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イスラエル攻撃で止まぬ原油価格の上昇… 株価への影響と米国の関連銘柄は?

Finasee / 2023年10月27日 17時0分

イスラエル攻撃で止まぬ原油価格の上昇… 株価への影響と米国の関連銘柄は?

Finasee(フィナシー)

ロシアとウクライナに続き、イスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃により、原油価格が上昇しています。この記事では、原油価格が株価や経済に与える影響や、米国の原油関連企業について解説します。

原油価格が上昇

10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃は、原油価格を押し上げました。

国際的な原油の先物価格は、イスラエルへの攻撃とイスラエル軍の報復作戦の影響を受け、週明けの9日(月)に前営業日比4%高の86ドルまで上昇したのです。

今回のハマスの攻撃にはイランの関与も注目されており、原油価格の上昇に寄与しています。イスラエルとパレスチナは主要な産油地域ではありませんが、イランの関与が確認されれば、原油供給に制約が生じる可能性もあるからです。ただ、サウジアラビアは原油価格の高騰に備えて増産の準備を進めています。今後は世界有数の産油国であるサウジアラビアやUAEの動向に注目です。

欧州や米国では、原油高に伴い燃料の小売価格が上昇しています。もし原油価格が長期間にわたって上昇し、節目の1バレル100ドルを超えれば、各国は物価上昇を抑えるために大幅な利上げを進める必要があります。

この状況はインフレ懸念を高めるものです。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、エネルギー価格の高止まりが消費に影響を与え、消費者の物価予想にも波及する可能性があると語りました。各国は燃料税引き下げなどの財政措置を検討して、消費者の負担を軽減する方策を模索するでしょう。燃料価格の上昇は来年の米大統領選挙にも影響を与える重要な問題となっています。バイデン大統領は価格引き下げを約束していますが、具体的な方法についてはまだ言及していません。

原油価格と株価

日々の原油価格の動向が株式市場に大きな影響を与えることはありませんが、価格が大きく変動すると注意が必要です。大きく上昇するとインフレや地政学リスクが高まり、大きく下落すると景気減速が懸念されるからです。また、世界的な新型コロナウイルスの影響で、2020年4月には異常な状況が発生しました。原油価格がマイナスになり、市場に驚きをもたらしたからです。原油価格のマイナスは一時的なものでしたが、原油需要が一気に減少し、石油の保管コストの上昇が懸念され結果、原油価格のマイナスという事態を招いたのです。

米国の原油関連銘柄

原油価格が上昇すると、石油・エネルギー関連銘柄が上昇しやすくなります。石油・エネルギー産業は産業の中心であり、特に米国は石油大国として有名です。米国にはエクソン・モービルやシェブロンなどの石油メジャーがあり、シェールオイルの増産により世界最大の原油生産国になりました。

石油メジャーは石油産業を独占し、採掘から販売までを一貫して行っています。また、独立系の石油会社もシェールオイル・ガスの開発に注力しています。ただし、アジアの産油国やロシアの国営石油会社などの存在感が増し、石油メジャーの影響力は相対的に低下しています。

それでは、米国の原油関連銘柄を2つ紹介します(株価は10月20日時点)。

■シェブロン(CVX)
株価  166.83ドル

シェブロンは米国の石油関連企業で、世界の石油業界のスーパーメジャーの一社です。カリフォルニア州に本社を置き、石油やエネルギー製品を扱っています。NYダウ工業株30種平均指数採用銘柄で、米国を代表する企業といえます。

上流事業では、原油や天然ガスの探鉱・生産・輸送を行い、下流事業では、石油製品の精製・販売や再生可能燃料の製造・販売を手がけています。持続可能でクリーンなエネルギーの実現に注力し、低炭素事業の成長に力を入れているのです。

■エクソン・モービル(XOM)
株価 111.08ドル

エクソン・モービルは、米国の総合エネルギー企業で、スーパーメジャーの一社です。テキサス州に本社を置く石油メジャー最大手であり、エネルギー関連事業に従事しています。また、石油化学品の製造や発電事業にも注力しています。

最近、エクソン・モービルはシェール大手のパイオニア・ナチュラル・リソーシズを買収することを発表し、化石燃料への投資を強化しました。この決断は、化石燃料の需要が長期的に安定しているという冷静な戦略に基づいています。エクソンの最高経営責任者は、買収によって地下資源をより効率的に生産し、消費者に提供すると述べています。

エクソン・モービルは、2024年までにパイオニア・ナチュラル・リソーシズの買収を完了し、石油・天然ガスの生産量を大幅に増やす計画です。また、シェール開発の比率を上昇させ、生産・投資効率を高めることで、10年間にわたって相乗効果を見込んでいます。

この投資は脱炭素の風潮に対する逆張りのように見えるかもしれませんが、エクソン・モービルは将来の需要に対応するために冷静な判断を下しています。化石燃料はまだ長い期間にわたって必要とされると見込まれており、エクソン・モービルは、その需要を満たすために積極的な戦略を展開しているのです。

執筆/山下耕太郎(フィナシー/Ma-Do 投資信託研究会)

Finasee編集部

金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。

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