預金だけではむしろリスク? 「余ったら」ではなく「先に」投資するのが新常識
Finasee / 2024年3月8日 17時0分
Finasee(フィナシー)
<!--td {border: 1px solid #cccccc;}br {mso-data-placement:same-cell;}-->今注目の書籍の一部を公開して読みどころを紹介するシリーズ。今回は、新NISAを活用した資産形成について解説した花村泰廣編著『新NISAを最大限使いこなすにはどうすればいいですか? 目的別・年代別のシミュレーションで徹底解説 』の一部を特別に公開します(全4回/本記事は第1回)。
※本記事は花村泰廣編著『新NISAを最大限使いこなすにはどうすればいいですか? 目的別・年代別のシミュレーションで徹底解説 』(日本実業出版社)から一部を抜粋・再編集したものです。
貯蓄ファーストから投資ファーストへ日本の家庭の金融資産は、株式や投資信託よりも現金・預金が圧倒的に多いです。日銀の資料「資金循環の日米欧比較(2023年8月)」によれば、日本の家計における現金・預金比率は54.2%。それに対して米国は12.6%、欧州(ユーロエリア)は35.5%と、日本が突出しています。日本ではどこか「預金が第一。投資は余ったお金でするもの」という意識があります。
しかし、この貯蓄ファーストの考え方は、時代に合わなくなってきています。これからは、お金はできるだけ先に投資に回して運用し、必要なときに現金化して使う―このような投資ファーストな資産管理をスタンダードにしていく必要があるでしょう。
理由は、物価の上昇、つまりインフレです。2023年9月の消費者物価指数(総合指数)は、2020年を基準にすると、6.2%も上がりました。かつては、預金の金利が6〜7%と高く、収入も右肩上がりだったため、物価が上がっても対応できていましたが、いまの普通預金は大手銀行だとおおむね0.001%と超低金利、そのうえ物価上昇率ほど収入が増えない状況です。インフレが続くと、1万円で買えたものが時間がたつと同じ価格で買えなくなってくるため、資産の目減りが起きます。これからの時代は、預金だけではむしろリスクとなるケースもあるのです。
生活防衛のために、資産運用が必須あらゆるものの値段が上がってきた昨今ですが、前述した通り、貯蓄だけではこの先はもっと苦しくなることが目に見えています。必要な老後資金も、生活費が上がっていく以上、当然増えるでしょう。年金は物価に合わせて調整されますが、完全に連動するわけではありません。少子高齢化で現役世代の負担が重くなりすぎないよう、「マクロ経済スライド」の仕組みによって年金の支給額が抑制されるからです。
こうした背景を踏まえると、少なくともインフレに負けない程度には、資産運用していく必要があります。もちろん、投資はリスクがありますので、一時的に値下がりしても困らない範囲で行うことが大切ですが、生活を防衛する意味で、誰にとっても投資は欠かせない時代になったと思います。
先に投資する仕組みをつくることが何よりも重要「投資の必要性は理解できるが、生活費を捻出するだけで手一杯」という声もあります。しかし、それでも工夫しだいで月5000円くらいはなんとか用意できるのではないでしょうか。飲み会は一次会で帰るようにしたり、会社にはお弁当や水筒を持参したりする。スマホは大手キャリアから格安な通信会社に乗り換え、電気やガスもより料金が安い会社と契約する。ふるさと納税はしっかり使う……など、できる節約をすれば、月5000円くらいからであれば、投資が始められるのではないでしょうか。
少しでもよいから、先に投資に資金を回し、残ったお金で生活する。この仕組みさえつくれば、いまの時代はオートモードで資産形成ができます。ちなみに、筆者(花村)が新卒で働き始めたころは、積み立てで買える投資商品といえば、自社株ぐらいでした。いまは投資信託を利用すれば、世界中の株式でもREITでも、少額から積み立てで買えます。資産形成しやすい、非常に恵まれた時代なのです。
金額は、後からいくらでも調整できるので、とにかく先取りで投資する仕組みをつくることが大切です。「余ったら投資」ではなく、「先に投資」の意識を、ぜひ持つようにしてください。
老後資金対策にはiDeCoの併用も検討したい先取りで自動的に投資できるお得な制度としては、「iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)」もあります。iDeCoとは、個人で用意する私的年金制度です。つみたてNISAや新NISAのつみたて投資枠と同じように、自分が指定した金額で、投資信託などの金融商品を積み立てで購入する仕組みです。
iDeCoもNISAと同じく、利益にかかる税金が非課税となります。さらに積み立てする掛金は全額所得控除の対象となり、所得税や住民税を軽減できます。掛金の拠出は65歳になるまで可能で、75歳になるまで引き出さずに続けることができます。
NISAとの大きな違いは、原則60歳まで引き出しできないこと。掛金は働き方によって上限額が決められていること。そして、将来受け取る際は、所得としてカウントされることです。一括で受け取る場合は「退職所得控除」、年金で受け取る場合は「公的年金等控除」が使えるので、一定額までは非課税ですが、金額によっては受け取る年の所得税や住民税が増えたり、健康保険料が上がってしまったりする点に注意が必要です。
それなら、「iDeCoよりNISAを使うほうがよいのでは?」と思われるかもしれませんが、iDeCoの節税メリットは非常に強力です。また、60歳まで引き出しできないというのは、老後資金をつくる目的を考えれば、メリットでもあります。特に、厚生年金がなく、公的年金が手薄なフリーランスや自営業の方は、iDeCoの掛金が月6.8万円(国民年金基金等との合算)と、多く設定されています。節税しながら老後資金をつくることができるので、ぜひNISAとの併用を検討したいところです。
NISAとiDeCoを併用すれば、iDeCoは老後資金用、NISAは途中のライフイベント用と使い分けることもできます。第3章、第4章では、iDeCoを併用した投資シミュレーションも紹介していますので、ぜひ参考になさってみてください。
また、会社員で、会社の「企業型DC(企業型確定拠出年金)」に加入している人は、この機会に内容の確認をしてみましょう。企業型DCで投資信託が選べる環境にありながら、定期預金で積み立てている人が、実は非常に多いのです。NISAやiDeCoで投資を始めるのを機に、企業型DCの運用についても見直しておきましょう。
●第2回【20代・30代は「時間がある」特権を活かすべし! 投資の始め方を指南】では、年代別・新NISA 活用のポイントについて解説します。
***花村泰廣編著『新NISAを最大限使いこなすにはどうすればいいですか? 目的別・年代別のシミュレーションで徹底解説 』(日本実業出版社)
花村 泰廣/アセットマネジメントOne 未来をはぐくむ研究所 主席研究員
1986年大和証券に入社し外国債券のディーリング業務や米国株のリサーチ業務などを経て、1999年にモーニングスターの創業期に参画し、ファンドアナリストの先駆けとなる。2006年に興銀第一ライフ・アセットマネジメント(現:アセットマネジメントOne)に入社し投資信託の商品開発に従事。その後は、投資信託のパンフレットやホームページの制作、各種シミュレーション・ツールの開発等の業務を担当するなど、38年にわたって一貫して投資関連業務に携わる。現在、アセットマネジメントOne 未来をはぐくむ研究所 主席研究員。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)、金融コンプライアンス・オフィサー1級。
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