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定年後の人生は30年…やっぱり資産の一部でも投資が必須といえる“納得の理由”

Finasee / 2024年1月17日 17時0分

定年後の人生は30年…やっぱり資産の一部でも投資が必須といえる“納得の理由”

Finasee(フィナシー)

定年後の“第二の人生”の期間が徐々に長くなった現代。定年前後で判断すべき選択一つひとつの重要度が増しています。

話題の書籍『知っている人だけが得をする 定年前後のお金の選択』では、老後の不安を解消して“第二の人生”を輝かせる「損をしない選択肢」について、ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏が解説。今回は、本書冒頭の「はじめに」、第4章「金融資産などの運用と“手仕舞い”の知恵」の一部を特別に公開します。(全4回)

※本稿は、森田悦子著『知っている人だけが得をする 定年前後のお金の選択』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

定年後こそ、人生を楽しむときです!

値上げラッシュや年金額の実質目減り、退職金増税など、老後の家計に打撃を与えるニュースが日々報じられています。かつては、老後2000万円問題や消えた年金といった問題がメディアを賑わせたこともありました。

そのせいか、老後=不安という図式が定着し、定年を意識する世代だけでなく、若い世代の中にも老後不安を抱える人は少なくないようです。

本来、定年は、子育てから解放された世代が激務や重い責任からも解き放たれて、新しい働き方や生き方にチャレンジできるようになる節目です。自分の時間が増え、今までできなかったことにもトライできる、まさに第二の人生のスタート。まだまだ体は若く、元気なので、どんなチャレンジだってできるはずです。

それなのに、老後の不安に押しつぶされそうになっている人の、なんと多いことでしょうか。 「人生100年時代」が間近に迫る中、定年後の30年近くある年月を不安の中で過ごすなんて、とても残念なことです。

特にお金の問題は深刻で、老後や年金の不安が、あらゆる世代の消費行動を大きく制限しているような気がしてなりません。

確かに老後のお金は重要な問題で、決して軽視すべきではありません。でも、そればかりにとらわれて、定年前後の長い時間を不安の中で過ごすのはとても残念なことです。

不安というのは、お化けのようなものです。本当にいるかどうかもわからない、根拠もない存在なのに、姿が見えず正体がわからないから怖いのです。

でも、老後の不安はお化けと違って、分解していけばその姿がはっきりと見えてきます。一つひとつに対してはどれも対策や解決策があり、最終的には悩んでも仕方がないことしか残りません。

定年前後には、たくさんの選択を迫られます。恐ろしいお化けを前にしてどうすればいいのかわからないことでも、知識があれば大丈夫。正しい選択肢や損をしない選択肢、そして自分に最適な選択肢を、自信を持って選び出すことができるはずです。その選択の一つひとつが老後の不安を解消し、第二の人生を輝かせていくことにつながるのです。

『知っている人だけが得をする 定年前後のお金の選択』は、定年前後のさまざまな選択を求められる局面で、自信を持って判断し、不安を解消してもらうために書き上げたものです。

今回はその一部をお届けしますが、読者の皆さんの第二の人生を充実させる助けになれば、これほどうれしいことはありません。

老後資金は守り重視の安定運用? それともリスクをとって積極運用?

A:リスクをとることも大切ですが、あせってはいけません

退職金は老後の生活を支える大切なお金です。リスクをとってまで増やすべきではないという意見もありますが、リスクをとらないことが別のリスクにつながる可能性もあり、バランスのとれた選択が重要です。

60歳男性の平均寿命は84歳ほどで、女性は88歳を超えています。定年後の人生は30年ほど残されており、それだけの長い間、ひたすらお金を守り続けていくのはむしろハイリスクです。

昨今はあらゆるモノの値段が上がって現金の実質的な価値が下がっています。現在の1万円が、30年後も同程度の価値を持つかどうかはわかりません。

株式や不動産など価格が変動するリスク資産は、物価と完全に連動するわけではありませんが、モノの値段が上がる局面では価格が上がっていくものです。まとまったお金の一部をリスク資産に投じることで、資産の価値が大きく下落するリスクを回避できます。

リスク投資は経験も重要なので、スタートは早いほど有利です。しかし、50代や60代でも遅すぎることはありません。

かといって、投資の経験がない人が、いきなり大金を投じるのは失敗のモト。損失をいっさい出さずに投資することは不可能なので、少額からトライしてどんな値動きをするのかを実感し、慣れていくことが重要です。

短期間でお金を増やそうとあせるのは禁物ですが、過剰に怖がっていても資産は守れないのです。投資に損失はつきもの。少額から慣れていきましょう。

●第2回(値下がりしても落ち込む必要ナシ! 積み立て投資の持つ“圧倒的な”魅力)では、投資での落とし穴とそれを回避するための投資方法について解説します。

『知っている人だけが得をする 定年前後のお金の選択』

森田悦子 著
発行所 青春出版社
定価 1,155円(税込)

森田 悦子/フリーランス記者/ファイナンシャルプランナー

地方新聞記者、編集プロダクションを経て独立。主な執筆分野は資産運用、年金、社会保障、金融経済、ビジネス。新聞、雑誌、ムック、ウェブメディア、企業広報誌などで取材記事やインタビュー、コラム、ルポルタージュを寄稿。

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