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「お袋と姉貴を絶対に説得する」不穏なプロポーズを受けた女性が下した“やむを得ない決断”

Finasee / 2024年1月5日 11時0分

「お袋と姉貴を絶対に説得する」不穏なプロポーズを受けた女性が下した“やむを得ない決断”

Finasee(フィナシー)

 不穏なプロポーズ

中部地方在住の片桐蘭子さん(50代・既婚)は、24歳で結婚して37歳の頃に離婚している。離婚から2年後に同い年のIT系企業で働く男性と知り合い、交際から3カ月後にプロポーズされ、片桐さんは受け入れた。

彼は、「お袋と姉貴が大反対すると思うけど、絶対に説得するし、できなかったら絶縁してでも結婚する」と言った。片桐さんは、自分の離婚歴のせいかと思ったが、彼の姉も離婚歴があるということを聞いていたので、そこまで心配してはいなかった。

しかし、彼が母親や姉に結婚を反対されると思っていたのは、片桐さんに離婚歴があるからではなかった。

彼は30代前半の頃、交際中の女性を家族に紹介したが、当時70代の母親と彼より6歳上の姉は、「あなたのことを全然立ててない!」「あんな子ダメよ!」とダメ出ししまくったのだ。

それを横目に兄は、「お袋と姉貴のお眼鏡にかなう女性なんて存在しないよ。お前がそれでも結婚したいと思える子じゃないと結婚なんて無理だね」と言った。

5歳上の兄が結婚した時は父親が健在で、父親は「お前が好きな人と結婚すれば良い」と言ってくれたため結婚まではスムーズだった。だが結婚後は母親と姉による嫁いびりが始まったため、現在兄嫁は義実家と絶縁していると言うのだ。

過干渉な母親と姉

彼の母親と姉は、「バツイチであなたに近づくなんて、財産をしぼりとったあと、あなたのことを捨てるつもりに違いない! バツイチの女なんて絶対に反対だ! バツイチの嫁が来るなんて恥ずかしくて外を歩けない!」と怒り狂い、「絶対に会わない! 電話もしない! 一切関わりたくない!」と責め立て、片桐さんを拒絶した。

加えて姉は、「私も離婚しているから離婚がダメだとは言わないけど、普通、離婚したら自分の何がいけなかったか振り返るのに10年くらいは必要だし、同じ過ちをしないという保証がない限り簡単に再婚など考えられないはず。2年で再婚だなんて怪しい」と言ってきた。

さらに母親は、片桐さんの両親に対しても、「バツイチの娘をうちの立派な息子にもらってもらうありがたみが分かってない! 息子の経歴を傷つけるんだから土下座するべきよ!」と言った。

離婚理由の説明を求める彼の母親

プロポーズから半年ほどたった頃、母親が、「離婚理由を説明しに家に来てほしい」と言うため、仕方なく菓子折り持参で伺う。

「上の2人は働きながらだったから姑(しゅうとめ)に任せっきりになってしまったけど、この子の時は専業主婦だったから1から私が育てたの! だからこんなに立派になったのよ!」

「恋愛のことは教えなかったからあなたみたいな人を選んじゃって。この子、今年厄年なの。私、あなたが厄だと思うのよ。まだ結婚するには若すぎるんじゃない? 私が全部お世話してあげるから焦らなくていいのに……」

母親は1時間ほど喋りまくると、ようやく片桐さんの離婚理由の話になる。

「お互いの価値観が合わなかっただけで、特にひどいことをされた訳ではないので、元夫が悪者にならないように、極力、客観的に説明するようにしたのですが……」

母親は、「前の旦那さん、悪い人には思えないんだけど。あなたがワガママなんじゃないの?」と片桐さんを非難。

彼が助け船を出すと、「相手ばかり悪く言うなんて都合がいい人ね!」とさらに険悪に。

そこで片桐さんは気付いた。「離婚理由を聞いてから結婚を認めるかどうか判断するというのは建前で、徹底的に反対するネタを集めるためだけのイベントに過ぎなかったのだ」と。

入籍は白紙に

それからも彼は母親や姉の説得を続けたが、何かと理由をつけて入籍を延期させる。一方で片桐さんに対して母親や姉は、結婚を諦めるよう逆に説得してくる。

ついに彼は、「お袋の言う通りに何度も延期してきたじゃないか! もう延期しないよ!」と言った。すると母親は、「何よ! 延期してればそのうち別れると思ってたのに!」と逆上。その言葉に彼はがくぜんとした。

彼は、「これまでの俺の努力や時間は何だったんだ?」という憤りと、自分たちを別れさせたいがために、母親が低俗なことをしていたという事実に落胆。

2人で婚姻届を記入し、それぞれの友人に保証人になってもらい、「さあ提出に行こう」となったところで、またしても母親からストップがかかる。

「もう入籍は止めないから、蘭子さんとお姉ちゃんの確執だけは解決してから入籍しない?」と言う。数日前に片桐さんは、彼の姉から、「あなたの親に意見するから連絡先を教えなさい」と言われて断ったことで関係が断絶していた。

母親から提案された彼は、あろうことかこう言った。

「その1点だけって言ってくれてるんだ。1つくらいは俺らも譲歩してもいいんじゃない? 姉と和解してから入籍しないか?」

「……バカなの? と思いました。今まで出された条件をいくつ飲んで来たか忘れたの?……と。私はもう二度と彼の母親とも姉とも関わりたくなかったし、正直彼への不信感も大きくなっていたため、『もう入籍はしなくていい。その代わり、もうお義母さんやお義姉さんからの連絡も受けない』と言いました。別れたくなるまで付き合っていればいいと思ったのです」

●その後、彼は母親が“毒母”だと気付くことに。きっかけは何だったのか? 後編【NHK受信料に猫の病院代まで…「毒家族」の搾取に耐える男性が絶縁を決意した“決定的な事件”】で詳説します。

旦木 瑞穂/ジャーナリスト・グラフィックデザイナー

愛知県出身。アートディレクターなどを経て2015年に独立。グラフィックデザイン、イラスト制作のほか、終活・介護など、家庭問題に関する記事執筆を行う。主な執筆媒体は、プレジデントオンライン『誰も知らない、シングル介護・ダブルケアの世界』『家庭のタブー』、現代ビジネスオンライン『子どもは親の所有物じゃない』、東洋経済オンライン『子育てと介護 ダブルケアの現実』、毎日新聞出版『サンデー毎日「完璧な終活」』、日経ARIA「今から始める『親』のこと」など。著書に『毒母は連鎖する〜子どもを「所有物扱い」する母親たち〜』(光文社)がある。

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