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年収700万円の会社員が受け取れる年金額は? “年金以外の収入”も確保しておきたい金額に…

Finasee / 2023年9月22日 19時0分

年収700万円の会社員が受け取れる年金額は? “年金以外の収入”も確保しておきたい金額に…

Finasee(フィナシー)

誰にとっても老後生活の重要な基盤となる年金。多くの会社員は毎月、給与から天引きされ、保険料を納めているにもかかわらず、その結果として自分がいくら年金を受け取れそうか把握できている人は少ないようです。

確かに、個々人の年金額を求めるには、少々複雑と言わざるを得ないのが現在の年金制度です。まずは“ざっくり”と把握するところから始めてみませんか?

そこで、「平均年収700万円だったら」と仮定した計算結果を解説します。

※本来は、年ごとによって得られる収入(給与)は異なる場合がほどんどですが、ここでは計算を分かりやすくするために、現役時の年収の平均が700万円として計算をします

65歳から受けられる年金

65歳から受け取れる老齢年金は老齢基礎年金(1階)と老齢厚生年金(2階)の2階建て。

老齢基礎年金は全国民共通で、20歳から60歳まで40年の保険料納付がある場合は満額で受給できます。

一方、会社員で厚生年金に加入していれば受けられる老齢厚生年金は報酬比例部分として、在職中の給与や賞与の額、そして加入期間によって計算されます。在職中の給与・賞与が高いと負担する厚生年金保険料はその分高くなりますが、将来受給できる年金額も高くなる計算です。

また、老齢厚生年金には他に経過的加算額がありますが、今回は老齢厚生年金への上乗せと覚えていただければ十分です。

この前提を押さえたうえで、実際に計算してみましょう。

年金額の計算

以下の条件で計算します。

・1983年4月生まれで2023年4月に40歳

・大学生在学中は国民年金に加入し、20歳から3年間保険料を納付

・2006年4月に就職し、以来42年間(504月)、65歳まで、会社員として厚生年金に加入

・2023年時点のルールを適用

では、いくら受け取れるでしょうか。まずは、報酬比例の部分(2階)から計算していきます。

報酬比例部分(2階部分)

2006年4月から厚生年金に加入しているため、1月あたりの厚生年金加入中の給与(標準報酬月額)や賞与(標準賞与額)の平均(平均標準報酬額)から算出します。

今回は、平均年収で700万円ですので、標準報酬月額50万円×12月と賞与(標準賞与額)が夏と冬で50万円ずつの合計100万円、これを基準にして算出してみます(実際は、どの時期にいくら給与や賞与を受け取り、その内訳がいくらであったかによって平均標準報酬の金額も多少変わります)。

ただし、平均標準報酬額は加入年度ごとの再評価率によって、それより少ない報酬として再評価されます。その再評価後の平均標準報酬額に一定の乗率や厚生年金加入月数をかけるなど、所定の計算をすると、報酬比例部分の額は154万円程度/年と算出されます。

この報酬比例部分に老齢基礎年金と経過的加算額が加わります。

基礎年金(1階部分)

保険料納付済期間が20歳から60歳までの40年ある(厚生年金に加入していた期間は基礎年金の計算に含まれます)ことから老齢基礎年金が満額(2023年度の67歳以下の額で79万5000円/年)となります。

経過的加算

20歳以上60歳未満の厚生年金加入期間は23歳から60歳までの37年(444月)のため、その後、63歳まで合計40年になるまで厚生年金に加入することで経過的加算額も増えます。6万円弱/年支給されます。

結果、老齢基礎年金と経過的加算額は合計85万円程度/年になります。

154万円と85万円の合計で約239万円の年金額になると言えます。つまり、月20万円弱の公的年金収入となります。

年金額がアップすれば、社会保険料や税金も上がるので注意!

42年間で平均年収700万円だった場合の年金は239万円という数字が出ました。

年収600万円の場合と比べると受給額が高くなるのは当然ですが、月20万円弱の年金がそのまま受けられるわけではなく、年金収入が増えると税金や社会保険料もまた高くなります。65歳を迎えた頃、実際の年金額や物価もどうなっているか不明ですし、このままの額ではぎりぎり最低限の生活も送れない可能性もあります。

余裕を持った生活を送るためには、やはり年金以外の収入や貯蓄についてもしっかり考えておきたいところでしょう。

井内 義典/ファイナンシャルプランナー

よこはまライフプランニング代表取締役、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、特定社会保険労務士、日本年金学会会員。専門分野は公的年金で、3000件を超える年金相談業務を経験。さらに、年金事務担当者・FP向けの教育研修、ウェブメディアや専門誌への記事執筆も行っている。横浜市を中心に首都圏で活動中。

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