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お金、人間関係……尽きない「老後の悩み」と向き合うとき絶対してはいけないこと

Finasee / 2023年12月11日 11時0分

お金、人間関係……尽きない「老後の悩み」と向き合うとき絶対してはいけないこと

Finasee(フィナシー)

人生100年時代といわれる現代、定年後も雇用延長で働く人が増え、働き方の選択肢も増える一方です。そんな時代にあって、働き盛り世代の会社員には老後に対して不安をかかえる人は少なくないようです。

話題の書籍『脱 定年時代の歩き方』では、従来の定年の考え方に縛られず、将来の不安に備えて幸せな老後生活を手に入れるノウハウについて、老後問題解決コンサルタントの横手彰太氏が解説。今回は、本書冒頭の「プロローグ」、序章「脱・定年時代を生き抜くための7つのヒント」の一部を特別に公開します。(全3回)

●第2回:明治時代に始まった「定年制」に縛られなくていい…! 日本人に必要な「脱・定年時代」の歩き方

※本稿は、横手彰太著『脱 定年時代の歩き方』(Gakken)の一部を再編集したものです。

自分がコントロールできないことで悩まない

脱・定年時代の生き方を実現するためには、「できることしかやらない」と決めることも大切です。あなたが今50歳なら、70歳まで7200日。「あれも、これも」と手を出す時間がないからです。

効率優先主義のように聞こえますが、実際には効果優先主義です。効率を優先するからムダなことをやらないのではなく、自分がコントロールできない心配事に対してやきもきせず、はじめからパスをするのです。

自分がコントロールできないことは、以下のような心配です。

・大地震で首都が崩壊してしまう心配
・経済政策の失敗で年金が枯渇する心配
・超高齢社会が100年続く心配
・地球温暖化が著しく進行してしまう心配

一方で、自分でコントロールできる心配とは、以下のような心配です。

・生活習慣病になってしまう心配
・親の介護で振り回される心配
・夫婦仲が悪くなって熟年離婚をする心配

まじめな人ほど心配性です。でも、このように「心配しても仕方がないことは心配しない」と割り切るだけで、気持ちがぐっと楽になるのではないでしょうか。

「お金を増やすこと」 を人生の目的にしない

それでは、お金の心配はどちらでしょうか。

老後問題解決コンサルタントとして活動していると、セミナーでよく以下のような質問を受けます。

「退職金を増やす方法を教えてください」
「絶対に失敗しない投資の方法はありますか」
「老後の資金は何千万円あれば大丈夫ですか」

総じて、お金に関する悩みが多いようです。遺産相続や認知症、介護の悩みなども、お金の話とは無関係ではありません。

いわゆる「老後資金2000万円問題」が話題になってから、ますますその傾向に拍車がかかっているようです。

この問題のきっかけは、金融庁が報告書を発表したことがきっかけでした。この報告書によると、無職で年金だけで生活している高齢夫婦の毎月の赤字額を約5万円と見積もると、20年で約1300万円、30年で約2000万円足りなくなるわけです。

確かに計算上は間違いではありませんが、逆に毎月5万円稼げば(節約すれば)老後資金が不足することはありません。お金がないよりあったほうが安心なのは確かでしょう。資産家であれば悠々自適の老後生活を送れる可能性が高いのも事実です。

しかし、(私自身もふくめて)大多数の人が手元にある資産を運用するだけで左うちわで暮らしていけるわけではありません。

目前の損得に一喜一憂するのはやめましょう。お金を管理することは大切ですし、無理のない範囲で投資をするのも有益です。しかし、お金を増やすことを人生の目的にするのは味気ないものです。息を引きとるときに札束しか残らない人生が幸せでしょうか。

最も有益なお金の使いみちは、自分や自分の家族に投資することです。

あなたがまだ40代や50代なら、あなた自身の価値を高めるためにお金を使ってください。恋人や配偶者、子どもなど、大切な人がそばにいるなら、その人と一緒に過ごす時間のためにお金をつぎ込んでください。

自分への投資も、大切な人への投資も、いつか必ず「思い出の配当」となってあなたの手元に返ってきます。

「縦の関係」から新たな「横の関係を目指す」

「脱・定年時代」を実現するためには、もう一つ重要なことがあります。人間関係を見直して、再構築することです。

仕事でも家庭でも、地域社会のネットワークでも、これからは年功序列や役職の上下関係を大切にする「縦の関係」は崩れ、「横の関係」が主流になるはずです。

今後、「縦の関係」にありがちな、下の立場の人に命令したり、上の立場の人に服従したりすることもなくなります。

この「横の関係」は、心理学者アルフレッド・アドラーが提唱したものです。アドラーの心理学においては、親子のコミュニケーションは信頼や尊敬、協力などの「横の関係」でつながっていると考えられています。

親子の間柄における「縦の関係」とは、親が子どもに命令したり干渉したりすることを指します。「心配だから」「未熟だから」という理由で、親が子どもにあれこれ指示を与えれば、子どもが自分で考えて行動することができません。

子どもが指示通りに行動できなければ、イライラしたり心配したりした親が先回りをして手助けしてしまうので結果的に子どもの成長の機会を奪ってしまうのです。

『脱 定年時代の歩き方』

発行所:Gakken
定価:1,760円(税込)

横手彰太
老後問題解決コンサルタント、家族信託エキスパート

1972年生まれ、中央大学経済学部卒。ABCマート、ニセコで飲食店経営、不動産会社の日本財託を経て、現在は、スタートアップのファミトラにて家族信託エキスパートとして従事。著書に『認知症になる前に知っておきたいお金の話』(ダイヤモンド社)、『老後の年表』(かんき出版)、『頭語の心配まるごと解決ノート』(宝島社)、『脱 定年時代の歩き方』(Gakken)がある。

Finasee編集部

「インベストメント・チェーンの高度化を促し、Financial Well-Beingの実現に貢献」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAやiDeCo、企業型DCといった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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