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優しかった弟はいまや “子供部屋おじさん”―家族を悩ませる45歳男性の「身勝手すぎる言動」

Finasee / 2024年3月22日 11時0分

優しかった弟はいまや “子供部屋おじさん”―家族を悩ませる45歳男性の「身勝手すぎる言動」

Finasee(フィナシー)

池上愛子さん(仮名)は53歳。40歳前後で出産したため、上の娘が中学生、下の息子はまだ小学生です。3年前に自宅を購入したばかりで住宅ローンの返済に追われ、これから本格化する子供たちの教育費にも頭を悩ませています。

そんな池上さんの実家では父親が亡くなった後、高齢の母親と45歳で独身の弟が2人で暮らしていましたが、母親が大腿骨を折って寝たきりになる可能性が高いと言われ、施設に入居することになりました。しかし、母親の年金で賄えそうな近隣の特別養護老人ホームはどこも順番待ちの状態で、民間ホームに入居するために実家を売却するしかないという結論に至りました。

そこでごねたのが一度も実家を出たことのない“子供部屋おじさん”の弟です。「昔は優しい子だったのに、今はただのクズ野郎」。母親の介護や実家の片付けには一切協力せず、好き勝手をし放題の弟との絶縁を決めるまでの経緯を池上さんに話してもらいました。

〈池上愛子さんプロフィール〉

千葉県在住
53歳
女性
医療事務パート
公務員の夫、中学生の長女、小学生の長男と4人家族
金融資産250万円(世帯)

***
 

私は晩婚で、37歳で結婚して39歳で長女、42歳で長男を出産しました。そのため、50歳を超えた今も子育ての真っ最中です。ですから、最近の子育て支援策は大歓迎ですが、長男が一人前になるまでは、同い年の夫と夫婦ともども、まだまだ働かないといけないなと思っています。

家族の悩みは「子供部屋おじさん」の弟の存在

そんな私の目下の悩みが、実家の弟の存在です。45歳になる弟は独身で、生まれてこの方、一度として実家を離れたことがありません。大学も片道2時間かけて実家から通い、就職後も実家から通勤しています。中学生の娘によると、弟のような人のことを「子供部屋おじさん」と言うのだそうです。

弟は鉄道オタクで、休みの度に鉄道旅行に出掛けているようですが、結婚はおろか、実家を出ていく気配さえ全くありません。

3年前に父が亡くなり、最初は弟がいてくれるおかげで足の悪い母を1人にせずに済んで良かったと思っていました。ところが、それは私の甘い考えで、母はこの3年間困ったことが起きたり足りないものがあったりすると、決まって私のところに電話をかけてきました。

あまりに高頻度なため「私だって仕事があるのよ。弘之(弟)がそばにいるんだから、弘之に言ってよ」と文句を言うと、「だって、あの子は何もしてくれないんだもの」とむくれます。それどころか、弟の食事の支度や洗濯まで母がしていたようなのです。

「お母さん、弘之から家政婦代をもらった方がいいんじゃないの」と皮肉ったら、なんと、弟は就職してから一度も家にお金を入れたことがないと言います。

「お父さんが何度か注意したんだけど、あの子、『自分のうちに住んでいるのに、どうして家賃を払わないといけないの?』って言うのよ。それに、共働きのお前のところと違って弘之は大してお給料をもらっていないみたいだから」

この話を聞いた時は、弟の身勝手さはもちろんですが、弟に大甘な母にもあきれたものです。共働きと言うと聞こえはいいかもしれませんが、わが家はいわゆるパワーカップルなどではなく、夫は区役所の職員、私は医療事務のパートです。稼げるお金など、たかがしれています。

母親を放置する弟に、とうとう怒りが爆発

それでも母が元気で、身の回りのことが自分でできるうちは良かったのです。

母は昨秋、2階に上がろうとして階段を踏み外し、大腿骨を折ってしまいました。しかし、私が持たせていたスマートフォンは居間に置きっ放しで、助けを呼ぶ手段がなかったようです。

その日は休日で弟は例によって鉄道旅行に出掛けていたため、帰宅して母を病院に救急搬送したのは午後10時過ぎでした。深夜に弟からの電話で呼び出された私は、急きょタクシーで母の待つ病院へと向かいました。

母はすぐに手術を受け、1カ月間入院した後にリハビリ病院に移りましたが、その間、病院に通って面倒を見たのは専ら私で、弟は一度も顔を見せませんでした。母の医療費も、やむを得ず私が立て替えていました。

弟への怒りが爆発したのはその後、母を担当するケアマネジャーさんから、高齢者施設への入居を勧められたことがきっかけでした。

そもそも弟はケアマネさんの呼び出しにも一切応じず、仕方なく私が1人で話を聞きに行きました。ケアマネさんは母の経過があまり思わしくなく、恐らくこのまま寝たきりになってしまう可能性が高いこと、自宅療養は難しそうなので施設に入居した方がいいのではないかということを丁寧に説明してくれました。

母はその時点で介護保険の要介護3の認定を受けていて、特別養護老人ホームの入居資格はあったのですが、いかんせん、実家や私の自宅周辺の特養は入居の順番待ちが列をなす状態です。

ケアマネさんが何とか探し出してくれた比較的料金の安い民間ホームは、入居一時金300万円を支払えば、月額15万円程度の利用料は母の年金で何とか払っていけるのではないかということでした。ただし、医療費や介護サービスの代金は別請求です。

これは困ったことになったと思いました。

●施設の入居費用捻出のため池上さんの母親は実家売却を決意。しかし、そこで障壁となったのが、当事者意識のない弘之さんの反対でした。後編【実家売却で大金を得た弟の衝撃の使い道「あいつだけは許さない」姉が下した絶縁宣言】で詳説します。

※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。

森田 聡子/金融ライター/編集者

日経ホーム出版社、日経BP社にて『日経おとなのOFF』編集長、『日経マネー』副編集長、『日経ビジネス』副編集長などを歴任。2019年に独立後は雑誌やウェブサイトなどで、幅広い年代層のマネー初心者に、投資・税金・保険などの話をやさしく、分かりやすく伝えることをモットーに活動している。

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