「年収はそのまま」でも「お金に関する満足度をアップ」させる4つの方法
Finasee / 2024年6月6日 18時0分
Finasee(フィナシー)
FWBは年収によって差があるが、それだけじゃない?
図表1 年収とファイナンシャル・ウェルビーイング度の関係
出所:「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2024年)*わからない、答えたくない除くまずは年収とFWBの関係からです。同調査では、「現在や将来の生活に対する経済的な満足度」を10段階で評価して、スコアが一定以上の人を「FWBが高い」としています。
結果、「年収が高いグループほどFWBが高い」と回答した人の割合が高いことがわかりました。一方で「年収が高くてもFWBが低い」、あるいは「年収が低くてもFWBが高い」と回答した人もそれぞれ1割前後にのぼるなど、同じ年収グループでもFWBに違いがみられます。このことから「年収以外の要因もFWBに影響を与えている」と思われます。
そこで同調査では、FWBを高めるには「年収や資産以外にも家計での行動が重要となる」としたうえで、FWBを実現するための4つのステップ(①学ぶ、②把握、③相談、④行動)を提示しています(下表参照)。各ステップでどのような意識や行動の違いがあるのかがわかれば、私たちも参考にできそうですね。
図表2 ファイナンシャル・ウェルビーイング実現のための4つのステップ
出所:「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2024年)FWBが高い人は「金融教育」を受講し「現状把握」を行う?
それではFWBが高い人の特徴をみていきましょう。まずは1つ目の「学ぶ」から。同調査によれば、FWBが高いグループほど金融教育を受けた人の割合が高く、特に社会人になってから金融教育を受けたケースではその差が顕著でした。金融リテラシー向上のため教育の重要性が叫ばれる昨今ですが、FWBにおいても教育に一定の効果が期待できそうです。
図表3 金融教育の経験有無(年収700万円以上)
出所:「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2024年)2つ目の「把握」はどうでしょうか。同調査によると、1カ月の収支を把握していないと回答した人の割合はFWBが低いグループで高く、FWBが高いグループの2倍以上にのぼることがわかりました。また、万が一に備えた生活資金や、公的年金の水準感についても、準備・イメージできていないという回答はFWBが低いグループで顕著です。FWBが高い人は現状をしっかり把握することで、将来への漠然とした不安を和らげているのかもしれません。
図表4 1カ月の収支を把握しているか(年収700万円以上)
出所:「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2024年)*5.0%未満はグラフ内表記省略FWBが高い人は「専門家」を活用し、「資産形成」に取り組む?
続いて3つ目の「相談」では、FWBが高いグループほどファイナンシャルプランナーなど外部の専門家に相談すると回答した人の割合が高いことが同調査からわかりました。将来設計の重要性はわかっていても、ライフステージごとにさまざまな要因が絡むことから、自分の知識だけでは限界を感じる人もいると思います。FWBが高い人は専門家をうまく活用することで、一人で悩みを抱え込まないように工夫しているのかもしれません。
図表5 将来設計における外部知見の活用(年収700万円以上)
出所:「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2024年)最後は「行動」です。今年から新NISAも始まり、既に資産形成に取り組んでいる人もいるかと思います。しかし同調査によれば、FWBが低いグループほど資産形成に取り組んでいる人の割合やその金額は低い傾向があります。またリスク資産をもっていない人やライフプランを立てていない人の多さでも、FWBが低いグループで顕著でした。FWBが高い人は、「学ぶ」「把握」「相談」にとどまらず、それらを踏まえて実際に「行動」まで結びつけているようです。
図表6 「資産形成に取り組んでいる人数」ならびに「取り組んでいる人の年間資産形成額」(年収700万円以上)
たとえ今は年収や資産が少なくても、早いうちからFWB実現のためのステップを繰り返すことで意識を高めることができるかもしれませんね。
アンケート調査概要
(1)調査名:「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2024年)
(2)調査対象:全国の18~69歳 ただし関連業種(金融、調査、マスコミ、広告)従事者を除く
(3)調査方法:WEBアンケート調査
(4)調査時期:2024年1月
(5)サンプルサイズ:10,948
Finasee編集部
「インベストメント・チェーンの高度化を促し、Financial Well-Beingの実現に貢献」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAやiDeCo、企業型DCといった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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