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国内株式投信は「高配当」「金融」で確実なリターン狙う動き 円建て資産の魅力再認識か

Finasee / 2024年6月28日 16時0分

国内株式投信は「高配当」「金融」で確実なリターン狙う動き 円建て資産の魅力再認識か

Finasee(フィナシー)

三菱アセット・ブレインズがまとめる2024年5月の国内株式を対象とした公募投信(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信除く)の資金流入額ランキングでは、トップ3が「日経平均高配当利回り株ファンド」、「日本好配当株投信」、「日本好配当リバランスオープン2」と高配当株ファンドが占めた。第4位に「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」が入るなど、従来のインデックスファンド偏重の売れ筋とは明らかに異なる動きになった。第5位には国内株ファンド(ETF、通貨選択型を除く)の中で5月末時点の1年トータルリターンが66.5%と最も高い「ダイワ金融新時代ファンド」が入るなど、選り抜きといえるファンドに資金流入が集中している。

※図をクリックで拡大表示

 ◆インデックスを凌駕する「高配当」の魅力

資金流入額トップ3の5月末現在、過去1年のトータルリターンを見ると、「日経平均高配当利回り株ファンド」が57.2%、「日本好配当株投信」が38.2%となっている。「日本好配当リバランスオープン2」は今年3月に設定されたばかりなので1年の実績がないが、同じ仕組みで運用する日本好配当リバランスオープン」は34.1%のリターンがあり、TOPIX(東証株価指数)の30.1%や「日経平均株価」の24.6%を上回っている。高配当利回り銘柄への期待は、東証がPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業に対して株価を意識した経営を要請したことなどから、国内企業の株主還元姿勢も高まりをみせ、今年スタートした新NISAでも上場株式は非課税投資枠の対象商品になっていることから、安定的な収益を求める投資家に利回りの高さで支持された。

配当利回りの水準は、5月末時点のポートフォリオの組み入れ銘柄の平均で、「日経平均高配当利回り株ファンド」は3.8%、「日本好配当株投信」が3.0%、「日本好配当リバランスオープン2」は3.9%など、同時点の「日経平均株価」の1.7%を大きく上回っている。日銀が超金融緩和政策の解除を決めたとはいえ、国内金利は10年国債利回りが年1.0%程度であり、短期金利は依然として0.2%に届かない水準にある。また、今後の利上げの動きは極めて緩やかになると見通されている。円建てで3%を超える利回りが期待できる資産に対する人気は当面、継続されそうだ。

◆インフレ時代に期待がもてる「金融」 足元リターン7%商品も

一方、「ダイワ金融新時代ファンド」は、国内の銀行を中心に保険会社や証券会社、その他金融を投資対象とするファンドだが、インフレ期に業容が拡大する業種として銀行に対する注目度が高まっている。物価が下落するようなデフレ期であれば、企業の設備投資意欲は減退する(翌年はより安い価格で同等の設備が手に入るのであるから急いで投資する必要がない。モノを作っても価格が下落するので必要最低限の生産にとどめる)ものだが、インフレ期はこの動きが逆転し、早く投資して早く製品を作り出した方が設備投資金額も抑えられ、販売による利益も見込めるため積極的な投資を進める。これが銀行の融資が伸びる要因となり、また、今後、金利が上昇することによって利ザヤも拡大する。

「ダイワ金融新時代ファンド」は、過去1年間のパフォーマンスだけでなく、足元1カ月間のリターンも7.77%と通貨選択型を除く国内株に投資する公募投信の中で最も高いリターンになっている。金融業界の業績拡大につながりやすい環境は、これからしばらくは続く見通しにあるため、金融株を見直す動きは、今後も継続しそうだ。

執筆/ライター・記者 徳永 浩

Finasee編集部

「インベストメント・チェーンの高度化を促し、Financial Well-Beingの実現に貢献」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAやiDeCo、企業型DCといった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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