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新NISAは「100円」から投資可能。少額でも「まず始めてみる」ことの意味とは?

Finasee / 2024年2月6日 11時0分

新NISAは「100円」から投資可能。少額でも「まず始めてみる」ことの意味とは?

Finasee(フィナシー)

2024年からスタートした、新NISA制度。非課税枠は大きく広がり、生涯で1800万円も投資できるようになりましたが、「そんな枠、使い切れるわけがない!」とひとごとのように考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、新NISAはたった100円からでも投資が可能な制度。本記事では、少額から始める新NISAについて解説していきます。

少額投資なら「投資の一歩目」が踏み出しやすい

そもそも新NISAは、短期投資のための制度ではありません。「非課税限度枠1800万円」という数字ばかり注目されますが、より重要なのは非課税期間。何年投資しても、何十年投資しても税金がかかりません。まさに人生をかけた超長期戦なので、いかに長く続けるかがカギとなるのです。

今は、投資できるお金がない。だから、ある程度お金がたまってから投資しよう! と考えるのではなく、ぜひ今すぐ投資してほしいのです。「お金がたまってから投資しよう」と思って貯金を続け、実際に100万円たまった。そして、いざ投資を始めようとしても……投資経験がゼロだと、大きな第一歩を踏み出すのが怖くなってしまいます。

だから、今すぐに“小さな第一歩”を踏み出しておくのです。少額でもいいので、なるべく早い時期から投資に慣れておく。今後お金が増えたときに正しく判断できるよう、経験を積むために少額投資をするのです。

ネット証券の多くは、100円から投資信託を購入できます。毎月の積立金額を設定することも可能なので、初心者であれば「同じ投資信託を、毎月同じ額だけ買う」という投資方法が無難です。

また一般的な株式投資は100株単位でしか買えず、だいたい数十万円の元手が必要ですが……楽天証券の「かぶミニ®」(単元未満株取引)やSBI証券の「S株」(単元未満株)などのサービスを使えば、1株ずつ購入することも可能。たった1株の保有でも毎年配当金を受け取れるので、資産形成の第一歩としてもオススメできます。

少額で分散投資するとパフォーマンスが比較できる

100円からの投資信託の積み立てや、1株からの個別株投資。この少額投資をすることで、投資に慣れるだけでなく「分散投資」が可能です。

資産を一点集中させると、その一点が外れたときに耐えることができません。例えば手元に100万円があれば……その100万円で1社の株を買うよりも、10万円×10社に分けます。なるべく多くの株を買うことで、投資先の1社が仮に倒産しても、あなたの資産がゼロになることはありません。元手が少ない場合でも、1社あたりの投資額を下げることで、分散の効いたポートフォリオ(資産構成)を作ることができるのです。

また、少額投資は「パフォーマンス比較」にも役立ちます。例えば、一般的には“全世界型と米国型の株式投資信託を一緒に買っても、あまり意味がない”と言われています。商品にもよりますが、全世界型の株式投資信託には米国株が含まれていることが多いためです。

しかし、それでも私はこの2つを毎月購入しています。その目的こそが、パフォーマンス比較です。具体的に言うと、私は毎月10万円の投資信託を積み立てしているのですが……うち9万円は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」、つまり米国型の株式投資信託を購入しています。そして残りの1万円分は、パフォーマンスを比較したい10銘柄に1000円ずつ分散投資しているのです。この10銘柄の中には「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」、つまり全世界型の投資信託も含まれます。

積み立て投資のうち9割は、自分の投資方針に合う銘柄を選ぶ。そして残り1割は、自分が気になっている銘柄をいくつか選び、少額で毎月積み立てしていく。複数銘柄を持つことで、各銘柄が実際にどれだけ収益を生むか、そして実際にどれだけ値動きがあるのか……といった点を体感することができます。

このように複数銘柄のパフォーマンスを比較することで、「ここ数カ月の動きを見ていると、こっちの銘柄に乗り換えた方が良いかも」といった点も見えてくるのです。

毎月続ければドルコスト平均法を活かせる

少額であれば、毎月無理なく投資を続けることができます。では、毎月投資を続けることで、どんな利点があるのでしょうか。結論から言うと「ドルコスト平均法」を活かした投資ができる点が大きなメリットです。

そもそも、投資で勝つ方法は大昔から変わりません。安いときに買い、高いときに売る。これさえできれば、どんな投資でももうけることができます。と、言うだけなら簡単ですが……目の前の株は、買い時なのか、売り時なのか。その正確な判断ができないからこそ、投資で損する人と得する人が現れるのです。一方で、「安いときにたくさん買って、高いときには少しだけ買う」という投資であれば、実は誰でもできる方法があります。その答えこそが、定額・定期の投資です。

例えば、投資信託を毎月1万円買うケース。今月、投資信託の価格が1000円だったので、あなたは10口分を購入しました。しかし翌月、価格が800円まで下がってしまった。この場合、12.5口分を買うことになります。さらに翌月、価格が1250円まで上がった。ここでは買える口数が減り、購入数は8口になります。

このように、毎月一定額を投資することで、安いときはたくさん、高いときは少なく買うことができます。ベストな投資ではないけれど、平均してベターな投資ができる。この手法をドルコスト平均法と言います。

この、ドルコスト平均法による投資。実は、投資の素人がやってもプロがやっても結果が変わりません。

短期投資の場合、実力によって明らかに差が出ます。1回の取引なら勝てるかもしれませんが……何度も繰り返すと、投資初心者がトータルで勝つことは難しくなります。

一方でドルコスト平均法であれば、機械的に「安いときに多く、高いときに少なく買う」という投資ができます。“機械的に”取引するからこそ、投資のプロでもド素人でも、同じ結果にしかならない。

ドルコスト平均法を使えば、「プロとの差を埋めることができる」とも言えるでしょう。

投資のお金を捻出・増額するには? 資産形成の大原則を知る

最後に、「家計がギリギリで、少額投資すら難しい」もしくは「支出が重なる時期で投資に少額しかお金をまわせない」という場合、どんなステップを踏めばいいでしょうか。

まず資産形成の大原則として思い出していただきたいのは、投資にまわすお金を捻出・増額するためには、①支出を減らす、②収入を増やす、のどちらかのアプローチが必要ということです。

今すぐできることは、支出の削減。よく言われる話ですが、最も手っ取り早いのは固定費の見直しでしょう。“削っても生活レベルがあまり変わらない固定費”を徹底的に洗い出すことが先決です。

そして次に、収入を増やすために動く手もあります。現職で昇給を目指したり、近い将来に転職して収入を上げたりすることが難しければ、スキルを磨ける副業で“毎月の収入にプラス1万円”を目指す選択肢も。

このように、支出を減らして収入を増やせば、以前よりお金が浮いてきます。その“浮いたお金”でゼイタクしよう! ではなく、次のステップとして「投資」を考える習慣をつけましょう。

資産形成のコツは、身を削った節約でも、とんでもなく高い給料でも、投資で一山当てることでもありません。実態はつまらないと感じるほど堅実かつシンプルなものであり、①少なくした支出、②できるだけ増やした収入、③コツコツ手堅い投資の継続、の組み合わせでしかないのです。

参考
・楽天証券「かぶミニ®(単元未満株取引)」
・SBI証券「単元未満株(S株)」
・日本証券業協会「定額購入法(ドル・コスト平均法)」

浅見 陽輔/銀行員・証券アナリスト

大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科を卒業後、2013年に銀行に就職。10年のキャリアで、投資運用、リスク管理、法人・個人向け融資、システム部門を経験。証券アナリスト、FP2級、簿記2級、税務上級など20種類の金融系資格を保有。趣味は優待株投資と筋トレ。本業の傍ら、Kindle(電子書籍)作家としても活動中。代表作に『図解 新NISA』『トクする株主優待の選び方』『最後のジュニアNISA』『絶対に続く筋トレ』などがある。Twitterアカウントは【@you_def】。

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