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こうして憧れの同棲は「地獄」に変わった…30代女性が婚約者に課した「理不尽な要求」

Finasee / 2024年4月1日 11時0分

こうして憧れの同棲は「地獄」に変わった…30代女性が婚約者に課した「理不尽な要求」

Finasee(フィナシー)

「結婚=ワンオペ育児のリスクあり」と敬遠していた33歳女性に価値観の変化

北沢陽子さん(仮名、以下同)は、都内の中堅企業で営業として働く、33歳の独身女性です。年収は約500万円、目鼻立ちのくっきりした美人で、男性からのアプローチを受けたこともそれなりにあったそうですが、いまいち交際や結婚に興味が持てず、仕事一筋だったといいます。

というのも、彼女の友人に、新卒で社会人になってすぐに結婚した女性がいたのですが、共働きしているにもかかわらず、家事育児のすべてを押し付けられ、夫は何もしてくれないと聞いていたのです。いわゆる「ワンオペ」です。ただでさえ、仕事と家事の両立で大変ななか、家族全員分の家事と子育てをほぼ1人で抱えているとあって、いつも疲れきっていて、口から出ていくのは愚痴ばかり……。友人ではあるものの、「こういう目には遭いたくない」と強く思ったそうです。

また彼女自身に新卒の頃、一人だけ交際した男性はいましたが、まさに「(結婚したら)ワンオペ状態」になりそうな“古風”なところのある男性で、つい結婚とは「ワンオペリスクがあるもの」で、「そんなリスクを取るくらいなら、一人で仕事にまい進したほうがいい」と否定的に捉えていたといいます。

ところがこの頃、別の友人が病気で長期入院し、なんとその間の家事育児のすべてを夫がやったという話を聞いたのです。その男性は稼ぎも良く、頻繁にお見舞いにも来てくれ、おかげで友人は安心して休めたとのことでした。この件は彼女にとって、かつて培われた「結婚=ワンオペリスクあり」の価値観がひっくり返されるほど衝撃的だったといいます。

「そういう男性もいるのなら、私も結婚しておいたほうが安心かも」

彼女は元々ずっと働くつもりだったので、この頃もそこまで結婚願望が強かったわけではなかったそうです。しかしそれでも、友人の夫のような良い男性がいれば……くらいの気持ちで、婚活を始めることにしました。

将来のイクメン候補との出会い…交際は順調に進んだ

陽子さんは手始めにマッチングアプリを試したところ、すぐに多くの連絡が入ったそうです。ただ、大半の連絡は自分より年収が低いか、高くても昔の彼氏のように自信家そうな男性ばかりだったといいます。しかしそうこうしているうちに、彼女は一人の男性を見つけました。

その方は森田新一さんという、都内の大手企業にSEとして勤める年収600万円の男性です。33歳でちょうど同じ年齢でした。

ちなみに彼女がこの男性を選んだ理由は、「(プロフィールを見て)相応の年収があるうえに将来イクメンになりそうだったから」だといいます。彼女は早速、彼に連絡を取り、デートの約束を取り付けました。

実際にデートをしてみると、新一さんは思った通りの男性だったそうです。女性に不慣れでリードはしてくれないものの、費用はすべて出してくれるうえ、自分を気遣おうとする姿勢を強く感じたといいます。そのリードさえ、デートを重ねる度に洗練されていったとのことでした。

すっかり彼を気に入った彼女は、その後、1年ほど交際を続けたといいます。そしてその間、“化けの皮がはがれる”こともなく、良い意味で変わらなかった彼を見て、少しずつ真剣に彼との結婚を考えるようになったのです。そこで彼女は、「最終チェック」と称して、彼と同棲をすることにしました。

「確認」と称して家事をすべて押し付け、給料も強制貯金…

「1年間、同棲が続いたら結婚してあげる」

陽子さんは共働きを前提としつつも、「ワンオペは絶対に回避したい」「自分が働けなくなった時でも安心したいから」という大義名分のもと、「確認のために、試しに一人でやってみて」と、家事のすべてを新一さんに任せました。また生活費のすべてを彼に任せ、小遣いを月3万円と決めたうえで、残りの全額を貯金に回すよう指示したのです。

きっと彼は、結婚願望が強かったのでしょう。さすがに少し渋い顔をしながらも、この提案をのんだといいます。それから彼は今まで通り働きながらも、朝晩の食事の準備や洗い物、掃除や洗濯、買い出しやゴミ出しまで、本当にすべてを一人でがんばったそうです。

ただその一方で彼女はというと、「手伝ったらお試しにならない」として、全く何もしなかったといいます。いわば「確認」という名の「テスト」だったのです。

そればかりか、「結婚して子供を産んだら、遊べなくなるから」と、休日には一人で出かけて友人と散財していたそうです。また最初こそ家事への感謝を伝えていたものの、次第に細かなダメ出しが増えていたとのことでした。彼女としては、彼を教育しているつもりだったそうですが……。

そうこうしているうちに、約束の1年が近づいていました。彼なら、自分が働けなくなってもしっかり支えてくれると確信した彼女は、彼との幸せな結婚生活を毎日のようにイメージしていたといいます。そしてついに、約束となる1年を迎えたのです。この結末は、どのようなものになったのでしょうか? 後編【「ワンオペ育児を回避したかっただけ…」35歳女性が“婚活市場”を漂流するに至った経緯】でご確認ください。

婚活FP山本(山本 昌義)/ファイナンシャルプランナー

商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て、2008年に「山本FPオフィス」を東京・赤坂にて開業し、独立。2020年にオフィスを滋賀県栗東市に移転。現在は日本初の「婚活FP®(商標番号:6652878号)」として、婚活パーティ開催や結婚相談所との提携を元に、主に婚活中の方や新婚夫婦などから相談を受けている。「マネー現代」にて不定期連載中、レインボータウンFMにて「子育てとお金」をテーマに不定期出演中、結婚相談所や行政での婚活セミナーも随時活動中。マイアドバイザー®、CFP®、一級FP技能士。

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