ゼネラル・エレクトリック(GE)の株価がアップルやテスラより上昇している理由
Finasee / 2023年8月23日 16時0分
![ゼネラル・エレクトリック(GE)の株価がアップルやテスラより上昇している理由](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/finasee/finasee_12435_0-small.jpg)
Finasee(フィナシー)
ゼネラル・エレクトリック(GE)は、エネルギー、電気、金融の分野で世界170カ国に展開する多国籍企業です。現在は航空宇宙事業に注力しており、2024年には発電事業と再生可能エネルギー事業を分社化する予定です。この記事では、ゼネラル・エレクトリックの詳しい事業内容と、株価が上昇している理由について解説します。
ゼネラル・エレクトリック(GE)の事業内容ゼネラル・エレクトリックの起源は、発明家として知られるトーマス・エジソンが設立した電気照明会社にさかのぼります。1892年にトムソン・ヒューストン社と合併して「ゼネラル・エレクトリック」となり、その後、さまざまな企業やメーカーとの提携を通じて事業を拡大してきました。
ゼネラル・エレクトリックは現在、エネルギー、電気、金融の分野で世界170カ国に展開する多国籍企業です。産業分野では、航空機エンジン、発電設備、医療機器などを生産していて、スタービンは世界トップシェアを誇ります。
2018年6月に、GEは再建計画を発表しました。この計画では、航空、電力、再生可能エネルギーに注力する方針が示されました。また、2021年11月には、航空、ヘルスケア、エネルギーの3事業への分割を発表。2023年1月に、ヘルスケア部門のスピンオフが完了しました。
ゼネラル・エレクトリックは現在も世界をリードする企業であり、今後も成長を続けていくことが期待されます。
明治中期に日本に進出ゼネラル・エレクトリックは、明治中期から日本に進出し、各地で事業を展開してきました。特に、1960年には日本初の原子力発電事業に携わる「日本ゼネラル・エレクトリック」を設立するなど、日本のエネルギー産業にも深く関わってきました。
ゼネラル・エレクトリックは日本の経済発展に大きく貢献してきた企業であり、今後も日本の成長を支える重要な役割を果たしていくことが期待されます。
ゼネラル・エレクトリックの株価はS&P500を大きく上回る上昇ゼネラル・エレクトリックの株価は、ここ1年で約2倍に上昇しています。これは、同社の航空宇宙事業が好調なことが主な要因です。
ゼネラル・エレクトリックの航空宇宙事業は、世界最大の航空機エンジン製造会社です。同社のエンジンは、ボーイングやエアバスなどの主要な航空機メーカーに採用されています。
航空需要は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で大きく落ち込みましたが、現在は回復しています。この回復は、ゼネラル・エレクトリックの航空宇宙事業に恩恵をもたらしているのです。
ゼネラル・エレクトリックの株価は、過去5年間で最も高い水準で取引されており、1年前の約2倍です。一方、S&P500種株価指数全体では過去1年間で約9%の上昇にとどまっています(8月7日時点)。
また、アップル(約8%)やテスラ(約-13%)、マイクロソフト(約18%)といった米主力銘柄を大きく上回る上昇率となっているのです。
2023年通期の利益予想を上方修正7月25日、ゼネラル・エレクトリックは2023年通期の調整後1株当たり利益予想を従来予想の1.70~2.00ドルから2.10~2.30ドルに引き上げました。これは、ジェットエンジンの予備部品や航空会社のサービスに対する旺盛な需要により、第2四半期の利益が市場予想を上回ったことによるものです。
航空業界はパンデミックから予想以上に早く回復し、エンジンメーカーの収益を押し上げました。航空機不足により航空会社は古いジェット機を長く使用せざるを得なくなり、アフターサービス需要も好調です。
ゼネラル・エレクトリックの航空宇宙部門は、受注、売り上げ、営業利益が前年比2桁増加しました。ゼネラル・エレクトリックは今後も航空宇宙事業に注力し、収益拡大を目指しています。
また、ゼネラル・エレクトリックは、2024年初頭に発電事業と再生可能エネルギー事業を分社化することを発表しました。この2つの事業は、GEの総売上高の約46%を占めています。
2023年にヘルスケア事業を分社化しており、今後は航空宇宙事業のみに専念していく予定です。航空宇宙事業は、世界的な航空需要の回復に伴い、好調な業績を上げています。
事業の選択と集中で株価はどうなる?ゼネラル・エレクトリックの株価は、過去に暴騰し、2000年9月には史上最高値の360.13ドルを記録しました。しかし、近年は低迷しており、最近の高値水準でも、株価はそのピーク時に比べ約70%も安くなっています。
ただ、ゼネラル・エレクトリックの株価は、2018年10月以来5年ぶりの高値まで上昇しています。これは、投資家がGEの航空宇宙事業の将来に注目しているためです。
2018年以降、ゼネラル・エレクトリックは電球や機関車を製造するほとんどの部門、石油・ガス事業、そして、かつて大手銀行と肩を並べ、同社を経営難に陥れたGEキャピタルを売却しています。また、早ければ2024年初めには、電力事業と再生可能エネルギー事業をGEベルノバとして分離する予定です。
ゼネラル・エレクトリックの航空宇宙事業とGEベルノバは、それぞれ現在のGEの売上高における約半分を占めています。そのため、これらの事業の業績がゼネラル・エレクトリックの業績に大きく影響すると考えられます。
ゼネラル・エレクトリックの株価は今後も上昇する可能性がありますが、リスクを十分に理解したうえで投資を行うことが重要です。
執筆/山下耕太郎(フィナシー/Ma-Do 投資信託研究会)
Finasee編集部
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