1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

中国を抜いて人口世界一に 「高成長インド・中型株式ファンド」に集まる熱視線

Finasee / 2023年10月27日 18時0分

中国を抜いて人口世界一に 「高成長インド・中型株式ファンド」に集まる熱視線

Finasee(フィナシー)

人気で募集を一時停止した話題のファンド

高成長インド・中型株式ファンドが人気化しています。2022年末では806億円だった純資産総額は2023年8月末で2198億円へと急増しました。運用する三井住友DSアセットマネジメントは急激な資金流入を受け、同年9月から新規購入の受け付けを一時停止しています。

【純資産総額と基準価額】

出所:三井住友DSアセットマネジメントより著者作成

なぜ高成長インド・中型株式ファンドは急に資金が集まったのでしょうか。理由を探りましょう。

人口世界一のニュースで話題

高成長インド・中型株式ファンドが人気化したのは、インドの人口世界一のニュースを好感したためだと思われます。

主要な報道機関は2023年に入り、インドの人口が中国を抜き世界最多となったと報じました。国連人口基金(UNFPA)も同年4月、2023年半ばにインドの人口が中国を超えるとの推計を公表しています。

【人口の状況(2023年半ば時点の予測)】

  総人口  0~14歳   15~64歳   65歳以上   インド   14億2860万人 25% 68% 7%  中国 14億2570万人 17% 69% 14%  日本 1億2330万人 11% 58% 30%

出所:国連人口基金 世界人口白書2023

インドは若年層の割合が比較的高く、人口増加は今後も続くことが予測されます。調査機関のワールド・ポピュレーション・レビューは2050年までの人口増加数の首位をインドと予想しています。

【2050年までの人口増加数 上位5か国】

  2022 年  2050年  増加数  インド  14億1717万人  16億7049万人  +2億5332万人  ナイジェリア 2億1854万人 3億7746万人 +1億5892万人  パキスタン 2億3582万人 3億6781万人 +1億3198万人  コンゴ民主共和国  9901万人 2億1749万人 +1億1848万人  エチオピア 1億2338万人 2億1481万人 +9143万人

出所:ワールド・ポピュレーション・レビュー

経済成長への期待と好調な株式市場が資金を呼び込む

インド株式が好調な点も人気の理由だと考えられます。

近年のインド株式のパフォーマンスは良好でした。代表的な株式指数であるSENSEX30は、2023年9月末で65828.41ポイントと3年前(38067.93ポイント)から約80%上昇しています。インドルピーも同じ期間に対円でおよそ26%値上がりしました。高成長・インド中型株式ファンドも、2023年9月末時点で1年リターンが17%、3年リターンが129%と良好な成績を残しています。

【インドSENSEX30(月足、2020年9月~2023年9月)】

出所:Investing.comより著者作成

【インドルピー円(月足終値、2020年9月~2023年9月)】

出所:Investing.comより著者作成

好パフォーマンスの背景には経済成長への期待があると考えられます。IMFは世界経済見通し(2023年)において、インドの実質GDP成長率は2028年まで6%台が続くと予想しました。世界全体(3%前後)の2倍の早さで成長する計算です。

【実質GDP成長率の予測】

出所:IMF 世界経済見通し(2023年10月)より著者作成インド現地の金融グループが運用 リスクは高め

高成長・インド中型株式ファンドの実質的な運用者はコタック・マヒンドラ・グループです。インドのコタック・マヒンドラ銀行を中核に持つ大手金融グループで、傘下には運用会社のほか証券会社や保険会社などを抱えています。インド株式の運用において心強い存在といえるでしょう。

ただしリスクは比較的高いと考えられます。一般に海外株式は国内株式よりリスクが高く、特に先進国よりも新興国でその傾向があります。高成長・インド中型株式ファンドは地域の分散もなくインドだけに投資するため、値動きは大きくなることが予想されます。

株式規模の小ささもリスク要因です。高成長・インド中型株式ファンドは時価総額上位51位~350位の中型株式を主要投資対象としています。基本的に値動きは大型株式よりも中小型の株式で大きくなることから、高成長・インド中型株式ファンドは主要企業30社で構成されるインドSENSEX30よりも大きな値動きが生じる可能性があります。

つまり、新興国のインドだけに投資し、しかも中型株式へ集中的に投資する高成長・インド中型株式ファンドは比較的リスクが高い銘柄といえます。より積極的に運用したい人の選択肢にはなっても、安定的に運用したい人には向かないでしょう。投資の判断は慎重に行うようおすすめします。

なお高成長・インド中型株式ファンドは2023年9月から新規の申し込みを一時停止しています。

【高成長インド・中型株式ファンドの概要】

 運用会社  三井住友DSアセットマネジメント   設定日  2011年8月31日  信託期間  2027年3月1日まで  販売手数料(最大、税込み)   3.85%  信託報酬(税込み)  2.0505%  信託財産留保額  0.3%

 

執筆/若山卓也(フィナシー/Ma-Do 投資信託研究会)

Finasee編集部

金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください