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「右胸に違和感…」40代おひとりさま女性が独立開業、軌道に乗った直後に発覚した体の異変

Finasee / 2023年11月16日 11時0分

「右胸に違和感…」40代おひとりさま女性が独立開業、軌道に乗った直後に発覚した体の異変

Finasee(フィナシー)

ファイナンシャルプランナーの筆者のもとに、おひとりさまの女性(48歳)が相談に来られました。フリーランスになって5年。ようやく安定した収入が得られるようになってきた頃に、乳がんが発覚したとのこと。「できれば仕事を続けたい」という相談者に、同じくフリーランスで乳がん経験のある筆者が、仕事と治療の両立についてアドバイスしました。

<相談者プロフィール>

・吉田敦子さん(48歳・仮名)
・独身、関西地方在住
・行政書士
・年収380万円
・貯蓄:500万円(現預金)、iDeCo(個人型確定拠出年金)80万円

***
 

ご相談者の敦子さんは、大学卒業から43歳までの約20年間、人材派遣会社で正社員として働いていました。当時同世代の女性と比べて申し分ない収入を得てはいたけれど、営業の仕事は激務。

果てしないクレームの対応に追われる毎日に、「このままでは心が病んでしまう」と、同僚のキャリアコンサルタントに話を聞いてもらったそうです。

同僚からの助言で気付いた“本当にしたい仕事”

「敦子さんが本当にしたい仕事は、営業なの?」

相談した同僚からそう聞かれて、敦子さんはハッと目が覚めた気がしました。

そこで“本当にしたい仕事”について考えてみると、子どもの頃に父親の仕事の関係でベトナムに滞在した思い出が蘇ってきました。当時、海外生活が初めてだった敦子さんに、現地の人たちがとても優しく接してくれたのです。

「日本で働く外国人の仕事や暮らしを助けたい。採用のサポートにも従事したい」

本当やりたい仕事が明確になった瞬間でした。

取得した資格を勤務先で活かせると思ったら…

敦子さんは、日本に滞在する外国人の雇用や生活をサポートするという目標のために、行政書士の資格取得を決意します。忙しい日々の合間を縫って、試験勉強に取り組みました。

そうして、在職中3回目のチャレンジで、やっと取得した行政書士資格。「勤務先で活かせるかも」とワクワクしながら上司に報告した結果、返ってきたのは「うちはプロに任せているから」と素っ気ない回答でした。

今思えば、就労ビザなど外国人採用の手続きはややこしく、資格を取ったとはいえ経験のない素人が対処できる内容ではないと分かります。しかし、敦子さんの悔しさはそう簡単に拭えません。

そこで、「せっかく苦労して取得した資格を眠らせておくのはもったいない! クレーム対応ではなく、やっぱり“心が喜ぶ仕事”をして生きていこう」と、約20年勤めた会社を辞めることに。その後、独立開業する道を選びました。

「なんで今?」突然のがん発覚が招いた仕事の危機

仕事として成り立つかどうかの算段もないまま、無謀にも行政書士事務所を開業した敦子さん。それでも、関わる人たちに熱い思いが伝わったのか、少しずつ仕事が増えていきました。

しかし、独立開業から5年たち、ある衝撃的な出来事が起こります。やっと仕事が面白くなってきた途端に、「乳がん」が発覚したのです。

乳がんは、唯一自分で見つけられる「がん」だと言われています。敦子さんも、寝返りを打ったときに右胸に違和感を覚え、恐る恐る受診した病院で悪性のしこりが見つかりました。

「なんでよりによって、今なん……?」

突然のがん宣告。不安で押しつぶされそうな気持ちを誰にも話せず、ひとり暮らしの家でひとしきり泣いたそうです。

筆者も12年前に、がん告知を受けました。泣きこそしませんでしたが、「人生終わったな……」と思いました。突然のがん告知は、心も頭も思考停止してしまいます。これからの人生が全く想像できず、マンホールのふたのような分厚い重りが、心にのしかかったように感じられるのです。

医師から言われた思いがけない言葉

がんになったら働けない。そう思いがちですが、現在のがん治療は入院日数が短縮されて通院治療にシフトしていることから、今まで通りは難しくとも、工夫をしながらであれば働き続けられるようになってきました。

そのような背景もあって、医師から「仕事は辞めないでね」と言われた敦子さん。

一度は諦めかけた「仕事と暮らしを守りたい」という思いが、むくむくと湧きあがってきました。敦子さんは、治療を受けながら仕事を続ける道を探ることを決意します。

●病気が発覚しても、仕事と暮らしを諦めたくない。その時考えられる課題と解決方法とは? 後編【“病気治療と仕事の両立”を決意した40代おひとりさま女性…目標実現を支えた2つの対策】で詳説します。

辻本 由香/つじもとFP事務所代表・一般社団法人WINK理事

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、相続手続カウンセラー、50代からのくらし(医・職・住)と資産を守るファイナンシャルプランナー。おひとりさま・おふたりさま×特有の課題・お金の問題の事例などが得意分野。企業の会計や大手金融機関での営業を経て、2015年に、保険や金融商品を販売しないFP事務所を開業。個別相談の他、企業・病院・大学などでの講演も行っている。

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