「2兆円ファンド」eMAXIS Slim“オルカン”が資金流入額でも第1位! 気になる流出額の上位は?
Finasee / 2024年2月26日 16時0分
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Finasee(フィナシー)
「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」に約3440億円の資金が流入
2024年1月の個別ファンドの資金流入額では、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の約3440億円が1位となった。2位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の約2090億円と、いずれも前月の水準から流入額が大幅に増加した。国内公募の追加型株式投資信託(ETF除く)において、1月末の純資産残高ランキングで3位となった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、2018年10月の設定以来、初めて2兆円を突破した。2023年12月から4562億円積み増し、1月末時点で2兆2768億円となった。約3440億円の資金流入に加えて、月次リターンが5.6%のプラスと好調だったことが寄与したのである。また、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の純資産残高も前月比4326億円増の3兆4313億となり、2018年7月の設定以来、初めて月末ベースで3兆円の大台を超えている。
日本経済新聞によると、2024年1月に始まった新しい少額投資非課税制度(新NISA)は、その対象となる公募株式投資信託への資金流入額が約1兆3700億円であった。これは公募株式投信全体の流入額(1兆4200億円)の96%を占める大きな割合である。新NISA対象外の投信への流入額が500億円程度にとどまる一方で、その明暗が分かれている。このようなタイプの投信への流入額をけん引したのは、三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim」シリーズである。この結果は、新NISA制度の影響力と、「eMAXIS Slim」シリーズの人気を如実に示しているといえるだろう。
■eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
基準価額 2万2062円
信託報酬 0.05775%(年率・税込)
純資産残高 2兆2768.6億円
<騰落率>
1カ月 5.6%
3カ月 15.1%
6カ月 10.3%
1年 32.1%
※1月末時点
公募株式投資信託の純資産残高は3カ月連続で過去最高を更新![](https://finasee.ismcdn.jp/mwimgs/a/7/800m/img_a7347e54203c20f277cb0c577f714152674072.jpg)
公募株式投資信託(ETF除く)の純資産残高は前月比で5兆1894億円増加し、111兆5956億円となり、3カ月連続で過去最高を更新した。また、海外株式型への資金流入が続いており、また、国内・内外株式型や内外資産複合型でも資金流入に転じたことなどから、1兆3107億円の純資金流入があり、8カ月連続で流入超となっている。流入額が1兆円を超えたのは2022年12月以来、13カ月ぶりとなった。2024年1月は半導体関連銘柄を中心とした大型ハイテク株が株価をけん引し、ダウ工業株30種平均やS&P500種指数はそれぞれ史上最高値を更新した。これらの動きから、主に外国株式型の評価額が上昇している。また、1月の新規設定は38本であり、前月の44本から減少した。設定額も約790億円で、前月(約960億円)から減少している.個別ファンドで設定額が最も多かったのは「野村ホールディングス社債/システマティック・グローバル・マクロ戦略ファンド2401」の約350億円だった。次いで「フィデリティ・日本割安成長株投信」で、設定額は約160億円だった。
資金流出額1位は「次世代通信関連世界株式ファンド」![](https://finasee.ismcdn.jp/mwimgs/6/2/800m/img_62cf1a9979f5c769a8fd6354b70d39ab576172.jpg)
1月の資金流出額1位は、「次世代通信関連世界株式ファンド」だった。同ファンドは、三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用する投資信託で、通信技術の発展によって成長が期待できる企業に投資を行う。1月末の基準価額は2万1151円と12月末の1万8851円から約12%上昇しており、利益確定の売りがでたと考えられる。また、流出が目立ったのは、指数の2倍の値動きをする投信で、デリバティブ(金融派生商品)を活用しているものである。年初から相場が上昇したことを受け、利益を確定させたいと考える投資家による解約が増えたと見られる。大和アセットマネジメントが運用する「iFreeレバレッジNASDAQ100」は、120億円の流出超となった。新NISAでは、デリバティブの使用をヘッジ目的(為替変動リスクを抑えるなど)に限定するという制限がかけられた。これは、レバレッジ型や通貨選択型など、相対的にリスクの高い商品を除外するためである。同ファンドは、新NISA対象外となったことも資金動向に影響を与えた可能性がある。新NISAの導入とそれに伴う制限が、投資信託の資金動向に大きな影響を与えていることがわかる。
■次世代通信関連 世界株式戦略ファンド
基準価額 1万8851円
信託報酬 1.848%(年率・税込)
純資産残高 3997.43億円
<騰落率>
1カ月 1.84%
3カ月 12.17%
6カ月 12.44%
1年 45.93%
※12月末時点
山下 耕太郎/金融ライター/証券外務員1種
一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011
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