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「高額お布施」のお寺に募る不信感。墓じまいの依頼で請求された“とんでもない金額”は…

Finasee / 2023年12月21日 11時0分

「高額お布施」のお寺に募る不信感。墓じまいの依頼で請求された“とんでもない金額”は…

Finasee(フィナシー)

<前編のあらすじ>

主婦の中井今日子さん(仮名・55歳)はコロナ禍でお父さまを亡くし、葬儀や相続などの手続きに追われました。葬儀後、檀家寺に高額なお布施を請求されたことに驚きましたが、その後の墓じまいで驚くべき費用を提示されたと言います。一連の出来事で感じた理不尽な思いを、中井さん自身に語ってもらいました。

●前編:【遺族が絶句!“言い値”で決まるお布施が「あまりに高すぎる」田舎の寺の理不尽な要求】

不信感が募り「墓じまい」を決意

コロナ禍の2022年1月に実家の父が急死した後、私と妹は葬儀や相続などの手続きに追われました。父の強い希望で葬儀は親族だけの家族葬にしましたが、驚いたのは、その際のお布施として檀家寺から100万円を要求されたことです。

前年、都内で親の葬儀を出したママ友から、「お坊さん便を頼んだら、お布施は17万円で済んだ」と聞かされていたので、田舎のお布施はこんなに高いのかと驚いたものです。

残された80代の母は心臓に持病があり、実家に一人で置いておくわけにはいかないので、同年の夏には実家を売りに出し、私や妹の家から近い都内の高齢者マンションに入居してもらいました。

2023年に檀家寺で父の一周忌を執り行った後、その母から「お父さんのお骨だけ遠くに置いておくのはかわいそう」と都内の名刹(めいさつ)の納骨堂への改葬を相談されました。高齢者マンションのお友達と都内の名所巡りに出掛けた際、たまたま立ち寄り、新しくできた納骨堂を見つけて気に入ったようです。

私も妹も葬儀の一件で檀家寺への不信感があったので、母の申し出は渡りに舟でした。聞けば檀家寺には今年の分も年間3万円の檀家料を納めているとのことで、妹が「それ、もったいなくない? 一刻も早く墓じまいした方がいいよ」とせっつき、私たちは慌てて納骨堂の手配を済ませ、春の彼岸にお墓まいりも兼ねて檀家寺にご挨拶にうかがいました。

提示された驚きの費用

ご住職は「20年来のご縁ですから、それは大変残念ですね」と言いつつも、こちらの事情をくんで離檀(※)や改葬を了承してくれました。しかし、その際に提示された離檀料や閉眼供養のお布施、お墓の解体・撤去費用がまた、300万円というとんでもない金額だったのです。

これにはさすがの母も驚いたようです。「大変お恥ずかしい話ですが、今は私の高齢者施設への入居金などで何かと物入りでして、いったん持ち帰って検討させてください」とその場での即答は避けました。
※檀家を離れること

300万円は相場通り? 檀家仲間に尋ねて分かった事実

東京に戻った後、母は親しい檀家仲間に電話をかけまくり、墓じまいの費用の相場を尋ねたようです。

足元を見ているのか、はたまた懐具合を探っているのか、提示される費用は人それぞれだったようですが、その際聞こえてきたのは「あそこのお寺さんは代替わりしてから高額のお布施を要求してくるようになった」とか、「先代はお盆の檀家回りも暑い中自転車をこいで来てくれたのに、今の住職はタクシーで乗り付ける。街の有力者と連日飲み歩いているらしい」といった芳しくない評判ばかりでした。

行政書士へ相談

私の方でも墓じまいの費用について、以前お世話になった行政書士の方に相談もしました。

その時に言われたのは、離檀料の相場はなく寺によっては墓の撤去費用といった実費だけで対応しているところもある、人によっては寺に相談してディスカウントしてもらったケースもなくはない、ただ、伝え方によっては檀家寺の方がへそを曲げて改葬の手続きが進まなくなってしまうリスクも伴うといったことでした。

その行政書士の方が実際に聞いた話では、ある人が檀家寺と話がこじれて勝手に遺骨を取り出そうとしたところ、寺から警察に通報され、大騒ぎになったことがあったそうです。

以前相談に来た人の中には「あまりに理不尽だから裁判で争う。弁護士を紹介してほしい」と息巻いていた方もいたようですが、「裁判にかける費用や労力は大変なものです。止めておいた方がいいと思いますよ」と必死で引き止めたとか。

「特にあなたのお父さんは地元の名士だった方でしょう? 狭い田舎で影響力のあるお寺さんと揉めるなんてことがあると、あっという間に噂になりますよ」

そう言われてしまうと、何も言い返せなくなります。それは母も同じだったようです。このやり取りを伝えた後、母は腹を決めたらしく、「これであのお寺さんとは縁が切れるのだから、“手切れ金”だと思ってお支払いするしかないわね」と無理に笑顔を作ってみせたのです。

お布施で金融資産の2割を失った母親

檀家寺からは銀行振り込みで構わないと言われましたが、「これが最後なので」と翌週、母と2人で檀家寺を訪れました。父の葬儀の時よりもさらに分厚いお布施袋に300万円を包み、袱紗(ふくさ)代わりに有名和菓子店の高級ようかんセットを持参しました。

運よく当日閉眼供養もしていただけたので、父の遺骨を手に帰京し、3日間には納骨堂に納めることができました。

葬儀の100万円と墓じまいの300万円。四十九日に初盆、一周忌の各10万円もありますから、わずか1年ほどの間に檀家寺に納めた額は430万円にも上っています。母が相続した父の金融資産のおよそ2割に当たります。正直、こんな理不尽なお金を払うくらいなら、相続税を徴収される方がずっとマシです。

母は「私がいなくなった後、お前たちに嫌な思いをさせるよりはいい」と言いますが、私や妹はいまだ納得していません。

※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。

Finasee編集部

「インベストメント・チェーンの高度化を促し、Financial Well-Beingの実現に貢献」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAやiDeCo、企業型DCといった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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