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「老後破産」を覚悟した51歳男性が“使えるものは使う精神”で見つけた解決策

Finasee / 2023年10月13日 11時0分

「老後破産」を覚悟した51歳男性が“使えるものは使う精神”で見つけた解決策

Finasee(フィナシー)

30年以上勤めてきた会社が買収され、賃金制度の見直しによって年収が50万円以上ダウン。その上、10年固定金利の住宅ローンの固定金利期間が間もなく終わり、このまま金利が上昇すると返済額が跳ね上がって返せなくなってしまうかもしれない……。

定年まで10年を切った段階で訪れた家計の大ピンチになすすべもない私は、妻に引きずられるようにしてファイナンシャルプランナー(FP)の川端さんの事務所を訪れました。

●前編:【普通の会社員を襲ったお金の二重苦…崩壊した“ゆとりある老後”への幻想】

お金の専門家に悩みを打ち明けてみると……

川端さんの事務所の前に立った時はまだ、心の中では「こんな窮状を人に話すのはわが家の恥だ」「いくらお金のプロだと言っても1回相談したくらいでどうなるものでもないだろう」というネガティブ思考が渦巻いていました。

しかし、出迎えてくれた川端さんは絵に描いたようなエビス顔で、「暑い中をよくお越しくださいました」と勧められた麦茶をいただいているうちに、不思議と心が落ち着いてくるのを感じました。

川端さんは聞き上手でもありました。その福々しい顔に穏やかな笑みを絶やさず、随所で相づちを打ちながら、私たちの現状と課題を巧みに引き出し、論点の整理をしてくれました。そして、データや自身の経験に裏打ちされた言葉で、私たちの漠然とした不安を見事に解消してくれたのです。

家計管理はほぼ完璧。では改善すべきこととは?

妻が持参した家計簿を確認した後、川端さんはこう切り出しました。

「家計管理はほぼ完璧です。食費や小遣いを今より減らす余地はあるかもしれませんが、このままでいいと思います。それよりも、同居のお子さんたちに光熱費や食費の一部を負担してもらってはいかがでしょう? 最近のアンケートだと、実家暮らしの独身社会人の6割は毎月家にお金を入れています。20代の平均額は3万3000円ほどです。お子さん1人につき毎月2万円徴収すれば、減収分をほぼカバーできます。お二人から言いづらければ、お嬢さんとは面識があるので、私の方からお話しします」

指摘を受け、なるほど、第三者ならではの合理的な提案だと感じました。親にとって子供はいくつになっても子供。正直、そんなことは考えもしませんでした。同時に、わが家の子供たちなら協力してくれるだろうという自信もありました。

住宅ローンの更新は「固定or変動」の2択ではなかった⁉

住宅ローンについては「今のローンを固定にするか変動にするのかの二択ではなく、借り換えという第三の選択肢もあります。今は10年前に比べて低金利で使いやすいローンも増えています」と助言されました。この指摘も、私たちにとっては目からウロコでした。

川端さんによれば、借り換えの手数料を負担しても借り換えた方が有利になる基準は「①ローン残高1000万円以上、②ローンの残期間が10年以上、③金利差1%以上」だそうです。③の金利差については0.5%あれば計算上は総返済額が減ることになると、エクセルシートを見せながら丁寧に説明してくれました。

その上で提案されたのが、勤務先を買収したIT企業グループが提携する金融機関のローンへの借り換えです。固定金利で0.5%という破格の条件で、川端さんの試算によると、借り換えによって月々の返済額も2万円以上減らせることが分かりました。

「このグループの傘下に入ってからろくなことがないと思っていましたが、初めていいことがありました」と言うと、川端さんは破顔一笑してこう付け加えました。

使えるものは使う精神で、賢く解決を!

「提携住宅ローンだけではありませんよ。適用金利が2%の社内預金も用意されています。企業型DC(確定拠出年金)はもう始めていらっしゃると思いますが、家計に余裕が出てきたら、自分で拠出金を追加するマッチング拠出を検討されてもいいでしょう」

川端さんには親会社の社員の顧客が何人かいるとのことで、保養所やスポーツクラブなどの福利厚生についても詳しく教えてくれました。買収前の会社は町工場に毛が生えたようなもので福利厚生らしきものはほとんどなかったため、新鮮な驚きでした。

「槇原さんは何でも自分たちだけで解決しようとしていませんか? 今の時代は、身内も会社も使えるものは何でも使う精神が大事です。国や自治体、会社にいくら有利な制度があっても、自分で調べて申請しないと使えません。だから私はこんなサイトを立ち上げているんです」

そう話しながら川端さんが見せてくれたパソコンの画面には、「Make use of whatever is available!」の文字の下に数え切れないほどの補助金や助成金の紹介が並んでいました。

何だか、川端さんのことが“福の神”のように見えてきました。早速、会社で住宅ローンの借り換えと社内預金の利用の手続きを済ませました。

福利厚生のことで少しばかり会社を見直したせいか、仕事に対する心持ちも変わってきたように思います。これまでは親会社による業務のIT化の押し付けに嫌悪感しかありませんでしたが、「使えるものはうまく使って働きやすくなればいい」と、新しい知識を得ることに前向きになりました。

***
 

妻や娘は時々川端さんのサイトをのぞいては、お得な情報を探しているようです。

先日、私と同じ頃にマイホームを購入した職場の後輩から「川端さんも使ってましたよね」と10年固定金利ローンに関する相談を受けた時には、すぐに川端さんを紹介しました。“福の神”を独り占めしようなどと不埒なことを考えたらバチが当たります(笑)。

川端さんには、末永くわが家の守り神であっていただきたいと思います。

※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。

Finasee編集部

金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。

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