推進し、全セグメントで業界No.1の地位を確立しているのです。
また、アップルがブロードコムの主要顧客であり、アップルへの売上は年間売上の約 15~20% を占めています。ただ、アップルは2025 年までにスマートフォン向けモデムチップをクアルコムから自社製に切り替える予定です。これによりブロードコム の業績が悪化するとの懸念が広がっています。
しかし、ブロードコムはアップル以外の顧客も多く、独自のモデムチップの開発にも注力しています。そのため、アップルが独自のモデムチップに切り替えたとしても、ブロードコム の業績が大幅に悪化する可能性は低いでしょう。
ブロードコムは今後、5G やクラウド サービスなど成長が見込まれる分野に注力することで、業績を拡大していく見込みです。
ブロードコムの株価も2023年は大きく上昇しています。7月19日の終値は901.37ドルで、年初来で62.86%上昇しています。
SOX指数とは景気の先行指標であるSOX指数は、景気やハイテク株の景気を探る「先行指標」として注目されています。これは、半導体は、スマートフォンやパソコンなどの電子機器に欠かせない部品であり、半導体業界の景況感は、景気やハイテク株の景況感を反映していると考えられているためです。
また、SOX指数は、日本の半導体関連株にも影響を与えています。日本株を取引している投資家も、SOX指数のチェックをおすすめします。
執筆/山下耕太郎(フィナシー/Ma-Do 投資信託研究会)
Finasee編集部
金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。
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