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欧州のプライベートバンクの資産運用を日本に――磨き続ける「目利き力」が顧客との信頼をつなぐ ピクテ

Finasee / 2024年6月26日 10時0分

欧州のプライベートバンクの資産運用を日本に――磨き続ける「目利き力」が顧客との信頼をつなぐ ピクテ

Finasee(フィナシー)

欧州を中心に世界に30拠点、ピクテとはどんな会社? 

ピクテ・グループは、1805年にスイス・ジュネーブで設立され、プライベートバンクとして顧客の資産を守り続けてきました。少数のパートナー(共同経営者)による経営を通じ、顧客への明確な責任体制を確立しています。現在は、欧州を中心に世界に30拠点を構え、ピクテ銀行(Banque Pictet & Cie SA)を中核に資産運用・管理サービスをグローバルに提供しています。グループの運用・管理資産残高は約115兆円*です(2024年3月末現在)。

*適用レート:WMロイター 1スイス・フラン=168.03円

誕生はナポレオン時代、フランス革命後の王侯貴族たちの資産管理を担う

ピクテの誕生は200年以上前のナポレオンの時代にさかのぼります。1805年、フランスの統治下にあったジュネーブで、二人の若き銀行家、ジャコブ-ミッシェル-フランソワ・ド・カンドルとジャック-アンリ・マレによって創業されました。

新会社は間もなく、資産管理と為替取引業務に専念する銀行、現在でいうプライベートバンクとなり、フランス革命を逃れてきた王侯貴族や富裕層の資産管理を担うようになりました。1841年にはエドゥアール・ピクテがジャコブ−ミッシェル−フランソワ・ド・カンドルの後継者となり、ピクテ家の一族が初めて銀行の経営に加わったことで、「ピクテ(Pictet)」という名が付き現在に至ります。

エドゥアール・ピクテは37年という長きにわたり他のパートナーとともにピクテの経営に携わり、1850年から1870年にかけて顧客にスイス、ヨーロッパ、北米の有価証券への投資機会を提供、幅広い企業の債券や株式を推奨していきます。スイス初の鉄道建設や海運業、不動産開発などにも投資し、プライベート・バンクとしてのビジネスモデルを確立。その後200年以上にわたって続くことになる、顧客の資産を守るための経験と知恵−ピクテの「目利き力」の基礎を築きました。

 顧客との信頼の基盤は規律を重んじる質素倹約の哲学にあり 

ピクテは創業以来、カルヴァン主義の教えを受け継ぎ、それは現在もなおパートナーや社員の企業活動や行動を特徴づけています。カルヴァンは「天職に励めば、自分自身の救済を確信できる」と唱え、規律と責任を重んじました。善行や富という形の成功は、美徳の産物とみなされ、救いのしるしとされました。

貿易、金融、商業、熟練技術といった世俗的な報酬は、謙虚さ、公共の利益への貢献、貧しい人への配慮を伴っている限り、勤勉な労働の対価と考えられました。こうした献身、善意、人格、忍耐といった資質こそがピクテの職業倫理として形成され、代々受け継がれることで、ピクテ独自の目利き力を支え続けてきました。

目利き力を支える責任意識とは、顧客のみならず、社会に対して、さらには未来に対しても責任感や義務感を持つことです。そのためには粘り強く卓越性を追求し、職業倫理に基づいて行動し、顧客や社会からの信頼と尊敬を獲得し続けなければなりません。規律を重んじる精神は、ピクテの質素倹約の哲学にも表れています。

何事にも無理をすることなく、過度な目標を立てず、堅実で持続可能な経営を実践することが、結果的に顧客との長期的な信頼関係の基盤となっています。

創業時から変わらない、資産を「守る」という意識

顧客からの信頼のもと、その核となる資産を長期にわたり守り続けてきたピクテの歴史は、言い換えれば、運用の高度化に挑み続けた歴史でもありました。そして、数々の戦禍や危機を乗り越えた体験からピクテが学び到達した解のひとつが、徹底した分散投資です。

運用リスクの低減を図るとともに、安定したリターンを確保するため、長期にわたりその実践を積み重ねてきました。資産を「守る」という意識は創業期からピクテに根付いています。そして、時代が変われば「分散投資」のあり方も必然的に変わります。2世紀の経験を経た今、その運用哲学が体現されたピクテのマルチアセット運用戦略では、株や債券などの資産の分散や地域・国の分散にとどまらず、オルタナティブ投資などにも対象を広げ、徹底的な国際分散投資を行っています。

さらに、市場環境に応じてその配分比率を機動的に変えるなど、今の時代に応じた資産運用のありかたを探求しながら、急激なドローダウン(下落)から資産を守り、相対的に安定した値動きの中でリターンを向上させることに努めています。ピクテのマルチアセット・アロケーション戦略には、マーケットや経済指標、投資プロセス、流動性などさまざまな要素を深く理解し、プロとしての複合的な判断、つまり「目利き力」が最大限に発揮されています。

日本に根付いて40年、“ありがとう”と言われる運用会社へ

ピクテ・ジャパンは1981年に東京事務所として設立され、2021年に日本進出40周年を迎えました。現在はピクテ・グループの主要事業のひとつであるアセット・マネジメント(機関投資家・投資信託運用)部門の日本拠点として資産運用サービスを提供しています。運用資産残高は約3.18兆円です(2024年3月末現在)。

*適用レート:WMロイター 1スイス・フラン=168.03円

ピクテにおけるその運用の秘訣は、同社が「目利き力」と呼ぶものにあります。それはピクテが長い歴史の中で培ってきた経験と知恵の集積です。それは単に運用力のみを指すわけではありません。そこにはピクテ独自の企業文化や信念、価値観も含まれています。「目利き力」とは「人」に重点を置いた文化です。

ピクテのルーツであるプライベートバンクでは、顧客に対して全人格を持って誠実かつ真摯に接し、責任を全うすることが求められ、その精神はピクテのあらゆるビジネスにおいて根付いています。顧客に信頼されてこそ「目利き力」が最大限に発揮されるのです。

「日本においても、私たちを信じてご資産を託してくださる皆さまからの信頼と期待に応えるべく、あらゆる環境に慎重かつ誠実に向き合ってまいる所存です。そして、皆さまから“ありがとう”と言われる運用会社でありたいと思っています」とピクテ・ジャパンのマーケティング・コミュニケーション部長・入江淳一さんは語ります。

経営理念の中核「サステナビリティ」を社会とともに

ピクテにとって「サステナビリティ」は、経営理念の中核をなす概念です。1805年の創立以来、世代を超えた長期目線で努めている、顧客の「資産保全」は、自社の努力だけで達成できることではありません。それは、健全な社会があるからこそ実現できるのです。そのため、ピクテは社会的責任を考慮した投資活動や、社会問題の喚起、支援活動を通じた地域社会への還元など、将来世代のためのさまざまな活動を積極的に行っています。

サステナビリティの取り組みは社会的責任を考慮した投資活動にとどまらず、社会問題の喚起、支援活動を通じた地域社会への還元など、将来世代に向けたさまざまな活動を積極的に行っています。資するという行動が、金銭的な取り組みだけを意味するのではなく、社員を筆頭に販売会社の皆さまや投資家の皆さまと絆を持つことが、より豊かな社会に向けて行動することであると堅く信じ、ピクテは社会貢献活動に努めて続けています。                        
                
 

Finasee編集部

「インベストメント・チェーンの高度化を促し、Financial Well-Beingの実現に貢献」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAやiDeCo、企業型DCといった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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