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純利益1兆円突破! バフェット効果で注目の三井物産

Finasee / 2023年11月14日 17時0分

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Finasee(フィナシー)

近年の株式市場で堅調なセクターが総合商社株です。三井物産はほぼ右肩上がりに上昇し、株価は3年前の3倍以上に到達しています。業績も好調で2022年度の決算は最高益を更新しました。

【三井物産の業績】

  売上高 純利益  2022年3月期  11兆7576億円 9147億円  2023年3月期   14兆3064億円   1兆1306億円  2024年3月期(予想)  非開示 9400億円

※2024年3月期(予想)は同第2四半期時点における同社の予想

出所:三井物産 決算短信

【三井物産の株価(月足、2020年10月~2023年10月)】

出所:Investing.comより著者作成

三井物産は収益性の高さから「JPXプライム150指数」の構成銘柄に選ばれています。事業内容や業績をチェックし、三井物産の魅力を探ってみましょう。

五大商社の一角 純利益1兆円は業界初 

三井物産は総合商社の大手です。三井家で創業された貿易会社を祖に持ちますが、旧三井物産は戦後GHQによって解体されました。今の三井物産は1947年に設立された企業です。複数に分かれていた旧三井物産系の企業を再び吸収し、現在の姿となりました。

三井物産は世界中で資源の開発を行っています。特に原油や鉄鉱石の生産権益は総合商社でトップクラスといわれています。ほかに電力や化学製品、鉄鋼製品や金融商品といった多種多様な商品・サービスの開発や販売を手掛けています。

2022年度は資源価格の高騰が業績を押し上げ、最終利益が1兆円を突破しました。純利益1兆円は総合商社で初めてとみられています。ただし純利益の額は、後日に決算を発表した三菱商事に抜かれることとなりました。

【五大商社の純利益ランキング(2023年3月期)】
・三菱商事:1兆1807億円
・三井物産:1兆1306億円
・伊藤忠商事:8005億円
・住友商事:5652億円
・丸紅:5430億円
※いずれも国際会計基準

出所:各社の決算短信より

複雑なビジネスモデル 7つのセグメントを紹介

総合商社は海外にない日本独自のビジネスモデルといわれています。事業領域が非常に広く、業界の垣根を超えさまざまな商品やサービスを横断的に取り扱います。そのためか、三井物産のような総合商社は事業内容がわかりにくいとよくいわれます。

商社とは企業活動をサポートする業態です。原材料や製品の調達を代行したり、企業間の取引を調整したりするのが主な業務です。商社のうち非常に多品種を取り扱うものを総合商社と呼び、特に規模の大きい5社(三井物産、三菱商事、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)を五大商社と呼びます。

多くの商材を扱うだけでなく、自ら開発する点も総合商社の特徴です。三井物産は金属や石油、電力などの資源開発が主力となっています。また化学製品や鉄鋼製品といった工業品の生産や、REIT(不動産上場投資信託)やデジタル証券といった金融商品の開発も手掛けています。

【セグメントの状況(2023年3月期)】

  主な取扱商品、サービス   セグメント利益   金属資源  鉄鉱石、石炭、銅、ニッケル 4388億円  エネルギー  石油、天然ガス、LNG、石油製品 3094億円  機械・インフラ  電力、海洋エネルギー、ガス配給 1719億円  化学品  石油化学原料・製品、無機原料・製品  709億円  鉄鋼製品  インフラ鋼材、自動車部品 225億円  生活産業  食料、ファッション、ヘルスケア 548億円  次世代・機能推進   アセットマネジメント、リース、保険 667億円

出所:三井物産 有価証券報告書および決算短信

バフェットも投資!商社株の魅力とは

三井物産などの商社株は、ウォーレン・バフェット氏が投資することでも有名です。

バフェット氏は「投資の神様」とも称される著名投資家です。2020年8月に五大商社株に投資し話題を集めました。その後も断続的に買い増しを続けており、2023年6月にはうち4社で保有比率が8%を超えたと発表しています。

バフェット氏の投資が判明してからの五大商社株は好調です。いずれも右肩上がりに上昇しており、株式は投資が判明した2020年8月の2~3倍の価格で取引されています。

【五大商社の株価(月足終値、2020年7月~2023年10月)】

出所:Investing.comより著者作成

バフェット氏はなぜ商社株に投資するのでしょうか。氏は株価が割安に放置された企業に投資する「バリュー投資」の名手と知られます。商社株は企業価値に対し株価が割安だと判断し、投資を決めたのかもしれません。

三井物産の割安度をPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)で測ってみましょう。2023年10月末の株価(5417円)と2022年度の業績で算出したところ、PERはプライム市場平均を大きく下回った一方、PBRは同水準となりました。株価の上昇で割安度が薄れつつありますが、利益に対する株価はまだ割安といえそうです。

【三井物産のPERとPBR】

    三井物産   (参考)
 プライム市場平均 
 PER 7.5倍 16.5倍  PBR  1.3倍 1.3倍

※株価は2023年10月末終値、純利益および純資産は2023年3月期時点
※プライム市場平均は2023年10月(連結、加重平均)

出所:三井物産 決算短信、日本取引所グループ その他統計資料

高い収益性も商社株の魅力でしょう。三井物産も選ばれたJPXプライム150指数は、抽出条件の一つにROE(自己資本利益率)を採用しています。三井物産のROEは2022年度で17.8%と、プライム市場平均(8.4%)を大きく上回りました。

【三井物産のROE(2023年3月期)】
・純資産:6兆3678億円
・純利益:1兆1306億円
・ROE:17.8%
・(参考)プライム市場平均ROE:8.36%
※純資産は親会社の所有者に帰属する持分

出所:三井物産 決算短信、日本取引所グループ 調査レポート

三井物産は事業内容から資源価格が業績に与える影響は大きく、今後も株価が堅調に推移するかは不透明です。しかしバフェット氏が商社株の買い増しを検討しているとの報道も伝わっています。商社株に投資する狙いは明らかではありませんが、追加投資が実現すれば三井物産はさらに株価が上昇するかもしれません。。

文/若山卓也(わかやまFPサービス)

若山 卓也/金融ライター/証券外務員1種

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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