「あの家に巻き込まれなくてよかった」“ヤバい義実家”を見限った30代男性に訪れた“まさかの展開”
Finasee / 2024年5月1日 11時0分
Finasee(フィナシー)
杉山孝雄さん(32歳・仮名〈以下同〉)は、都内の大手企業で働く年収700万円の独身男性です。彼は婚活が難航する中、中堅企業に勤める31歳の女性、伊藤詩織さんと出会いました。
2人の交際は順調だったのですが、1年後に彼女の実家にあいさつに行ったところ、「経営を再建するまで、娘とともにキミも月8万円を入れてほしい」という結婚条件を言われてしまいます。
彼女とは結婚したい一方、彼女と結婚すればもれなくありえない条件を提示してくる義実家がついて回る……苦悩の末に、彼が出した結論は?
●前編:“将来の義実家”で年収700万円ハイスペ男性が提示された、驚きの「結婚の条件」の中身とは
ムリなものはムリ…。最後は別の女性とハッピーエンド「さすがにあんな条件は飲めないよ。ゴメン……」
最終的に孝雄さんは、詩織さんと別れることにしました。あの提案は、彼には義両親に「生涯、面倒を見ろ」と言っているに等しいと感じたのです。彼女だけなら喜んで結婚したいものの、あの義両親が付いてくるとなると、どうしても受け入れられなかったといいます。
一方の彼女はというと、別れを素直に受け入れたそうです。「親を見捨てるような人とは結婚できない」といったそうです。彼は、自分があれだけ悩んで結論を出したのに比べ、彼女が迷うことなく自分より義両親を選んだ姿を見て、ある意味で吹っ切れたとのことでした。
こうして改めて婚活を始めた彼なのですが……縁とは不思議なもので、その後ほどなくして別の出会いがあったそうです。しかもお相手の条件は詩織さんとほぼ同じでありつつも、義実家が“普通(=お金を要求してこない)”な点だけが違ったといいます。もちろん、すでに結婚が視野に入っているとのことでした。
「詩織さんほどの女性とはもう出会えず、結婚もムリかなと思っていた中で出会えて、本当にうれしいです。詩織さんの件は残念でしたが、今はあの家に巻き込まれなくてよかったと思っています。これからは改めて、今の彼女と幸せになろうと思います!」
紆余(うよ)曲折あったようですが、ぜひ今後は幸せな人生を歩んでくださいませ。
問題アリな義実家なら避けるのが普通。介護だけは見据えて準備しよう男性目線で考えると、孝雄さんはギリギリのところで賢明な判断ができたと思います。義実家が何らかの問題を抱えているケースは珍しくありませんが、中でも金銭が付きまとう問題がある場合は、よほどの事情がない限り、最終的に避けたほうが無難です。
総務省統計局の2023年「家計調査」によると、「老後資金2000万円問題」が指摘される中、60代前半で純粋に2000万円を超える貯金がある人は約28%という結果です。つまり多くの人にとって、今や自分の家族だけでも十分に生きるのが大変な時代といえます。2000万円でも足りるかどうかは個々人次第ですから、いつか詩織さんの両親のようにならないためにも、まずは自分の家族の家計防衛を優先することが大切です。
……ただし上記の通り、十分な老後資金を備えている世帯は少数派だからこそ、最終的な「介護費用の援助」だけは仕方ないと思います。つまり、働けないうえ、さらに介護が必要になってしまった両親・義実家に対して、なんらかの金銭的サポートをすることは想定しておいたほうがよい、ということです。そこまで気にしてしまうと、結婚相手を見つけることは困難です。このバランス感覚で、義実家を見定めることをおすすめします。
そして、自分たちの老後資金準備が大変な中、双方の実家への援助も考えるとなると、どうしても労働と貯金だけでは困難になりがちです。転職や副業なども有効ですが、できれば資産運用を活用していく方向で先々のための準備に努めましょう。
親への感謝や愛情は程度が大事。冷静に先々を考えよう!一方の女性視点で考えると……一言で言い表せない事例だと思います。今や50代になっても親を頼る8050問題などもある中、逆に親を支えようとする姿勢は立派と思います。親御さんについても、ここまで立派な娘さんを育てた方たちだと見ることもできます。
しかし、結婚という第三者を巻き込む状況になれば話は別です。周囲からは、親の存在を重荷にしか感じられません。仮に結婚できたとしても、いつ離婚されても不思議はないでしょう。そして未婚のまま親を支える、支えさせるだけでは、いずれ親子ともども、共倒れしかねません。
先述の通り、今や自分の家族だけでも人生を生き抜くことが大変な時代ですし、周囲を助けた分だけ自分の家族の豊かさを失います。そしてその事情は、未来の自分の子供にも関わってくるのが現実です。いずれ未来の子供にも、同じように自分たちを支えさせるようになる可能性が出てきます。親のために子供を犠牲にする考えは、いかがなものでしょうか。
幸い、最終的な介護だけは、理解を示す方が少なくありません。目先の金銭問題は、行政や弁護士、FPなどに相談する手もあります。できる限りいったんは親元を離れ、結婚して共働きし、資産運用で十分な資産を築くような形で、自分の幸せも考えながら親を支える方向で努力していきましょう。
婚活FP山本(山本 昌義)/ファイナンシャルプランナー
商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て、2008年に「山本FPオフィス」を東京・赤坂にて開業し、独立。2020年にオフィスを滋賀県栗東市に移転。現在は日本初の「婚活FP®(商標番号:6652878号)」として、婚活パーティ開催や結婚相談所との提携を元に、主に婚活中の方や新婚夫婦などから相談を受けている。「マネー現代」にて不定期連載中、レインボータウンFMにて「子育てとお金」をテーマに不定期出演中、結婚相談所や行政での婚活セミナーも随時活動中。マイアドバイザー®、CFP®、一級FP技能士。
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