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「投資は怖い」と言う人もこれなら! 老後資金づくりで意外に見落とされがちな“ある制度”

Finasee / 2023年10月16日 11時0分

「投資は怖い」と言う人もこれなら! 老後資金づくりで意外に見落とされがちな“ある制度”

Finasee(フィナシー)

「できるだけ多くの社員に『持株会に入って良かった』と思ってもらいたい」これは我々、持株会を事務受託している証券会社のみならず、持株会を制度導入している上場会社、その事務局の皆さまの思いでもあります。そして事務局の皆さまの悩みは、持株会をできるだけ多くの社員に知ってもらうこと、これが「言うはやすく行うは難し」ということだと思います。

※編集部注:「持株会」がどのような制度かは前回記事(加入者は4割程度でも…やはり「持株会はよくできた制度」といえる“これだけの理由”)ご参照

というのも、事務局の皆さまのお仕事は、持株会のことだけではないですからね。それに、1人か2人で持株会のことを担当している企業がほとんどですから、できることも限られてしまう、という悩みもあるでしょう。とはいえ、仕事は仕事、真摯に、かつ、前向きに持株会の業務に取り組んでいらっしゃる方が多いですね。我々も、そんな事務局の皆さまと、お互いの共通の思いを実現するべく、試行錯誤している毎日です。

そんな試行錯誤の中から、「これは社内で持株会のことを周知するのにとっても役立ったよ」と、そんなお言葉を持株会の事務局の方々から言っていただいたネタがあります。持株会の事務局の方々のみならず、上場会社にお勤めの現役社員の皆さまにも参考になるのではないかと思いますのでご紹介しましょう。以下、ご一読ください。

人が投資をやらない理由とは?

さて、今回は「人が投資をやらない理由から考える、持株会の特長」と題して、上場会社にお勤めの皆さまへ、人が投資をやらない理由を読み解きながら、持株会のことをご説明したいと思います。

まずは金融庁のアンケート調査から、人が投資をやらない理由を確認してみましょう。

筆者作成

上から順番に、「まとまった資金がないから」「投資の知識がないから」「投資は損をしそうで怖いから」「購入方法が分からないから」そして、「時間的なゆとりがないから」の5つになります。

1つずつ確認してみましょう。

やらない理由① まとまった資金がないから

まずは「まとまった資金がないから」ですが、人生には結婚や出産、教育費用や住宅購入、そして老後の生活費と、いろいろなお金がかかりますね。投資に回すお金がない、というのも分からないではありません。

筆者作成

でも、持株会なら、1口1000円くらいから無理なく株式を取得できます。

ですから、まとまったお金を用意する必要はないのです。

筆者作成やらない理由② 投資の知識がないから

投資をやらない理由で次に多いのは「投資の知識がないから」です。

たしかに知識は大切です。でも、ここにあるように、あれこれ考えると、逆に投資に踏み出せません。お試し的な投資があるといいですよね。

筆者作成

でも、持株会なら、先ほどご説明したように、1口1000円くらいからお試し的に株式を購入できますよね。それに奨励金がついていたりすると、試しにやってみようと、そんなふうに思う方も多いはずです。

言ってみれば、持株会はお試し的な投資とも言えるのではないでしょうか。

筆者作成やらない理由③ 損をしそうで怖いから…

3つ目は「投資は損をしそうで怖いから」です。損をするのが怖いと思う気持ちはわかります。

でも怖いのは「よく分からない」の裏返しでもあります。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」なんてことわざもありますよね。

筆者作成

でも、持株会なら、お勤め先の会社のことは、他の会社と比べて、よく分かっているでしょう。

なにしろご自身がお勤めの会社のことですから「怖い」ってことはないはずですよね。

筆者作成やらない理由④ 購入方法が分からない…

さて、4つ目は「購入方法が分からない」という理由です。

たしかに証券会社に行ったことがない人も多いかも知れません。株式の注文には「成行(なりゆき)」とか「指値(さしね)」とか、お作法があったりしますよね。

筆者作成

でも、持株会なら、給与天引きで持株会が毎月株式を購入しますので、面倒な手続きや手間は全くかかりませんよね。

筆者作成やらない理由⑤ 時間的なゆとりがない…

最後の5つ目は「時間的なゆとりがない…」です。これは否定しません。皆さん、公私ともに忙しい毎日を過ごされていると思います。

筆者作成

でも、持株会なら、年1回や年2回など、毎年決まった時期が申し込みを受け付けていると思います。

ですから、逆にこのスケジュールをご自身の将来を考える、毎年のルーティンにしたらいいと思います。次回の申込時期には、持株会の加入や増額を検討してみてはどうでしょうか。

筆者作成

以上、1つずつ確認してきましたが、持株会には「投資をやらない理由」が全くありませんよね。

人生100年時代、共助でもある「持株会」は老後資金の準備にぴったり

さて、最後に皆さんの背中を、あと一押しさせてください。

「人生100年への備えは、大きな三角形で考えてください」とよく言われます。この大きな三角形で持株会のことを考えてみたいと思います。

筆者作成

一番下にある国の保障は「おおやけがたすける」と書いて「公助(こうじょ)」と呼ばれます。そして、この「公助」がなくなる訳ではないですが、人生100年の長寿化を踏まえると、いろいろなところで叫ばれているのが「みずからたすける」、つまり「自助努力」の必要性が増している、ということだと思います。

でも、上場会社に勤める皆さまは、「公助」と「自助」だけではないのです。

この真ん中の「お勤め先の保障」は、会社と社員が「ともにたすけあう」と書いて「共助(きょうじょ)」と位置付けられるのではないでしょうか。

そして、特に持株会は社員自らが加入するかどうかを判断する、という意味の「自助」という側面と、会社が奨励金をつけたり、社員が持株会を通じて安定株主になったりする、という意味の「共助」という側面を兼ね備えていると思うのです。

「自助」だけでなく「共助」も兼ね備えた制度である持株会を、人生100年に備える土台づくりにうまく活用する、上場会社にお勤めの皆さまには、そんなふうに考えていただき、ぜひ人生100年への備えを、持株会から始めていただきたいですね。

以上、今回の記事が、上場会社にお勤めの皆さまが持株会のことを前向きに検討する、そんなきっかけとなれば幸いです。

小出 昌平/大和証券 ライフプランビジネス部 担当部長

1993年4月大和証券入社。投資信託の開発や富裕層ビジネスの企画・運営業務などを経て、2015年より確定拠出年金業務に従事。現在は、iDeCoと呼ばれる個人型確定拠出年金の周知・普及活動に携わりながら、自治体や事業会社の職場における金融・投資教育、ライフプラン教育の支援活動に取り組み中。

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