新NISAスタート! 投信ブロガーが選んだ“推し”ファンドはどれ?
Finasee / 2024年2月19日 11時0分
Finasee(フィナシー)
2024年1月に渋谷にある会場で、個人投資家が集まり、推しのファンドを投票する、「投信ブロガー選ぶ!Fund of the Year 2023」の表彰式が開催されました。実はその会の運営委員(ボランティア)でもあるので、皆さまにも推されたファンドについて情報を共有したいと思います。
低コストなインデックスファンド強し!約120名の投信ブロガーによる投票結果がこちらです。
TOP10には、インデックスファンドが7本、アクティファンドが2本、バランスファンドが1本入りました。あとで純資産残高の上位TOP10と見比べてみたいと思いますが、まずは上位ファンドの分析をしてみます。
最近の人気通り、外国株式に投資するファンドへ支持が集中しています。
また、下記の図は、2023年11月に発表された、確定拠出年金(企業型・個人型)の統計資料をまとめたものになります。積極的に制度を活用し投資をしようと行動したと思われる、iDeCoの20代、30代の資産配分は、外国株式が約50%と、長くデータを見てきましたが、これまでとは違う数字になっています。
データでは「外国株式型」とまとめられていますが、投信ブロガーの結果を見ると、その中でも投資の考え方が違うようで、面白い結果になっています。
あなたはどのように外国株式へ投資しますか?投票結果も、相談で受ける内容も比較的似ています。正解はありませんが、ぜひ確定拠出年金やNISAで投資する際の参考にしていただければと思います。どのように投資するかは大きく分けると3つのタイプになります。
① 全世界にまるっと1本で投資5連覇を達成した、eMAXIS slim全世界株式は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動するファンドになります。他にも、全世界の株式時価総額に合わせて投資する指数として、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスがあるのですが、該当するファンドとして4位に入っているバンガード社のVT(バンガード・トータル・ワールドストックETF)が代表的です。
両指数とも世界の株式の時価総額に合わせて投資しますので、常にその時代に伸びて来ている企業、国に投資できるお任せのファンドになります。
この全世界に投資できるファンドですが、NISAではもちろん成長投資枠・つみたて投資枠の対象になっています。iDeCo(個人型確定拠出年金)やDC(企業型確定拠出年金)でも徐々に取り扱いが増えてきていますが、まだそれほど多くはないので、取り扱いがない場合は、自分で組み合わせるしかありません。
自家製全世界オールカントリーを作る場合は、ざっくりとした目安ですが、先進国株式が80%、日本株が10%、新興国株が10%になります。
実は全世界株式が出た当初、日本株が入っているということで、少し嫌がられた感があった印象です。そこで人気になったのが5位に入っている、「除く日本」になります。いつの間にか、お任せで全世界へ投資が主流になりました。
② これまでも、これからも米国株でしょ!3位にランクインとなったのが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)になります。超長期に渡って成長してきた米国への投資1本に期待している方々です。
2024年1月には、久しぶりの純資産残高3兆円のファンドとして大きくなり、人気の高さがうかがえます。投資される根拠としましては、
・全世界、先進国株式の投信でも、米国株は5割以上を占めている
・過去を見ると全世界や先進国株式のリターンを上回っている
などが挙げられるでしょうか。ただ、分散投資の概念、リスクや世界の分散効果が考慮されていないような印象を受けるので、資産配分の1本としてであれば良いのですが、米国株1本というのはちょっと心配をしてしまいます。
米国株への投資もDCではまだ品ぞろえが少なく、今後の充実を期待したい分野です。
ちなみに、もっと攻めた方がおられるのが米国株の特徴の一つで、米国株の代表的なハイテク株指数であるNASDAQに投資する方や、NISA(成長投資枠・つみたて投資枠)の対象ではないのですが、レバレッジを掛けたファンドに投資される方もおられます。
③ 外国株式の王道、先進国株式(除く日本)2位に入った、ニッセイのインデックスファンドを代表とする、先進国株式(除く日本)。確定拠出年金でも、おなじみのカテゴリーです。古くからある指数(MSCI KOKUSAIインデックス)になりますので、商品名は違えども、DCでも必ず入っていると言っても過言ではありません。GPIFでも、多くのアセットとして組み入れられています。
この商品(カテゴリー)が人気なのは、コスト(運用管理費用)が安く、古くからあるだけではなく、組み合わせて投資する場合には便利!という事もあるかと思います。
全世界株式の際に株式の配分を説明しましたが、この先進国株式(除く日本)を軸に、日本株式や新興国株式を自由に配分し、多く投資したり、少なめに投資したりすることができますので、非常に使いやすいのが特徴となっています。
売れ筋(純資産残高の大きい)ファンドとの違いは?表をまとめて、改めてビックリしたのですが、なんと純資産残高順に見てみると、TOP10のうち6本が米国に投資するファンドとなっています。米国株への人気の高さが伺えます。
注: 2024年2月2日現在
「投信ブロガー選ぶ!Fund of the Year 2023」では、米国株タイプは1本しか入っておらず、先進国株式タイプ、全世界株式タイプがほとんどと、集中と分散の違いが出ていました。
また、アクティファンドにも違いが出ています。純資産残高を見てみると、外国株式のタイプが上位に入ってきますが、「投信ブロガー選ぶ!Fund of the Year 2023」は、日本株タイプが上位に2本でした。アクティブファンドについては、下記も参考にしてみてください。
「新NISAではアクティブファンドも選ぶべき? 企業型DCにも有効?」
https://media.finasee.jp/articles/-/12957
上記のコラムを書く際に、海外に投資するアクティファンドについて調べてみましたが、あまり良い成績を残せていないファンドも少なくありません。人気があるファンドだからと言って良いリターンが期待できる訳ではないので、ファンド選びの際に参考にしていただければと思います。
FPかえる(尾上堅視)/ファイナンシャルプランナー
2005年個人投資家として日本株式への直接投資や投資信託を用いた資産形成をスタート。その後、証券会社や運用会社などへ取材を行うライターとして活動し、2010年家計の総合相談センターの相談員(FP)となり現在に至る。個人投資家の金融リテラシーの向上、お金と仲良くおつきあいする方法を広く伝えるため活動中。
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