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「まさか自分が⁉」再就職を目指す女性が見つけた“全く新しい選択肢”

Finasee / 2023年8月24日 11時0分

「まさか自分が⁉」再就職を目指す女性が見つけた“全く新しい選択肢”

Finasee(フィナシー)

料理分野のマーケティング会社に新卒から定年に至る年齢まで働いてきたKさん(60代・女性)。退職後、ハローワークに通い就活を始めましたが、応募した会社すべてに落とされ落ち込んでいました。そんな折、「何とかなるのではないか」と希望が湧く情報を入手しました。

●心の準備はしていたものの、再就職の壁は驚くほど高かった。
※前編【「やはり厳しい…」早期退職した女性に立ちはだかった“再就職”の高い壁】からの続き

「高齢者専門窓口」がある心強さ

Kさんを元気づけたのは、「高齢者専用の窓口が設置されたハローワークがある」という情報でした。ハローワークはすべての年齢の方に門戸を開いていますが、中には高齢者に特化した情報提供をしている窓口があることが分かったのです。

早速窓口のあるハローワークに行ってみると、確かに高年齢者に特化した「シニアコーナー」が設置されていました。そのコーナーを見てみると、シニア向けの求人を出している会社のファイルを自由に閲覧できる上に、担当者の方からも有益なアドバイスをもらえました。

「少し光が見えてきた」と感じたKさんは、職業訓練校に通いながらその窓口に足しげく通い続けました。

まさか自分が公務員に⁉ 浮上した新しい可能性

窓口に何度か通ううち、シニアコーナーの担当者と親しくなり、そのうち「こんな案件があるんだけど、受けてみませんか?」とKさんに合った案件を教えてくれるようになりました。

しかし、ある時教えてもらった案件の詳細を聞いて、Kさんは耳を疑います。なぜならそれが「公務員の臨時募集」だったからです。

担当者いわく、東京都の公務員(会計年度任用職員)募集は定期的に行われているもので、ちょうどKさんに向いていそうな案件だったため紹介してくれたと言います。Kさんは公務員の募集が行われていることも、まして定年後の自分が応募できることも知りませんでした。

「定年後の女性で、しかも中小企業で働いていた自分が公務員に……?」

なんとも不思議な気持ちでしたが、担当者から言われた「募集条件を満たす人なら、年齢、性別、職歴なんて関係ないですよ」という言葉がまるで天の声のように聞こえ、導かれるように応募を進めていきました。

いざ応募して面接へ! 結果は…

職業訓練校で職務経歴書の書き方も教えてもらっていたので、その点Kさんは安心して応募を進められました。面接も特別難しいものとは感じず、過去に会社でこなした仕事や、職業訓練校で学んだことを分かりやすく話すように心がけ、手ごたえすら感じました。

その結果は、見事採用でした。Kさんの契約は1年契約ですが、仕事によっては終了後も継続契約につながります。また継続の案件でなくても、在籍しているうちに他部署での求人に目を光らせておくと、在籍中の応募が可能です。

もちろん試験は公平に行われますが、役所で働いた経験や、役所のルールを理解していることなどもアピールできるので、採用側にも魅力を感じてもらえるのではないでしょうか。

採用されたKさんは、その後役所で生き生きと仕事をこなし、それから1年契約を終了する前に、他部署へ応募しました。その結果、公募によらない再任用契約のある部署で現在も働いています。

Kさんは事務処理能力も高いことが評価され、「これからもぜひ働いてほしい」と今後の活躍にも期待されているようです。

Kさんの体験談から学ぶこと
1.早めの心構えが肝心

Kさんは、先のことがまだ分からない時期から、大まかな方向性を持ち、できる範囲の準備を始めていました。そしてそれが次のステップに着実につながっています。何をするか考えることに時間をかけるのでなく、できることから手掛けて、トライ&エラーから学びましょう。

2.ハローワークへの偏見を捨て、徹底的に活用する

再就職に向けては、まず自分の思い込みや常識を捨てましょう。例えばハローワークと言えば似たような案件しかないのであまり利用しない、と思っている方も多いのではないでしょうか。

Kさんの事例で言えば、職業訓練やシニアコーナーなど、定年後のキャリアに役立つ面も大いにあります。先入観を捨て、新しい情報を入手することを心がけましょう。

3.現役時代と全く違う業界にも活躍の場はある

Kさんはマーケティングの会社から、全く違う業界に進んで公務員になりました。過去のキャリアにとらわれず、自分の強みを普段から整理しておいて、就職活動に活かすことも選択肢の1つです。

4.チャンスがあれば思い切って飛び込んでみる

組織に入ることで分かることも多くあります。Kさんの場合も、役所に入ってからしか分からない仕事やルールなどがありました。最初は自分の想定していた求人内容でなくても、一度その業界もぐり込むことで次の道につながることもあります。最初の一歩を大切にしましょう。

***
 

退職時には「自分は雑草のような存在で就職は難しいのではないか」と悩んでいたKさん。持ち前の頑張りと諦めない気持ちをバネにし、情報を集め行動してこられました。前向きに行動する人に希望の光が見えてくる。大切なことを、Kさんから教えていただきました。

髙橋 伸典/セカンドキャリアコンサルタント・モチベーション総合研究所代表・東京定年男女の会主宰

1957年生まれ。57歳で早期退職するも、多くのつまずき、苦労を経験する。しかし試行錯誤を重ねることで乗り越え、リスクなく独立する道をつかみ取る。東京都主催の東京セカンドキャリア塾、各自治体などでセミナーを行う。雑誌やウェブメディアでは、セカンドキャリアに関する寄稿の実績多数。著書に「定年1年目の教科書」(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

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