新NISA目前! コスト引き下げ競争が相次ぐなか「eMAXIS Slim」は1位&3位に
Finasee / 2023年11月22日 16時0分
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Finasee(フィナシー)
新規設定の「ドナルド・スミス米国ディープバリュー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」が10月の資金流入額4位に
10月の新規設定本数は21本と9月の59 本から減少し、設定額も約640億円と9月の約1900億円から減少した。設定額が最も大きかったのは、「ドナルド・スミス米国ディープバリュー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」の約390億円だった。同ファンドの10月の資金流入額は約437億円となり、国内公募株式投資信託(ETF除く)の中で4番目の大きさとなっている。同ファンドは、米国の取引所に上場している株式のうち企業の本質的価値に比べて割安で投資価値が高いと判断される企業の株式に投資するアクティブファンドである。運用会社のドナルド・スミス・アンド・カンパニーは、1980年にドナルド・G・スミス氏によって創業されたバリュー株運用を専門とする独立系の運用会社である。2023年6月末時点で約4300億円(約29.5億ドル)の資産を運用している。同ファンドの「ディープバリューアプローチ戦略」では、「株価有形純資産倍率」の下位10%を対象にするため、エントリーポイントは一般的なバリュー投資に比べて割安になることが期待できる。株価有形純資産倍率と株価純資産倍率(PBR)の計算式は、以下の通り。
株価有形純資産倍率=株価÷一株あたり有形純資産
株価純資産倍率(PBR)=株価÷1株あたり純資産(有形固定資産+無形固定資産)
通常のPBRでは純資産(有形固定資産+無形固定資産)を用いるが、同ファンドは有形固定資産を対象にした「株価有形純資産倍率」を用いることにより、実物が存在する資産(現金や不動産、工場、有価証券等)に対して割安な銘柄を選別し、もっとも割安な下位10%の銘柄を投資対象とするのである。
米国株や全世界株を対象にしたインデックスファンドが純資産残高上位![](https://finasee.ismcdn.jp/mwimgs/0/6/800m/img_06cfabe55ba55667893fe9eb30397944514265.jpg)
10月も「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(約2兆6121億円)、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(約1兆5006億円)、「SBI・V・S&P500」(約1兆915億円)など、米国株や全世界株を対象にしたインデックスファンドの人気が高かった。ただ、それらのインデックスファンドには、低コストの新規設定が相次いでいる。10月27日には楽天投信投資顧問が「楽天・S&P500インデックス・ファンド」「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」を設定した。「楽天・S&P500インデックス・ファンド」の信託報酬は0.09372%(年率・税込)で、楽天証券で購入すると0.0341%のポイント還元を実施している。また、「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」の信託報酬は0.05775%(年率・税込)で、ポイント還元率は0.0175%としている。
さらに、11月13日にはニッセイアセットマネジメントが「<購入・換金手数料なし>ニッセイ・S米国株式500インデックスファンド」を設定し、信託報酬を業界最低の0.05775%(年率・税込)としている。これは、純資産残高が最大の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の0.09372%以内(年率・税込)の約4割低い水準である。投信協会は2024年1月から始める新しい少額投資非課税制度(NISA)の「成長投資枠」対象ファンドを年内にあと2回公表(12月1日、12月19日)する予定で、年内にあと何本低コストのインデックスファンドが追加されるのかに注目している。
10月の資金流出額1位は「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Cコース毎月決算型(為替ヘッジあり)予想分配金提示型」![](https://finasee.ismcdn.jp/mwimgs/6/6/800m/img_669f8a9a782e2b59b7d0d854b1acb7fc475651.jpg)
10月の資金流出額1位は「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Cコース毎月決算型(為替ヘッジあり)予想分配金提示型」の約129億円だった。「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」には約330億円の資金流入があったものの、Cコースは為替をヘッジしているので、現在の円安・ドル高のトレンドを享受できていない。10月末時点におけるCコースの1年騰落率は7.3%に対し、Dコースは14.9%となっている。11月に入ってドル円は150円を突破しており、為替ヘッジありのCコースからの資金流出が続く可能性は高いだろう。
執筆/山下耕太郎(フィナシー/Ma-Do 投資信託研究会)
Finasee編集部
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