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長寿化=年金を受給しながら20年弱の老後生活を送ること。その備えに必須のものは…

Finasee / 2023年11月28日 11時0分

長寿化=年金を受給しながら20年弱の老後生活を送ること。その備えに必須のものは…

Finasee(フィナシー)

<!--td {border: 1px solid #cccccc;}br {mso-data-placement:same-cell;}-->今注目の書籍の一部を公開して読みどころを紹介するシリーズ。今回は、「金融リテラシー」の真の理解につなげる書籍、三井住友トラスト・資産のミライ研究所著『安心ミライへの「金融教育」ガイドブックQ&A 「生きる力」を育む「金融リテラシー」の基本』の一部を特別に公開します。(全4回/本記事は第1回)。

※本記事は三井住友トラスト・資産のミライ研究所著『安心ミライへの「金融教育」ガイドブックQ&A 「生きる力」を育む「金融リテラシー」の基本』(金融財政事情研究会)から一部を抜粋・再編集したものです。

「金融リテラシー」とは「お金とのつきあい方、活用術」

「リテラシー(Literacy)」という言葉を耳にする機会が増えてきています。「リテラシー」のもともとの意味としては「読解力・記述力」という識字能力的な使われ方をしていたようですが、現代では「何らかのかたちで表現されたものを適切に理解・解釈」し、それらを「活用すること」の意味で使われていると思われます。

では、「金融リテラシー」とはどのようなことを指すのでしょうか。一般的には「金融商品やサービスの選択、生活設計などを適切に判断するために、最低限身に付けるべき金融や経済についての知識と判断力」だといわれています。お金は、それ自体が目的というよりも「個々人が個性的な人生を送るための暮らしの道具」と位置付けることができます。道具はその機能と扱い方を知れば、上手に活かすことが可能です。つまり、「金融商品やサービスといった道具を活かすための知識」が、「金融リテラシー」という言葉の本質的な意味だといえます。

 長寿化で拡がる「人生の可能性」と「必要となる備え」

金融リテラシーの必要性が高まってきている背景として、日本の長寿化があげられます。

国連人口基金(UNFPA)が発表した2022年版の世界人口白書によると、平均寿命が最も長い国は日本となっています(男女とも1位。ただし複数国あり)。足元の統計データでは日本の平均寿命は男性81.6歳、女性が87.7歳であり、現状は「人生85年時代」というところですが、「人生100年時代」に向かって進んでいる、世界のトップランナーであることは間違いありません【図表1】。

【図表1】日本の長寿化(拡大画像表示

(出所)1970年:厚生労働省「完全生命表」、2020年:厚生労働省「簡易生命表」、2060年:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果

では、人生85年時代から100年時代へと移行していく中で、個人にとってどのような変化が生じてくるのでしょうか。

ポイントは、長寿化によって拡がる「人生の可能性」と「必要となる備え」です。今から半世紀前(1970年)の日本の平均寿命は男性が69.3歳、女性が74.7歳でした。当時の定年年齢はおおよそ55歳でしたので、リタイア後の老後生活期間は、男性の場合、平均で15年弱でした。公的年金の支給開始年齢も60歳からでしたので、「55歳でリタイア、5年は自助で生活、60歳から 約10年、国の年金で生活」といったライフプラン(人生設計)だったと想定されます。

しかし現在では長寿化の進展によって、これまで以上に「挑戦したいこと」「続けたいこと」「実現したいこと」の選択肢が増え、可能性が拡がる一方で、「60~65歳でリタイア、65歳から国の年金支給開始を前提に20年弱の老後生活期間に備える」イメージに変わりつつあります。

ですから、今後の生活をより一層充実したものにするには、現在の生活の充実とともに、10年後、20年後、そして、もう少し長めの視点を持って、仕事・家庭・自分などを含めた人生設計=「ライフプラン」を考えていくことが大切になります。

また、ライフイベントには「お金・予算」の準備が必要なものが、かなりあります。それぞれのイベントを自分が思い描いたものに近づけていくために、早いうちから各イベントに取り組むための費用をイメージ(=「マネープラン」)し、その準備をしていくこと(=「資産形成」)が重要です。

お金の置き場所を考えてみる

「資産形成」を行うにあたっては、自身の「収入」と「支出」を把握し適切に管理していくことが重要です。適切な収支管理を行うことで、毎月どの程度、金融資産を形成していけるかの見通しを立てることができます。その見通した金額とライフプラン・マネープランを照らし合わせて、積み立てるお金をどこに置いておくかということを考えることが次のステップです。

お金の置き場所は、大きく分けて「貯蓄」と「投資」があり、その二つの違いを理解しておく必要があります。

「貯蓄」は「貯めて、蓄えること」であり、金融機関に預金や貯金をしてお金を蓄えておくことです。預入れた元本が減らないという確実性(元本保証)があり、基本的にはいつでも自由に引き出せるお金の置き方です。さらに預入れた対価として、利息を受け取ることができます。ただし、2023年の日本においては低金利政策の影響で預貯金の利率は非常に低く設定されているため、得られる金利は極めて少なくなっています。

「投資」は預金のようにお金をお金のまま置いておくのではなく、「お金と異なる資産」に形を変えて何らかの経済活動に資金を供給し、その成長の結果生み出された収益の一部を利益として受け取るという「お金の置き方」のことです。例えば、株式に投資をした場合、投資した会社が成長を続けていけば、短期的な下落局面はあったとしても長期的には株価が値上がりしていくと想定されます。このように期待値がプラスになると想定されるものにお金を振り向けていくのが「投資」の基本といえます。

●第2回【「投資は大変で難しいもの」は誤解! 世界経済の成長とともにお金を育てる方法】では、長期的に見て、なぜ世界株式への投資がメリットが大きいのかを解説します。

*** 

三井住友トラスト・資産のミライ研究所著『安心ミライへの「金融教育」ガイドブックQ&A 「生きる力」を育む「金融リテラシー」の基本』(金融財政事情研究会)

三井住友トラスト・資産のミライ研究所

人生100年時代において、一人ひとりが将来を安心して過ごすための資産形成・資産活用のあり方を中立的な立場で調査・研究し発信することを目的として、2019年 三井住友信託銀行に設置された組織。

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