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目指せ配当生活! 40歳から始めるなら、どれくらいの投資が必要?

Finasee / 2023年8月24日 18時0分

目指せ配当生活! 40歳から始めるなら、どれくらいの投資が必要?

Finasee(フィナシー)

相談者のプロフィール

【神崎さん(仮名)プロフィール】
・年齢:40歳
・性別:男性
・職業:会社員(情報通信業)
・家族構成:独身、1人暮らし
・住居形態:賃貸

【世帯の家計状況】
・月の収入:60万円
・月の支出:30万円
・賞与:240万円(昨年の実績)
・金融資産:1800万円

【お悩み】
将来、配当金で生活したい。投資経験がないため、注意点があれば教えてほしい。

夢の配当生活!どれくらいで実現できる?

神崎さん
「配当金で生活している人をSNSで見ました。私も株式を買って配当生活をしたいのですが、投資経験がありません。株式をどれくらい買えば配当金で生活できるでしょうか。また、どんな注意点があるでしょうか」

アドバイザー
「生活できるほどの配当金を受け取るには、一般に大きな資金が必要です。年間360万円を受け取るには、配当利回り3%で1億2000万円の投資が求められます。また配当金は変動すること、株価が下落すれば配当金を超える損失が生じる可能性があることも知っておきたいところです」

SNSなどでFIRE(※)が話題を集めて久しく、神崎さんも配当金で生活することを夢見ているようです。配当金で生活できるようになるには、どれくらいの資産が必要なのでしょうか。注意点と一緒に解説します。

※FIRE:Financial Independence, Retire Earlyの略。「経済的自立、早期リタイア」の意で、主に資産運用で生計を立てて早期に仕事をリタイアするライフスタイルを指す。

配当生活に必要な資金は?

配当金とは、企業が出資の見返りとして株主に利益の一部を支払うものです。企業は株式を発行して資金を調達しますが、その対価として配当金を支払うことがあります。直接的に企業の資金調達に参加しなかったとしても、取引所で株式を購入すれば配当金を受け取る権利を得られます。

配当金を目的に株式投資を始める場合、参考となるのが「配当利回り」です。配当金を株価で割って算出される値で、投資額に対して1年間にどれくらいの配当金が支払われるかの目安となります。例えば配当利回り3%の株式を100万円分買った場合、1年間に3万円の配当金を受け取れるという意味になります。

神崎さんの支出額は月に30万円なので、年間の生活費は360万円。これを配当利回りで割ると、配当生活に必要な投資額が計算できます。例えば配当利回り3%なら1億2000万円、5%なら7200万円分投資すると、配当金で生活費をまかなえる計算です。

なお、東証プライム市場に上場する銘柄の単純平均配当利回りは2.23%です(2023年7月 出所:日本取引所グループ)。これで360万円分の配当金を得るには1億6143万円の投資が必要となります。配当生活の実現のハードルは高いといえるでしょう。

高利回り銘柄ならハードル下がる 配当の変動には注意 

ではもっと配当利回りが高い銘柄を選んで投資した場合はどうでしょうか。日本経済新聞ウェブサイトで調べたところ、予想配当利回り上位3銘柄はジャフコグループ、世紀東急工業、日本たばこ産業となりました(2023年8月2日終値時点)。

【予想配当利回り上位3銘柄(2023年8月2日終値時点)】
・ジャフコグループ:8.30%
・世紀東急工業:6.21%
・日本たばこ産業:6.08%
※予想配当金は日本経済新聞記者の予想

出所:日本経済新聞 日本株ランキング 予想配当利回り

8%もの配当利回りがあれば、4500万円投資すれば年間に360万円の配当金を受け取れることとなります。神崎さんの金融資産1800万円を一括投資し、年間600万円のプラスが生じる家計から資金を投じると、単純に考えれば5年足らずで達成できる計算です。高利回り銘柄にだけ投資すれば、配当生活の実現も夢ではなさそうです。

ただし配当金は変動します。上述の3銘柄も、配当金の額は増加や減少を繰り返してきました。

【各社の年間配当額(実績)】

   ジャフコグループ   世紀東急工業   日本たばこ産業   2018年度 112円 27円 150円  2019年度 118円 47円 154円  2020年度 138円 43円 154円  2021年度 51円 30円 140円  2022年度  150円 30円 188円

 

出所:各社の決算短信

配当金の原資は企業が稼ぎ出した利益であり、業績が悪化すれば減額もあり得ます。無配(配当金が支払われないこと)に陥る可能性もゼロではありません。配当利回りが高い銘柄に投資したとしても、将来にわたって確実に配当金を受け取れる保証はないのです。

株価の変動リスクに注意 集中投資は避けたい

株価の変動にも注意が必要です。株式は一般にリスクの高い資産であり、配当金以上の下落が生じることも少なくありません。先述の3銘柄も、年間では大きな値動きが生じている様子がうかがえます。

【株価の年間騰落率(2000年1月~2023年7月)】

   ジャフコグループ   世紀東急工業   日本たばこ産業   最大値 209.8% 176.5% 97.6%  平均値 4.3% 9.5% 9.4%  中央値 -9.4% 0.0% 6.1%  最小値  -61.9% -68.1% -55.8%


出所:Investing.com

【株価の推移(月足終値、2000年1月~2023年7月、2000年1月末=100)】

出所:Investing.comより著者作成

1銘柄に集中的に投資すると、資産全体がその値動きに連動して変動することとなります。これを緩和するには、特定の銘柄への集中投資を避け、複数銘柄への分散投資が効果的です。

個別の分析も求められるでしょう。配当金は利益を原資とするため、業績が安定している銘柄が投資候補となると考えられます。配当利回りだけで判断せず、事業内容や過去の経営成績なども考慮して投資したいところです。

執筆/若山卓也(フィナシー/Ma-Do 投資信託研究会)

Finasee編集部

金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。

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