現行NISAから新NISAへの「切り替え」はどうなる? 年内に必要な手続きは…
Finasee / 2023年11月7日 11時0分
Finasee(フィナシー)
2024年の新NISA制度スタートまで、あと少し。ところで、新NISAの開始に向けて、2023年のうちに必要な準備はあるのでしょうか? 本記事では、現行NISAから新NISAへの切り替えや手続きについて、「証券口座」と「積立設定」の2つに切り分けて解説していきます。
現行NISAを使っている場合、新NISAの口座開設はどうなる?まずは「証券口座」について。2023年現在、すでにNISA口座(一般NISAまたはつみたてNISA)を持っている方。結論から言うと……何もしなくても、現在使っている証券会社で、2024年から新NISA口座が開設されます。そのため、「新NISA制度を使うために、口座開設とかの手続きは必要なの?」といった心配は不要です。
少なくとも、楽天証券・マネックス証券・SBI証券のネット証券3社においては上記の対応がホームページにも明記されています。
積立設定に関する手続きは?次に、「積立設定」について。こちらは先ほどと違って、「証券会社により対応が異なる」が答えとなります。
楽天証券であれば、2023年11月13日から新NISAの積立設定の予約がスタートします。楽天証券のホームページを見ると、以下のような記載があります。
なお、当サービスで事前予約をしない場合でも、現行NISAの積立設定は12/31時点の設定内容で新NISAへ自動で引き継がれます(NISA対象外銘柄を除く)。
つみたてNISAの積立設定はNISAつみたて投資枠へ、一般NISAの積立設定はNISA成長投資枠に引き継がれます。
積立設定の内容を変更しない場合は、予約は不要です。1月以降いつでも積立設定の見直しは可能です。
出所:楽天証券株式会社「11月13日(月)より、2024年1月分の新NISA対応の積立設定の受付を開始いたします!」
例えば2023年現在、楽天証券で「つみたてNISA」の口座を持っており、すでに積立設定をしている場合。2023年12月31日までに設定変更をしない限り、2024年以降は新NISA口座で「引き続き同じ商品を、同じ金額だけ買う」ことになります。ちなみに、積立設定している商品が「新NISA対象外銘柄」であれば、2024年以降は自動購入されません。
つまり、先ほどの証券口座の話と同じで、特に何もしなくても、基本的には「今やっている投資はそのまま新NISAで続けられる」と考えて良いでしょう。
ネット証券の「積立設定」への対応を確認!先ほどの楽天証券のケースでもう少しだけ細かく言うと、
・「つみたてNISA」を使っている人は、現在の積立設定(毎月どの商品をいくら買うか)が新NISAの「つみたて投資枠」に引き継がれる
・「一般NISA」を使っている人は、現在の積立設定が新NISAの「成長投資枠」に引き継がれる
となります。では、楽天証券以外の証券会社はどのような動きになるのでしょうか。
SBI証券の場合ここでネット証券会社として人気のSBI証券のホームページを見ると、同じような対応になる旨の記載があります。
2023年のNISA口座で登録されている投信積立設定を一定のルールに基づき新NISA口座に自動で引き継ぎます。
出所:株式会社SBI証券「11/18(土)受付開始予定!2024年からの新NISAでの投信積立に関する変更点、画面操作方法について」
上記の通り、SBI証券では、2023年11月18日より新NISAの積立設定が可能となる旨が明記されています。
マネックス証券の場合さらに、マネックス証券も同様に、HPの記載を確認してみます。
新NISAでの投信つみたてのお申込み開始は2023年12月下旬を予定しております。
なお、現行NISA(一般NISA・つみたてNISA)で投信つみたての設定がある場合は、自動的に現在の設定が新NISA口座に引き継がれます(※)ので、再度の設定操作は不要です。(※)新NISAの対象外ファンドは除きます。
出所:マネックス証券株式会社「新NISAでの投信つみたての設定はいつからできますか?」
やはりSBI証券・マネックス証券も楽天証券と同じで、「すでにつみたてNISAや一般NISAを使っていて、定期的に投資信託を買っている人。あなたは、今の設定が新NISAでも引き継がれますよ」という対応になるようです。
***3社の積立設定をまとめると、
・楽天証券は、2023年11月13日から新NISAの積立設定ができる
・SBI証券は、2023年11月18日から新NISAの積立設定ができる
・マネックス証券は、2023年12月下旬から新NISAの積立設定ができる
となります(2023年10月14日現在)。
現行NISAを利用してれば、年内の手続きは基本的に“不要”2023年中に一般NISA・つみたてNISAのどちらかの口座を開設しておけば……特に手続き不要で、同じ証券会社で新NISAをスタートできます。したがって、2023年内に済ませたい準備は「とりあえず一般NISAかつみたてNISAをやってみる」こと。特につみたてNISAは少額で初心者向けなので、練習の意味でもぜひ触れておきたいところです。
一方、すでにNISAでの投資経験がある方は、基本的には準備も不要。新NISAの積立設定について、現時点で対応が未定の証券会社もありますが……基本的には「現在の積立設定は、新NISAでも引き継がれる」ためです。
しかしこれは逆に考えると、「2023年末までに新NISAの積立設定をしておかないと、せっかくの新NISAなのに今と同じ投資しかできない!」とも言えます。
2023年までの「つみたてNISA」では、年間40万円(月3万3333円)まで投資できます。一方、2024年からの新NISAでの「つみたて投資枠」では、投資できる額が年120万円(月10万円)まで拡大します。
せっかくこれほど大幅な投資枠の拡大があるなら、収支に余裕のある方は、できれば2024年から積立額を増やすこともぜひ検討したいところです。そのため、最速で新NISAのスタートダッシュを切り、かつ最大限に活用するためには、「2023年12月末までに、新NISAの積立設定を済ませておく」という行動がベストになるのです。
ここまでの話をまとめると……すでにつみたてNISAの口座を持つ人は、
・2024年になったら、新NISA口座が開設される
・2024年以降、新NISAの「つみたて投資枠」で、今買っている商品がそのまま毎月購入される
となります。そのため、一般NISA・つみたてNISAをやっている人は、新NISAに向けての準備は不要。基本的に、特に何もせず放置でOKですが、積立金額を変えたい方は、2023年内の設定変更が必要となります。
例外的に年内の手続きがマストな人も!ところで、先ほどの「一般NISA・つみたてNISAをやっている人は、新NISAに向けて“基本的に”放置でOK」とお伝えしましたが、「放置しない方が良いパターン」について、最後に2つお伝えします。
①新NISA以降で投資額や投資する商品を変更したい場合1つは、2024年の新NISAから、投資額や投資する商品を変えたい場合。まず、先ほどの説明のとおり、新NISAでは以下のように投資上限が変更となります。
・2023年までのつみたてNISA:年間40万円(月額3万3333円)
・2024年スタートの新NISA(つみたて投資枠):年間120万円(月額10万円)
したがって、「上限があがるし、毎月の投資額を月5万円まで増やしてみるか!」と思っているのであれば、投資額の変更手続きが必要です。そして投資する商品を変えたい場合も、同じく変更が必要です。
すでに一般NISAやつみたてNISAに取り組んでいる場合……このまま放置すると、2024年以降も「今とまったく同じ商品を、同じ額だけ」毎月購入することになります。それで問題なければ放置、見直したいなら証券会社にて変更手続き、という考え方です。
②証券会社を変更したい場合そして、「放置しない方が良いパターン」の2つ目。それは、新NISAを使う証券会社を変えたい! というケースです。
2024年から現在と別の証券会社で新NISAを始めたい場合、【2023年10月1日~2023年12月末】までに手続きが必要です。
この証券会社変更の手続きは、けっこう複雑なので、個人的にあまりオススメはしません。ですが、新NISAは非課税期間が無期限化され、おそらく一生の付き合いになります。そのため、「今後のメリットや使い勝手を考えると、どうしても別の証券会社で新NISAをスタートしたい!」という場合、早めの行動が必要となります。
浅見 陽輔/銀行員・証券アナリスト
大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科を卒業後、2013年に銀行に就職。10年のキャリアで、投資運用、リスク管理、法人・個人向け融資、システム部門を経験。証券アナリスト、FP2級、簿記2級、税務上級など20種類の金融系資格を保有。趣味は優待株投資と筋トレ。本業の傍ら、Kindle(電子書籍)作家としても活動中。代表作に『図解 新NISA』『トクする株主優待の選び方』『最後のジュニアNISA』『絶対に続く筋トレ』などがある。Twitterアカウントは【@you_def】。
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