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「絶対したくない!」50代女性が義母への支援を拒絶…許せなかった“不妊治療中”の暴言

Finasee / 2023年12月14日 11時0分

「絶対したくない!」50代女性が義母への支援を拒絶…許せなかった“不妊治療中”の暴言

Finasee(フィナシー)

ファイナンシャルプランナーの筆者のもとに、50代のご夫婦が相談に来られました。夫の実家からリフォーム代の援助を求められたのですが、応えるだけの貯蓄がないとのこと。世帯年収1500万円の共働き夫婦にどんな事情があるのか。前後編にわたって、解決策とともにお伝えします。

<相談者プロフィール>

●夫 藤井徹さん(53歳・仮名)
・会社員
・年収900万円(手取り42万円/月・ボーナス143万円)

●妻 和歌子さん(50歳・仮名)
・会社員
・年収600万円(手取り30万円/月・ボーナス91万円)

●夫婦共有の貯蓄 250万円(普通預金)

●個々の預金 徹さん50万円、和歌子さん不明

義母に頼られ、100万円の仕送りを約束した夫

夫の徹さんは、ひとりっ子。実家の親からたいそう頼りにされており、買い物に車を出したり、庭の草むしりをしたりと、声がかかるたびに駆け付けて実家の援助をしてきました。

先週、80代の母親から、築40年の実家をリフォームするための費用として100万円の援助を求められたときも、ふたつ返事で了承したとのこと。

でも、徹さん自身の預金はたったの50万円。自分だけでは用意できないことは明白で、妻の和歌子さんに「なんとか、共有の貯蓄から援助できないかな?」と相談を持ちかけました。

その和歌子さんの返答をきっかけに、夫婦の関係性に危機が生じていると言うのです。

助けを求めた妻の態度に夫はあ然

「そちらのことは、そちらで解決してください」

妻の立場からすると当然の返事じゃないかと思うのですが、徹さんの受け止め方は違いました。義理の家族とはいえ、あまりに素っ気ない態度に、「なんて冷たい人なんだ!」と腹立たしく感じたようです。

そこで、お金のプロはどう考えるかを聞きたいと、夫婦そろって弊社を訪ねて来られました。ご相談を受けて筆者が感じたことは、収入のわりに貯蓄が少なすぎること。また、和歌子さんの義母に対する発言にトゲがあることでした。

きっと何か事情がある。家計の見直しとともに、他にも解決すべき課題があるようです。

和歌子さんが許せなかった義母の8年前の発言

おふたりが結婚したのは、徹さん35歳、和歌子さん32歳のときでした。

今となってはあり得ない話ですが、筆者が年頃の30年前は、女性をクリスマスケーキになぞらえて、「24歳までが売り時で25歳になった女性は売れ残り」などと、やゆされていました。

でも現在は、平均初婚年齢は夫が31.1歳。妻が29.7歳(※)と晩婚化が進んでいます。おふたりの結婚も、現状を鑑みると決して遅すぎたとは言えない年齢です。でも、古い考えの捨てられない義母からすると、結婚相手の和歌子さんの年齢が気に入らない。

「いつになったら孫が見られるの?」

会うたびにしつこく問いただされていたようです。

和歌子さん自身も子どもが欲しいと思っていました。だから結婚3年目の35歳のときから7年間、仕事を続けながらも仕事の合間を縫って不妊治療に取り組んできたのです。それでも、残念ながら妊娠に至ることはありませんでした。

徹さんが45歳、和歌子さんが42歳のとき、おふたりは不妊治療を中止しています。体外受精や顕微授精において保険が適用されるのは、43歳未満の女性です。希望を叶えるためとはいえ、高額な治療費を全額自己負担で払い続けるには無理がある。体力的な限界も感じ、夫婦で考え抜いた先に出した結論でした。

そんなふたりの努力や想いを聞くこともなく、「結婚する相手を間違ったね」とまで言い放った義母。

「嫁はもっと若い子がよかった」
「仕事を優先する嫁なんて、うちにはいらない!」

顔を合わせるたびに、聞こえよがしに嫌みを言います。

***
 

そうした背景があるのなら、和歌子さんが義母を許せず、「援助なんて絶対にしたくない!」と思うのは、子どものいない当事者である筆者も当然のこととして共感できました。

一方で、徹さんの実家への想いを無視していいとも思えません。そこで、家計の見直しとともに「援助の仕方」を考えていくことになりました。

●貯蓄の少ない夫と義母の嫌みに耐えてきた妻。家計の見直しから見えてくるものとは? 後編【義母への仕送り100万円、妻も負担すべき? 「我慢ならない」人のための2つの打開策【FPが解説】】で詳説します。

出典
厚生労働省 令和4年 人口動態統計月報年計(概数)の概況

辻本 由香/つじもとFP事務所代表・一般社団法人WINK理事

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、相続手続カウンセラー、50代からのくらし(医・職・住)と資産を守るファイナンシャルプランナー。おひとりさま・おふたりさま×特有の課題・お金の問題の事例などが得意分野。企業の会計や大手金融機関での営業を経て、2015年に、保険や金融商品を販売しないFP事務所を開業。個別相談の他、企業・病院・大学などでの講演も行っている。

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