「タメになるお話をしてあげる」義母に連日呼び出された女性が恐怖した義家族の「異常な言動」
Finasee / 2024年6月10日 11時0分
Finasee(フィナシー)
夫との出会い
関西地方在住の行田優芽子さん(仮名・40代)は、高校を卒業すると派遣会社に登録。レジャー系企業で働くことになった。そこで教育担当になった2歳年上のアルバイトの男性は、まだ19歳の行田さんに優しく丁寧に仕事を教えてくれた。
出会って2週間ほどで交際に発展し、まもなく同棲を始め、2カ月ほどたった頃、初めて彼の実家に遊びに行くことに。当日、彼と2人で実家を訪れると、「こんにちは! どうぞ、上がって!」と母親は優しく出迎えてくれた。
1時間ほどして帰ることになり、去り際に行田さんは来た時は緊張のあまり見落としていたことに気付く。家の中の至る所に宗教的な物が置かれていたのだ。
その帰り道、思い切って彼に言った。
「◯◯くんの家、宗教の物がたくさんあったけど、そうなの?」
すると彼は答えた。
「ああ。俺も子どもの頃は母さんに連れられて通っていたけど、俺はもう信仰してないよ。それに母さんもきょうだいも、絶対に勧誘して来ないから大丈夫だよ」
行田さんは、彼がうそをつく人ではないことを知っていたため、安心した。しかし彼はただ、自分の母親やきょうだいのことを分かっていなかっただけだった。
スープの冷めない距離行田さん26歳、彼28歳で入籍すると、義母は行田さんに頻繁に連絡してくるようになった。
2人が暮らすマンションの契約更新が迫っていることを知った義母はこう言った。
「私たちが暮らす賃貸マンションは、親子で契約したら、子世帯は家賃が半額になるのよ」
彼は「半額ならいいな」と乗り気。しかし行田さんは、義実家との距離が数分程度になることに嫌な予感しかしなかった。
2人で内覧へ行くと、夫は気に入った様子。しかし契約書に書かれた金額を見ると、明らかに半額ではない。行田さんが事務所の人にたずねると、「半額になるなんて制度はない」と言う。
2人は「半額じゃないなら断る」ということが恥ずかしく、結局契約してしまった。
その後義母は、「私は半額になるなんて言ってない」と言い張り、帰宅後、変に思った行田さんが「絶対に言ったよね!」と憤ると、彼は「母さん、天然だからなあ」と笑った。
話が通じない義家族入籍を機に行田さんは、かねてから興味のあった金融系の会社へ転職。
ある日、彼に保険に入っているか確認したところ、彼は保険が何かも分からない様子。仕方なく行田さんは義母に電話する。
「本人に聞いても分からないって言うんですが、◯◯くんは国民健康保険に入っていますか? 義兄さんの扶養に入っているのでしょうか?」
彼の父親は彼が中学生の頃に行方をくらまし、以降は彼より6歳年上の義兄が家計を支えてきたと聞いていた。すると義母はこう言った。
「あのねぇ、優芽子ちゃん、あの子は母子家庭育ちなの! 年金なんて払わなくてももらえるの! あの子は神様に守られてるの! 病気もケガもしないから保険なんて入らなくて良いの!」
一気にまくしたてると、義母は電話を切った。らちが明かないので、東京で働く義兄に電話してみる。
「◯◯くんの公的医療保険に扶養として入りたいのですが、◯◯くんが今どの健康保険に入ってるか分からなくて……。お義兄さんの扶養ですか?」
すると義兄はこう言った。
「扶養はあいつが20歳になった時に外したぞ。そこからはあいつが自分で社会保険に入っていない限り、どこにも入っていないんと違うか? でもな優芽子ちゃん、あいつは神様に守られてるから入らなくても良いよ」
「こいつも話が通じない……」
悪寒が走るのを感じながら行田さんは、結局、市役所や年金保険事務所に自分で足を運び、2年分の国民健康保険の保険料を納め、健康保険証を入手。国民年金に関しては、未納分を一気に払うことが不可能だったため、分割払いにすることに。
行田さんは結婚資金を使い果たしてしまった。
恐れていたことが始まる彼の実家と同じマンションに引っ越ししてからというもの、義母から毎日のように呼び出されるようになった。行くと最初は家事をやらされていたが、ついに恐れていたことが始まる。
「タメになるお話をしてあげる」と言って無理やり聖書の読み聞かせを始めたのだ。何度断っても、固くて冷たいフローリングの上で正座をさせられ、約1時間半、聖書を復唱させられた。
それから数日後。再び義母から呼び出しがあったため義実家へ行くと、義兄が来ていた。その日も聖書を読み、フローリングの上で3時間正座し続けた。ところが終わりが見えたとき、行田さんは少し足を崩してしまう。瞬間、行田さんは近くで監視していた義兄に激しく叱責された。
●その後、行田さんは体調を崩し、仕事を退職することに。夫に義家族からの仕打ちを打ち明けますが、驚きの反応が返ってきます。後編【何度逃げても “ヤバすぎる義家族”に必ず見つけ出されてしまう…子を思う女性が取った「覚悟の行動」】
旦木 瑞穂/ジャーナリスト・グラフィックデザイナー
愛知県出身。アートディレクターなどを経て2015年に独立。グラフィックデザイン、イラスト制作のほか、終活・介護など、家庭問題に関する記事執筆を行う。主な執筆媒体は、プレジデントオンライン『誰も知らない、シングル介護・ダブルケアの世界』『家庭のタブー』、現代ビジネスオンライン『子どもは親の所有物じゃない』、東洋経済オンライン『子育てと介護 ダブルケアの現実』、毎日新聞出版『サンデー毎日「完璧な終活」』、日経ARIA「今から始める『親』のこと」など。著書に『毒母は連鎖する〜子どもを「所有物扱い」する母親たち〜』(光文社)がある。
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