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大暴落からスピード回復する賢明な選択肢。「2大投資対象」でリスクコントール

Finasee / 2024年6月21日 18時0分

大暴落からスピード回復する賢明な選択肢。「2大投資対象」でリスクコントール

Finasee(フィナシー)

「定年も近いのに、今から投資してもいいのでしょうか?」

ファイナンシャル・プランナーの鬼塚祐一さんの元には、50代からこんな相談が多数寄せられます。老後を堅実に生きるために、「50歳からは投資よりも貯蓄」という考えにとらわれ、なかなか踏み出せないようです。

そんな悩みに鬼塚さんは「まったく遅くはない」と答えます。実際に50代から投資を始め、成功した多数の例を見てきました。50代からのおすすめの投資手法を4回に分けて解説してもらいます。今回は、大暴落からいち早く回復するための株式以外の選択肢についてです。(全4回の3回目)

●第2回:「オルカン」「S&P500」は分散投資じゃない…? 50歳からは知っておきたい人気金融商品の弱点

※本稿は『50歳ですが、いまさらNISA始めてもいいですか?』から一部抜粋・再編集したものです。

「債券」にも投資していたら?

50代以降に投資を始める場合、株式だけに投資をするのはかなりのリスクがあります。

例えば、55歳で投資を始めて65歳のときにリーマンショック級の大暴落が起きたとしましょう。そこから、損失を取り戻すために10年以上かかるケースもあるということを考えると、株式で運用する投資信託だけに投資をするのはおすすめできません。

しかし、株式だけでなく、他の資産クラスにも分散投資をするのであれば、50代以降の投資であってもおすすめできます。ここからは、どのような分散投資を行えば良いのかについて、じっくり解説していきます。

投資商品には、株式以外にも債券、為替商品、不動産、コモディティといったものがありましたが、その中でも特に時価総額が大きいのが株式と債券です。債券の時価総額は株式を上回っていますから、実は債券は投資商品の中でもトップクラスに市場規模が大きいのです。

それゆえ、株式と債券をあわせて「2大投資対象」と呼ばれるのです。

仮に米国株式だけでなく、米国債券にも分散投資していた場合、1929年の大恐慌以降に資産価値が元に戻るまで何年かかったかのでしょうか?

配当ありの株式だけだと回復までに15年もかかっていたのが、株式と債券に分散して投資していた場合には、わずか6年2カ月で回復しているのです。

配当なしだと25年かかっていたのが、配当ありでなおかつ債券にも分散投資することで、なんとここまで回復期間が短縮されるのです。

これなら65歳で暴落したとしても、71歳で回復してくれるということになります。回復するのを90歳まで待つというのは、ほとんどの人にとって厳しいと思いますが、「71歳くらいまでだったら、なんとか待てそうな気がします!」と感じる人が多いのではないでしょうか。私も、これくらいのリスクであれば、許容できそうだなと思っています。

リスクコントロールを学んで暴落に備えよう!

このように、株式だけでなく債券にも分散投資をすることで、私たちの投資のリスクをグンと抑えることができるようになるのです。

分散投資とは、「いろいろな種類の株式を買う」ことではなく、「株式以外の投資商
品、特に債券も買う」というのが分散投資の基本であると私は考えております。

ちなみに、株式だけでなく債券も買うといったような分散をすることで、リスクを抑える手法のことを、投資の世界では「リスクコントロール」と呼んでいます。
1つの銘柄や、1つの資産クラスに、資産を一気に注ぎ込まないで、複数の銘柄、複数の資産クラスに分散して注ぎ込む。これが、リスクコントロールなのです。

50代以降から投資を始める方には、ぜひこのリスクコントロールという概念を覚えておいていただきたいと思います。

リスクコントロールができていなければ、ある日突然、60%~90%も資産価値が暴落を起こし、それが回復するまでに何年もかかり、そのうちじぶんは80歳を超え、90歳で悶々とする……といったような絶望的な状況に陥ってしまうかもしれないのです。

人生100年時代と言われている今だからこそ、あなたは人生100年時代の「投資を長く続けられる」という恩恵を受けると同時に、「たまに起きる暴落に耐えられるリスクコントロールを学ぶ」という備えをしておかなければいけません。

さて、この分散投資をした場合に得られるリターンは、どのくらいでしょうか。
2003年9月末から2023年9月末までの20年間に株式と債券をそれぞれ国内と海外、4つの資産クラスに分散投資した場合、平均リターンは6.1%でした。

S&P500やオールカントリーだけに投資をした場合の11%や8・9%といったリターンに比べれば地味に見えるかもしれませんが、大暴落があったときの回復力の強さという点では、この投資方法を一番おすすめしたいのです。

●第4回は【安心して長生き。老後資金3000万円がゼロになる人、1200万円残る人の違いは?】で、自分年金戦略を解説します(6月25日公開予定)。

50歳ですが、いまさらNISA始めてもいいですか? 

 

鬼塚 祐一 著

出版社 フォレスト出版

定価 1,870円(税込) 

鬼塚 祐一/ファイナンシャルプランナー

鬼塚FP事務所代表取締役。一級ファイナンシャル・プランニング技能士。大学卒業後、郵政事業庁での営業職を経て、女性向けのマネー講座を主催するFP事務所に転職。YouTubeチャンネル「小学生にも分かる投資の授業」は登録者数11万人超。著書に『50歳ですが、いまさらNISA始めてもいいですか?』(フォレスト出版)。

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