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2つの指数を組み合わせればOK! キャピタルゲインと配当利回り、両方を狙えるポートフォリオの組み方

Finasee / 2024年6月27日 17時0分

2つの指数を組み合わせればOK! キャピタルゲインと配当利回り、両方を狙えるポートフォリオの組み方

Finasee(フィナシー)

インフレによる物価高騰のなか、現金の資産価値は目減りします。預貯金以外で何かしらの資産運用をしないと損をする状態ですが、その投資先は吟味する必要があります。

インフレに強い投資先はどこでしょうか? 

投資の最前線で30年以上のキャリアを持つ、マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏は高配当株への投資を提案しています。今回は、配当金と値上がり益の両取りの戦略を紹介します。(全3回の3回目)

●第2回:高配当時代の到来⁉ なぜこれまで日本では「株主軽視」が続き、最近変わりつつあるのか

※本稿は、広木隆著『利回り5%配当生活』(かんき出版)の一部を抜粋・再編集したものです。

「連続増配銘柄」ならキャピタルゲインも狙える

配当利回りで株式投資をする際の、ひとつのアイデアについて説明しておきたいと思います。

キャピタルゲインは不確実性の高い情報ですが、実は高配当利回り銘柄への投資は、かなりの確度でキャピタルゲインも狙えます。

というのも、日経平均株価の構成銘柄から配当利回りの高い銘柄を抽出した「日経平均高配当株50指数」の過去3年間のキャピタルゲインは、日経平均株価のそれを大きく上回っているからです。

また、「連続増配銘柄」も、キャピタルゲイン狙いに適しています。連続増配銘柄とは、10期、20期というように長期間にわたって、配当の額が増え続けている企業のことです。ちなみに米国では、25 年以上連続増配銘柄によって構成された「S&P500配当貴族指数」という有名な指数があります。

人気銘柄が集まる日本版の配当貴族

そして、これの日本版とも言える指数が「日経連続増配株指数」です。この指数は、国内上場企業のなかで過去10年にわたって連続増配をしている企業のうち、時価総額で上位70銘柄を選定しています。構成銘柄の一部を挙げると、次のような企業です。

花王、SPK、三菱HCキャピタル、リコーリース、ユー・エス・エス、小林製薬、トランコム、KDDI、沖縄セルラー電話、サンドラッグ、リンナイ、ユニ・チャーム、サンエー、アルフレッサ・ホールディングス、高速、栗田工業、ニトリホールディングス。

では、なぜ連続増配銘柄がキャピタルゲイン狙いに適しているのでしょうか。

配当を増やし続けられるのは、それだけ業績が安定して伸びていて、持続的にキャッシュを稼ぎ出す力があるからです。そのような企業の株価が安い水準で放置されるはずはありませんし、投資家はこういう企業に投資したいと考えています。したがって連続増配銘柄は、株式市場で買われる確度が高いと言えるのです。

ETFなら、この指数の組み合わせが手堅い

ただし、ここで注意しなければならない点が2つあります。

ひとつは、「高配当利回り銘柄=連続増配銘柄」ではないこと。連続増配銘柄の配当利回りは、日経平均株価に採用されている全銘柄の平均と、ほぼ同じです。そして、連続増配銘柄は、どちらかというとグロース株の要素があります。対して高配当利回り銘柄は、一般的にはバリュー株と同様の性質を持っています。

これは、PBRで比較すると明らかです。日経平均高配当株50指数のPBRが1倍を割り込んでいるのに対し、日経連続増配株指数のそれは2倍以上になっています。ここで提案したいひとつの投資戦略は、日経平均高配当株50指数に連動するETFと、日経連続増配株指数に連動したETFを併せ持つことです。

前者については、たとえばNF日経平均高配当株50指数連動型上場投信が代表的なファンドです。後者については2023年11月に、大和アセットマネジメントが「iFree NEXT日経連続増配株指数」を設定。東京証券取引所に上場されています。

バリューとグロースの要素を併せ持つ

日経平均高配当株50指数に連動したポートフォリオで、素直に高配当株の利回りを享受し、それに日経連続増配株指数を組み合わせることで、バリューとグロースの要素を併せ持ち、スタイルの分散を図ることができます。そうすると、スタイルもリスクもニュートラル(中立)で、キャピタルゲインと配当利回りのインカムゲインの両方を狙えるポートフォリオを組むことができます。

もちろん、ETFに頼らず、個別銘柄でポートフォリオを構築する際も、高配当利回り銘柄と連続増配銘柄の組み合わせで、分散投資効果を高めることができます。

ちなみにスタイルを分散させるに際して、高配当利回り銘柄と連続増配銘柄のどちらに比重を置けば良いのかという点について、迷う人もいらっしゃるかと思います。

これは人それぞれです、としか言いようがないのですが、まずは5対5の割合で良いでしょう。これで十分なスタイル分散効果が期待できます。そのうえで、もし高配当利回りを重視したいのであれば、高配当利回り銘柄を7、連続増配銘柄を3にするとか、あるいはより成長性を重視したいのであれば、連続増配銘柄を7、高配当利回り銘柄を3にすれば良いのです。

利回り5%配当生活
 

広木隆 著
出版社 かんき出版
定価 1,760円(税込)

広木 隆/マネックス証券チーフ・ストラテジスト

上智大学外国語学部卒。神戸大学大学院・経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。社会構想大学院大学教授。国内銀行系投資顧問、外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」、BSテレビ東京「日経プラス9」などのレギュラーコメンテーターを務めるなどメディアへの出演も多数

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