女性管理職比率ランキング! 気になる1位の会社はあなたの街にも?【課長級以上】
Finasee / 2024年6月18日 18時0分
Finasee(フィナシー)
「女性管理職比率ランキング」(課長級以上)1位は東横イン
女性管理職率(課長級以上)が高い企業を厚生労働省 女性の活躍推進事業「女性管理職比率の高い企業ランキング」から見てみましょう。
企業規模5001人以上という条件でのランキングは次のような結果となりました。
出所:厚生労働省 女性の活躍推進事業「女性管理職比率の高い企業ランキング」(2024年6月時点)1位の東横インはなんと96.8%。2位のライクキッズは88.3%、3位のキャメル珈琲は87.0%と高い数字が並びます。
ちょうど男女比が同じぐらいとなるのは6位のイオンファンタジー(51.8%)で、その後は40%前後の数字が続きます。
ちなみに国全体で見ると、女性管理職の割合は12.7%※にとどまっているのが現状です。40%前後がいかに高い水準かがお分かりいただけることでしょう。
※:厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査 企業調査結果概要」
ランキングに登場した企業は、女性活躍を促すためにどのような工夫をしているのでしょうか。主な取り組みを紹介します。
東横インの支配人は地域採用の「女将」1位の東横インは国内外に展開するビジネスホテルチェーンです。事業に参入した1986年、 業界経験のない女性に1号店の運営を任せて成功。支配人を「女将」と位置づけ、主婦の気配りを経営に活かそうと積極的に女性を採用してきました。
東横インでは支配人を現地採用に限ることで、地域に密着して生活する女性の特性を生かしています。同社の代名詞でもある無料サービスの朝ごはんも、支配人が中心となって各ホテルで企画。“お母さんのおもてなしの味”として提供しています。
ライクキッズは女性取締役への道も2位のライクキッズは、保育・人材・介護事業を行うライクグループ傘下の会社で直営の「にじいろ保育園」をはじめ、学童クラブや児童館など公的な保育施設の運営を行っています。
同グループでは女性が活躍しやすい職場環境を提供するとともに、積極的な管理職・役員への登用を行っています。その結果グループ内において、女性取締役も28.6%(2023年5月期末)という高い比率を実現しています。
カルディは小3まで時短勤務が可能3位のキャメル珈琲は、コーヒーをはじめとした輸入食品を扱う「カルディコーヒーファーム」を運営する会社です。同社で活用されているのが、独自の子育て支援制度「MaMaDI(ママディ)」。これは「MaMa」と「KALDI」を組み合わせたものです。
小学校3年生までの時短勤務制度や子どもの急な発熱等に合わせて取得可能な半休等の制度などによって、女性の活躍を応援。全国のママ社員同士で情報交換できる社内SNSサイトも開設し、子育てと仕事を両立しながら管理職へキャリアアップしたい女性を支えています。
ほかにも定期健診の子宮がん検診・乳がん検診費用が全額会社負担だったり、ケガや病気により就労ができなくなった際には会社負担で加入している保険が利用できたりと、働きやすさをサポートする制度が充実しています。
ニチイ学館は全国に保育所を設置5位のニチイ学館は医療や介護、保育サービスなどの企業です。1968年の創業時、忙しい医師に代わって月末月初の保険請求業務の受託を受託する形で女性雇用を促進。以来、現場で活躍する女性がキャリアアップする文化が根付き、高い女性管理職率に結びついています。
同社では、従業員が利用できる保育所を全国に設置。食事は、調乳から離乳食、幼児食まで全て対応しており、弁当を用意する必要はありません。月16日以上利用する場合は、月5000円の手当が支給されます。
ユニクロでは経営陣との意見交換もカジュアル衣料品を展開するユニクロでは、女性店長と経営陣・外部有識者が直接対話し、意見交換する「Women'sダイレクトミーティング」を開催。女性管理職候補者を対象とした育成プログラム「キャリアサポートプログラム」も行われています。
なおグループ企業のジーユーでも、子育て中の女性従業員が集まり、情報や意見の交換を行う「Waikiki(わくわくいきいき)プロジェクト」が行われています。
埼玉りそな銀行では女性チームが新商品開発を担当埼玉りそな銀行では、女性の声を経営に反映させる「さくらそうプロジェクト」を立ち上げています。毎年女性社員がチームを組み、女性視点で新しいサービスを創造。メンバーのアイデアを生かして新たに子ども食堂を支援する信託商品が登場しました。
こうした取り組みが評価され、「女性が輝く先進企業表彰」において最高評価の内閣総理大臣表彰を受賞しています(2018年)。
女性活躍推進法、えるぼし、くるみんにも注目女性管理職率が高い企業では、時短でも就業できる制度を整え、保育所設置のように安心して働ける環境も用意しています。また女性の声を経営陣に届けるための仕組みをつくり、モチベーションや能力を引き出していることも特徴といえるでしょう。
そもそも厚生労働省による「女性管理職比率の高い企業ランキング」は、女性活躍推進法に基づき、企業における女性活躍の状況に関する情報を集め、公開している「女性の活躍推進企業のデータベース」がもとになっています。
女性活躍推進法※は働く女性の活躍を後押しするためにつくられた法律。2015年に国会で成立し、2016年に施行されました。この法律によって企業は女性が働きやすい環境かという現状把握や、女性活躍を促すための行動計画の策定が必要となりました。一定の基準を満たした企業には、国から「えるぼし」「プラチナえるぼし」認定マークが付与されます。
※:正式名称…女性の職業生活における活躍の推進に関する法
子育て支援 に関しても「くるみん」「プラチナくるみん」など、育児休業取得率や労働時間数などの 段階に応じた認定マークが用意されています。
これらの制度は、“女性が働きやすい企業である”と国がお墨付きを与えるもの。認知度も上昇し、ますます注目度が高まっています。働きやすさの促進は能力を十分に発揮するためにも不可欠です。さらなる普及が期待されます。
Finasee編集部
「インベストメント・チェーンの高度化を促し、Financial Well-Beingの実現に貢献」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAやiDeCo、企業型DCといった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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