金融ジャーナリスト鈴木雅光さんが注目の2本を深掘り!【新NISAおすすめ投資信託】
Finasee / 2024年5月15日 16時0分
Finasee(フィナシー)
新NISAの「つみたて投資枠」でおすすめの投資信託は?
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね(農林中金全共連アセットマネジメント)
つみたて投資枠と成長投資枠について、それぞれ違うファンドで運用しなければならないというルールはないので、1本のファンドで枠を満たしても良いでしょう。逆に複数のファンドに分散させると、資産クラスの配分比率がわかりにくくなるし、いたずらにファンドを増やしたからといって分散投資効果が高まるものでもありません。
ということで、1本のファンドで1800万円の枠を満たすならという前提でファンドを選ぶと、1本はこのファンド。理由は銘柄選択基準が明確で、自分自身がそれに賛同できるからです。
アクティブファンドは投資方針が命。「もし自分が株式に投資するならどういう基準で選ぶか」という視点で各ファンドの投資方針を比較し、納得できるファンドを選ぶことが大事。この点、同ファンドは「高い産業付加価値」、「圧倒的な競争優位」、「長期的な潮流」という3つの観点から銘柄を選ぶというように投資方針が明確。投資対象は米国株式ですが、移民政策により人口増加はしばらく続き、先進国の中では最も経済成長ののりしろが大きい。長期保有には適したファンドのひとつと考えます。
新NISAの「成長投資枠」でおすすめの投資信託は?セゾン・グローバルバランスファンド(セゾン投信)
こちらも「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね」と同様、1本のファンドで1800万円の枠を満たすならという前提で選んでみました。「おおぶね」が米国株式のみに投資するのに対し、このセゾン・グローバルバランスファンドは8本のインデックスファンドを通じて世界の株式市場と債券市場に分散投資するファンド・オブ・ファンズという形態です。
株式と債券の比率はおおむね50%:50%を維持するため、基準価額の変動リスクは小さめ。その分、株式投資によるリターンの最大化は期待できませんが、マーケットが大きく荒れた時でも値下がりリスクを抑えた運用が期待できます。
本来、運用資産のリスクコントロールは自身が保有している資産ポートフォリオ全体で行うべきであり、個別ファンドの運用を通じてリスクコントロールする必要はないと考えますが、これから資産形成を始める人にとっては、基準価額が大きく下げたりすると驚いてしまい、続けるべき資産形成を途中で止めてしまう恐れがあります。
この点、同ファンドは株式と債券への分散投資が効いているので、値動きは比較的安定しています。まずはこのファンドで資産形成を進めるとともに、もし、もっとリスクが取れると思ったら、課税口座で現物株式に投資すれば良いでしょう。
新NISAを始めたい人、始めたけれど不安な人へメッセージを…投資信託で長期の資産形成をする場合、大事なのは運用の継続性です。ファンドを選ぶに当たっては、継続的に資金流入が続いているものを選ぶこと。またアクティブファンドを買う場合は、投資方針が明確であることに加え、過去の運用成績があるものを選ぶこと。間違っても新規設定ファンドを買ってはいけません。
金融ジャーナリスト 鈴木 雅光氏
有限会社JOYnt代表。1989年、岡三証券に入社後、公社債新聞社の記者に転じ、投資信託業界を中心に取材。1992年に金融データシステムに入社。投資信託のデータベースを駆使し、マネー雑誌などで執筆活動を展開。2004年に独立。出版プロデュースを中心に、映像コンテンツや音声コンテンツの制作に関わる。
Finasee編集部
「インベストメント・チェーンの高度化を促し、Financial Well-Beingの実現に貢献」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAやiDeCo、企業型DCといった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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