1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

「グロイン」再評価で純資産1兆円突破 なぜ資金が集まった?

Finasee / 2023年8月25日 18時0分

「グロイン」再評価で純資産1兆円突破 なぜ資金が集まった?

Finasee(フィナシー)

「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」(以下:グロイン)に資金が再び向かっています。2007年に純資産総額が2.8兆円まで増加しますが、リーマンショックなどの影響から5000億円程度まで減少していました。しかし2019年に大きく資金を集め、現在は1兆円前後で推移しています。

【純資産総額と基準価額の推移】

出所:投資信託協会 投信総合検索ライブラリーより著者作成

なぜ再びグロインに注目が集まっているのでしょうか。理由を探ってみましょう。

下落局面の下値抵抗力が評価

グロインが資金を集めたのは、下落局面における公益株の強さが評価されたためだと考えられます。

グロインは世界の公益株式で運用される投資信託です。公益株式とは、電力やガスなど日常生活に不可欠な公益サービスを提供する企業の株式を指します。

【ポートフォリオの概況(2023年6月末時点)】

   組入上位5カ国・地域  組入上位5業種  1位  米国(66.6%) 電力(47.4%) 2位 英国(8.3%) 総合公益事業(34.2%) 3位 ドイツ(6.3%)   独立系発電・エネルギー販売(10.1%) 4位 スペイン(5.2%) 陸上運輸(1.5%) 5位 イタリア(4.1%) 粧業サービス・用品(1.4%)


出所:ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型) 月次レポート

公益株式は不安定な環境で選好される傾向にあります。例えば2009年以降、全世界株式が下落した年は4回ありましたが、うち3回で公益株式指数の方が良好なパフォーマンスを残しました。

【全世界株式が下落した年のパフォーマンス】

  MSCI
 全世界株式指数…① 
MSCI
 世界公益株式指数…② 
 差(②-①)   2011年 -6.86% -3.67% +3.19%  2015年 -1.84% -7.43% -5.59%  2018年 -8.93% 2.23% +11.16%  2022年   -17.96% -3.92% +14.04%

※米ドル建て、グロス

出所:MSCI ファクトシート

グロインに資金が集まり始めた2019年以降は、米中の対立や金利上昇で世界の株式市場で軟調な展開がみられました。こういった地合いが公益株式への投資を誘引し、グロインにも資金が流入したと考えられます。

配当利回りの高さも魅力

相対的に高い配当利回りもグロインの魅力です。

グロインが投資するのは、公益株式のうち配当利回りが高い銘柄です。したがって、ポートフォリオ全体の配当利回りも市場平均より高くなる傾向にあります。

【配当利回りの比較】
・グロイン:3.6%(2023年6月末)
・MSCI全世界株式指数:2.08%(2023年7月末)

出所:ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型) 月次レポート、MSCI ファクトシート

配当金は定期的な収益であり、高い配当利回りは運用成績の安定化に寄与することが期待されます。グロインが支持される理由の一つと考えられるでしょう。

なお、公益株式への投資や配当利回りの高さは、必ずしも運用成績を向上させるわけではありません。相場環境によってはその他のセクターに劣後する可能性は十分考えられます。投資の際はリスクに十分配慮し、余裕資金の範囲内で行うよう検討してください。

【ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)の概要】

 運用会社  ピクテ・ジャパン    設定日  2005年2月28日  信託期間  無期限  販売手数料(最大、税込み)    3.85%  信託報酬(税込み)  1.81%  信託財産留保額  なし

 

執筆/若山卓也(フィナシー/Ma-Do 投資信託研究会

Finasee編集部

金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください