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ついに新NISAが始動!「神改正」と称賛されているのはなぜ? 5大ポイントを解説

Finasee / 2024年1月4日 11時0分

ついに新NISAが始動!「神改正」と称賛されているのはなぜ? 5大ポイントを解説

Finasee(フィナシー)

「神改正」と称賛の声も聞く新NISA、あなたはもう始めましたか? たくさんの期待を寄せられながら、ついにこの1月から新NISAがスタートしました。

新NISAの理解を深める前に、2023年までのNISA(以下、特に2023年内まで投資可能だったNISA制度を指すときは、旧NISAと表記)の「一般NISA」と「つみたてNISA」がどのような制度だったかを今一度確認していきましょう。なぜなら新NISAは旧NISAのいいとこ取りだからです。

NISAの誕生は2014年でした。イギリスで国民の資産形成を支える税制優遇制度「ISA」を模してNIPPONのNを頭につけたのが由来です。日本語表記は「少額投資非課税制度」、投資はむしろ少額から始めた方が良い、投資で得た利益には税金をかけないという2つのメッセージを乗せて始まりました。投資で得た利益に税金がかからない特別な口座、それがNISAです。

制度誕生の背景としては、日本人が保有するお金の多くが金利のつかない預貯金に眠ったままになっているので、投資に回し、世界の経済成長の恩恵も受けられるようにとの願いも込められています。

NISAは特定の金融商品ではなく、あくまでも「口座」です。普通の口座と異なり、年単位で管理がされますので、一度口座を開設すると自動で毎年新しい口座が作られます。

最初にできた旧NISAは、1年間に投資できる金額は120万円(スタート当初は100万円)、非課税期間は5年でした。のちにこれは「一般NISA」と呼ばれるようになります。この口座では、株も買えるし投資信託も買えるし、しかもいつでも解約可能と自由度が高い点が評価されました。

しかし非課税期間は5年と短く、期間が終了すると当然ながら利益には20.315%が課税されましたから、長期での資産形成を支える仕組みとしては不満が残りました。一般NISAの場合、非課税期間が終わると翌年開設されるNISA口座を利用してもう5年間非課税運用を継続できる「ロールオーバー」という仕組みもありますが、これだと新たな投資のための枠が消費されてしまうので、もっと投資をしたいという場合はメリットになりません。

2018年に創設された「つみたてNISA」は、非課税期間が20年と大幅に拡大しましたが、今度は年間投資可能金額が40万円と縮小されました。さらにつみたてNISA口座で投資ができる金融商品は、金融庁が定めた基準を満たす「長期運用に適した低コストの投資信託」のみに限定されました。

このいきさつとしては、一般NISAの運用益非課税という特徴に惹かれ不用意に短期の売買を重ねたり、長期の資産形成にはふさわしくない商品に投資をしたりと、一般NISAでは本来の目的である「長期の資産形成」になかなか結びつかないという指摘があったからです。

そこで資産形成の王道と言われる「長期・積立・分散投資・低コスト」が投資に不慣れな人でも実行しやすいようにと、あらかじめ“仕組み化”されたものがつみたてNISAだったというわけです。

何度でも復習すべき! 新NISA“ここがスゴい”5大ポイント

そして10年の時間を経ていよいよ始まった新NISA、日本人の資産形成が本格稼働といったところです。では、新NISAのすごいポイントを5つご紹介しましょう。

まず1つ目は、制度が恒久化したという点です。これまでは、いつまでNISA制度そのものが続くか分かりませんでしたが、国は恒久化として腹をくくりました。

2つ目は非課税期間が無制限になったという点です。一般NISAの5年、つみたてNISAの20年と区切るのではなく、永遠に非課税となります。これで「期限切れで課税された!」なんて悲しい話がなくなります。

3つ目は、投資可能額の大幅拡大です。今度の新NISAは年間投資枠360万円ともはや「少額投資」とは言えないほど大きくなります。

4つ目は、つみたても一括もOK、「ハイブリッド型」です。これまでは一般NISAかつみたてNISAかどちらか一つを選ばなければならない面がありましたが、基本は積立で、時には一括で、投資信託も株式投資もと幅広く投資できるようになります。

そして5つ目は、再生可能な生涯投資枠です。新NISAには、年間投資枠と同時に生涯投資枠が設定されます。これは投資元本で管理され、その額が1800万円に達するとそこで投資は上限に達しそれ以上できなくなります。しかし、そのうち一部を売却するとその投資元本分が「空き」、翌年以降新たな投資を継続することができます。つまり、1800万円という上限があるものの、資金を使うとその枠が何度でも再生されるので、新NISAは永遠に使えるというわけです。

新NISAを始めたい! なら、まずは口座開設から 

「私も始めたい!」と思った方は、NISAは国が定めた特別な口座なので、金融機関に行って「NISA口座」を開設しましょう。その際、複数の金融機関を比較検討するようにしましょう。なぜならば、金融機関によって取り扱う運用商品が異なるからです。

ちなみに、旧NISAを活用していた方で、新NISA口座に向けて、「何もしていない……」という方も、ご心配なく。旧NISAで契約している金融機関が自動で新NISA口座を開設してくれています。積立で投資をしていた人は、そのまま同じ銘柄、同じ金額が新NISA口座で積み立てられます。

ただし、注意点が1つあります。今回の新NISAはこれまでのNISAとは全く別物です。従って、2023年に投資をしたつみたてNISAについては2042年で非課税期間が終了します。一般NISAは2027年で非課税期間が終了します。特に一般NISAで「ロールオーバー」を予定していた場合、新NISAへはロールオーバーができません。

とはいえ、メリットてんこ盛りの新NISA、やはり使わなければもったいない制度です。ご自身の人生設計にぜひ上手に活用しましょう。

山中 伸枝/ファイナンシャルプランナー

FP相談ねっと代表。1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業後、メーカーに勤務。これからはひとりひとりが自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナー(FP)として2002年に独立。年金と資産運用、特に確定拠出年金やNISAの講演、ライフプラン相談を多数手掛ける。『50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話』(東洋経済新報社)ほか著書多数、金融庁サイト 有識者コラム連載。心とお財布を幸せにする専門家、ファイナンシャルプランナー(CFP®)、株式会社アセット・アドバンテージ代表取締役、一般社団法人公的保険アドバイザー協会理事。

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