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まもなく新札発行…タンス預金をこのまま持っていても問題ない? ましてそのお金を使って新NISAで投資をしても大丈夫?

Finasee / 2024年6月12日 12時0分

まもなく新札発行…タンス預金をこのまま持っていても問題ない? ましてそのお金を使って新NISAで投資をしても大丈夫?

Finasee(フィナシー)

「タンス預金」とは、銀行などにお金を預けず、家庭内で保管している現金のことを指します。最近よくこの言葉を見かけるようになったのは、2024年7月から新札が発行される影響もあるかもしれません。

実際、タンス預金をしているがこのままでも平気なのか、ましてや最近話題のNISA(新NISA)のような非課税制度に使うことに問題はないのか、と不安を覚える人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、タンス預金にまつわる疑問を解消していきましょう。

タンス預金をNISAに使ってもOK 新札発行も問題なし

まず、タンス預金をすること自体に違法性はありません。多額のタンス預金を持っていても、それだけで罪に問われることはありません。

よって、タンス預金をNISAに使っても違法性はありません。銀行預金などから入金するのと同様に、タンス預金から入金してNISAを利用することは可能です。

新札の発行後も、タンス預金の現金は継続して使用できます。2024年7月3日から1万円札と5000円札、1000円札が刷新されますが、現在の紙幣が使えなくなるわけではないからです。新札発行後も旧札は引き続き使用できます。また、さらに古い紙幣(肖像画が聖徳太子の1万円札など)も有効です(参考:日本銀行 これまでに発行されたお札のうち、現在使えるお札はどれですか?古いお札を持っていますが、現在も使えますか?)。

税金逃れのタンス預金は違法

先述したとおり、タンス預金そのものに違法性はありません。ただし、タンス預金の目的が「税金を逃れるため」に行われたものなら違法です。

正確には、税金を逃れためにとった「行為」に違法性があるといえます。売り上げを隠す行為や生前贈与を隠し相続財産を実態より少なく見せる行為、贈与の実態を隠す行為などが考えられます。これらの税金逃れのための不正を行うために隠し持っていたタンス預金を金融機関に入金した場合、税務署に申告漏れや脱税を指摘される可能性があります。

というのも、金融機関は一定の取引があった場合に税務署へ支払調書を提出するからです。また、税務署が金融機関に対し調査を行うこともあります。これらの調査でタンス預金の由来に申告漏れが発覚した場合、修正申告が求められることとなります。悪質だと判断された場合、さらに重いペナルティが課される可能性もあります。

【所得税法第238条第1項】
偽りその他不正の行為により…(略)…所得税を免れ、又は…(略)…所得税の還付を受けた者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

引用:e―GOV法令検索 所得税法

【相続税法第68条第1項】
偽りその他不正の行為により相続税又は贈与税を免れた者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

引用:e―GOV法令検索 相続税法

NISA以前に、申告漏れは早期の解消を

タンス預金にかかわらず、税金の申告漏れがあるならできるだけ早く解消しましょう。税務署は強い調査権限を持っています。NISAを始めていなくても、発覚する可能性は十分にあります。

タンス預金はインフレや犯罪、災害に無防備な側面もあります。火災保険も、一定以上の現金は補償の対象外とすることが一般的です。これらに備えるためにも、タンス預金をNISAで使用するのは良い判断といえるでしょう。

若山 卓也/金融ライター/証券外務員1種

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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